御題其の八
景麒の憂鬱で楽しい日常
(景麒……。わたくしの景麒……)
細く美しい声、潤んだ大きな瞳。儚く美しい女王は、いつも憂愁の涙を湛えていた。
(主上……)
その姿を思い出し、景麒は瞑目する。しかし──。
「陽子、待ちなさい!」
「勘弁してくれ!」
「──いい加減、止めたら?」
けたたましい怒号に、景麒は目を開け、そっと額を押さえる。紺青の髪を振り乱して走る麗しき女史祥瓊。その前を必死の形相で逃げる凛々しき我が主上。呆れ顔で見つめる可愛らしき女御鈴。
──感傷に浸る暇も、ない。
景麒は深い溜息をつく。しかし、新しき女王の生命力溢れた姿に、金波宮は活気づく。多少賑やかしくても仕方ないだろう、と景麒は苦笑する。
「──主上、いい加減になさいませ」
「げっ、景麒!」
嫌そうに目を見張る主に、景麒は今日も諫言するのだった。
2006.04.21.
許してください〜! ほんの出来心です……!
解ってます、「黎明」に戻ります……。もう少しです。
あと2枚ほどです。気長にお待ちくださいませ……。
2006.04.21. 速世未生 記
(御題其の八)
けろこさま
2006/04/21 21:56
あっはっはっはっ〜!景麒が学校の先生になってる〜!
おとなしかった卒業した生徒会長の思い出に浸る暇もなく、活動的で学校中を喧騒に
巻き込みそうな新生徒会長に引っ掻き回される学年指導担当教諭ってとこですか。
ぶつぶつ文句を言いながら幸せを感じているところが良いです。
やっぱり景麒はこうでなくっちゃネ!
楽しいSSをありがとうございますv
未生(管理人)
2006/04/22 06:56
けろこさん、おはようございます〜。
「黎明」に煮詰まって、つい書き流してしまいました……。
楽しいリクをありがとうございました。
「黎明」第22回を今アップしてまいりました。大変お待たせをば。
コメントどうもありがとうございました!
皆さまもリクありましたら、どうぞお寄せくださいませ。お待ち申し上げております。
(「黎明」をとっとと仕上げろ! でも構いませんよ……)