「宝重庫」
「玄関」
後日譚
作 ・ 五緒さま
かしゃん、とともすれば聞き逃してしまいそうな音が耳に入った。
手元に目をやれば、錫製の杯の琥珀に浮かぶ、色のない小山が割れ、幾つかの丘を作っていた。
あの時もこんな暑い日だったな、とまだそう遠くない記憶が、見やった先に陽炎のように揺れる。
小さな贅沢を飲み干し、執務に戻った。
* * * 五緒さまのコメント * * *
誕生日祝に、と差し上げた作品の後日談的な小話。
自室に風は通るけれど、暑いことにはかわりなく、 珈琲や梅シロップの水割りに三欠け程の氷を入れ飲んでいるのですが、 その時に聞いた音が、さっき麦茶飲んでる時に甦って、何となく書けそうだと感じたので。
「雪待月庵」の五緒さんよりお誕生祝にいただいた「暑気払い」の 「後日譚」をいただきました!
涼しげな音が呼び覚ます心温まる出来事……。よいですね。
五緒さん、素敵な後日譚をありがとうございました!
そして今回、京都にて冷やしあめを飲みましたよ〜。 夏バテ解消に役立ちました!
(無断転載厳禁。勝手にお持ち帰らないでくださいね!)
五緒さまの素敵なサイト「雪待月庵」は
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2017.08.22. 速世未生 記
背景画像「幻想素材館 Dream Fantasy」さま
「宝重庫」
「玄関」