御題其の二
黒オーラ浩瀚
「──またそんな突拍子もないことを……」
祥瓊が深い溜息をついた。陽子は首を傾げる。
「そうか?」
「そうよ。陽子が何か言うたびに、みんなが走り回ることになるのよ。もう少し考えてからになさいよ」
祥瓊に諫められ、陽子はしゅんと肩を落とす。そこへ現れた浩瀚が苦笑を浮かべて口を挟む。
「──まあまあ、祥瓊。主上も悪気があるわけではないのだから」
「やっぱり浩瀚は話せるなあ」
「悪気があったら困ります。全く浩瀚さまは主上に甘すぎです」
祥瓊は眼を輝かせる陽子を睨めつける。浩瀚は微笑を浮かべた。
「──ただし、主上。そのお話は私が出した宿題を終えてからにいたしましょうね」
「こ、浩瀚?」
陽子は目を見張る。浩瀚はにっこりと笑んで続けた。
「昨日、こっそり抜け出されたのは分かっておりますから。今日は、私が一緒にいてさしあげますね。それでしたら即刻終わらせることがおできになるでしょう?」
「──浩瀚には敵わないな」
「自業自得よ」
祥瓊はやれやれと肩を竦める陽子を揶揄する。浩瀚はそんな二人を涼しげな笑顔で見守っていた。
2006.04.11.
御題其の二「黒オーラ浩瀚」をお届けいたしました。如何でしたでしょうか?
「余禄」の浩瀚を「黒い」と気に入ってくださっているNさまからのリクでございます。
実は「余禄」には、裏タイトルがありまして、「勇気を出した右手(笑)」と申します。
「墨は濡らさないと落ちないのでは?」とのツッコミをいただき、じゃあ、本当は
「墨はついていなかった!」と答えたような気がいたします。すると、浩瀚、かなり黒いよ……。
さてさて、ちゃんと「黒オーラ」出ているでしょうか。
2006.04.11. 速世未生 記
(御題其の二)
奈緒さま
2006/04/12 04:01
こちらの掲示板からは初めましてです。(ドキドキ)
で、今、夜中の4時過ぎなんですが……こんなんモッタイナイもの読ませていただいたら、
も・・・妄想が(時間が時間だけに脳内、相当、アブナイです。)
もう、陽子もタイヘンだが私も大変なことに。
浩瀚様、
宿題出したんですね?
で、一緒にいちゃうんですね?
つきっきりということなんですね?
しれっと言っちゃうんですね?
涼しいお顔で!(いっそ、フォント大にしたい位です!)
(←大きくしてみました/笑。2008.08.18.管理人追記)
しかも、陽子主上が『こっそり』抜け出した次の日なんですね?お仕置き(?)は。
(「こっそり」抜け出して、ドコで誰…ゲフン、失礼しました〜)
速世様の作品というと、表面上はしっとりとしていて、その実、中はなかなか激しい
(というか重いというか)想いの尚陽、というイメージなのですが、
(裏)浩陽、(裏)利陽も捨てがたい!(というか読み手とすればオイシイ訳で!)
という訳で、有難うございます!
家宰様の黒オーラ、しっかと読ませていただきました。
未生(管理人)
2006/04/12 04:52
奈緒さん、いらっしゃいませ〜。
凄い時間のコメントですね! って私も起きていましたが。
「黒オーラ」のリクをいただいてから、結構もんもんとしておりました。
けれど、「桜祭り」のしっとり感と「黒オーラ」、どうも相反するもので、
ずっと書けずにいたのです〜。楽しんでいただけて嬉しいです!
こんなちょっとした拙いものでよろしければ、皆さまもどうぞリクエストくださいませ。
私の胸を打つコメント、ツボを突くコメントを心よりお待ちしております。