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御題其の九

悪戯のツケ

「──今日くらい襦裙を着ろ」
「昨日、大袞を着てあげたじゃないか」
「あれは正式訪問のお約束だろう」
「忘れてもらっては困る。私に長袍を勧めたのはあなただよ」
 珍しく食い下がる尚隆に、陽子は軽く笑う。尚隆は片眉を上げ、不服そうに目で問う。

「ほら、初めて玄英宮に案内されたとき。あなたが私のために用意させた着替えは、紛れもなく長袍だった。女と知って命じたのなら洒落た方だって、楽俊が感心してた」

 そう言って花がほころぶように笑う麗しき女王。延王尚隆は、苦虫を潰したような顔をして横を向いた。

2006.04.24.
  「慶賀」〜「蜜月」 の翌朝と思ってください。(別窓開きます)
 「黎明」の続きを書こうと思ってたのに、気づけば御題を書いてるし。ああ〜、もう。

2006.04.24.  速世未生 記
(御題其の九)
背景画像「幻想素材館 Dream Fantasy」さま
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