御題其の二十七
かの方の反応は?
「あのね、祥瓊がね」
思い出したように笑みを浮かべ、陽子が言い出した。尚隆は隣に腰掛ける伴侶を見やった。陽子はそのまま脚を榻に持ち上げ、胡坐を掻いた。その一連の動作を眺め、尚隆は微笑する。
「──お前は面白い女だな」
「やっぱり!」
陽子はそう言って笑い転げた。尚隆は片眉を上げてみせ、不審気に問うた。
「何がだ?」
「──」
笑いすぎの陽子は、口を開けてはみたが、声にならないようだった。尚隆は肩を竦め、陽子の笑いが収まるのを待った。
「あ、あのね、祥瓊がね」
陽子は涙を拭いながら最初の言葉を繰り返す。
「あなたの前でもそんな恰好するのかって怒るんだ」
「──怒るだろうな」
女史祥瓊の麗しい美貌と優雅な仕草を思い浮かべ、尚隆は頷いた。そして、その言外の意味を悟り、人の悪い笑みを見せる。
「で、俺の反応は、お前の思ったとおり、というわけだな?」
「うん。──!」
そう問いながら、いきなり押し倒してみた。不意をつかれた陽子は、目を見開いて、声なき悲鳴を上げる。それから、少し不安げな顔をして尚隆を見上げた。その表情の変化をずっと眺め、尚隆はにやりと笑った。
「お前は、可愛いな」
「──っ!」
頬を朱に染めて憮然とする女王を組み伏せたまま、延王尚隆は揶揄する。
「俺をからかうときは、身体を張る覚悟が必要だぞ」
「──そうみたいだね」
「お前は、相変わらず面白い女だ」
陽子は諦めたように軽く溜息をつく。尚隆は喉の奥で笑いながら、そんな伴侶に甘く口づけた。
2006.07.08.
御題其の二十六「女史の深い溜息」の続き、になるのでしょうか。
──ああ、絶不調。気力を削がれることがありまして、ずっと筆が止まっておりました。
修行が足らんな〜〜。もっと強くありたいです。
書き散らしたものがどうにも纏まらないので、御題に挑戦しましたが、あえなく玉砕!
という感じ……。お目汚し、失礼いたしました。
2006.07.08. 速世未生 記
(御題其の二十七)
ひめさま
2006/07/08 13:03
ごちそうさま〜〜
管理人さん、気力を削がれることがあり絶不調
・・・?
読ませていただく者の立場からすれば、そんな状態にありながらもこうして御題を覗かせて
頂けるなんて幸せなことだとつくづく思います。
お莫迦なひめのコメントで気分転換(・・・なりませんね)してください。
けろこさま
2006/07/08 20:47
ご馳走様です〜
二人になるとやっぱり乙女の世界ですねぇ。
この後おいしくいただかれるのね////
「絶不調」と言いつつ、新作を掲載して私達を楽しませてくださるのですから、
本当に有り難いことです。
こうして文章を書くことが出来るのなら、きっと気力も少しずつ戻ってくることでしょう。
私から気力の神様にお願いしておきます。
未生(管理人)
2006/07/09 00:58
ひめさん>
お粗末さまでした。こんなものでも楽しんでいただけて、こちらこそ嬉しいです。
ありがとうございました〜。
けろこさん>
お粗末でした。「乙女」入ってますか?
──実は珍しく、後のことは考えていませんでした……(赤面←今更)
気力の神様にお祈りしてくださってありがとうございます(泣)
お蔭さまで、ひとつ短編を仕上げることができました。明日の朝アップいたします〜。
メッセージ、ありがとうございました! 気力をいただきました〜。