御題其の四十七

（末声注意！）

来訪者を見る度に

　来訪者の報せに、主は穏やかで柔らかな笑みを見せる。それは、伴侶であったかの方にもあまり見せてはいなかった貌であった。女らしささえ感じさせるその笑みに、浩瀚は胸打たれ、言葉を失った。
　かの方が登遐して、どれほど時が経っただろう。主は国主を失った隣国の後ろ盾として雁州国を支えた。己がしてもらった恩に報いるのだ、と微笑みながら。
　伴侶を喪った嘆きを見せることなく、主は王として在り続けた。浩瀚は──恐らく他の者も、それを見守ることしかできずにいた。それなのに。
　来訪者は主に明るい笑みを向ける。懐かしげに微笑む主は、女王である己をいっとき手放し、心から寛いでいるように見えた。

　己にはできないことだ──。

　浩瀚は胸の痛みを堪える。主が女王であることを忘れることなどないと思っていた。
　偉大なる王であった伴侶に恥じない王であろうとする主は健気で美しかった。かの方は、王である主を丸ごと受け止めているように見えた。そして、それができるのは、主と同じく王である、かの方だけであった。
　かの方を喪っても、主は未だ王であった。それ以外の者になることを、頑なに拒否しているようでもあった。それなのに──。

2006.11.06.

　尚隆登遐後、「来訪」連作（まだ「来訪」ひとつしか書いておりませんが……） 浩瀚視点でございます。こんな中途半端なものを出してしまって、ごめんなさい……。　
　拍手御礼のお話を探して、「断片」という書きかけのお話が詰まっているファイルを開けました。 そしたら「慟哭」を読んでしまい……思いっきり末声に心を持っていかれました。
　その後、ぽつりぽつりと「慟哭」を書き進め、ちょっと危ない精神状態になっておりました。 秋の末声は浮上が難しい！　 自己防衛のために、新たに「慟哭」は別ファイルを作って「断片」から追い出しました(笑)。
　末声脱出を図るために、とりあえず書き流したお話でございます。 Ｈさま、「氾さまで我慢する」とおっしゃってくださったのに、 こんな暗い浩瀚を出してごめんなさい……。 実は末声がお好み（!?）なＡさま、こんなのは如何でしょうか……？

2006.11.06.　　速世未生　記

Ｈさま

　なんだか切腹しそうな浩瀚がいました。
　尚隆に利広に、（読み間違った）氾さまがいて、グッと歯を食いしばった浩瀚がいました。
　どういう組み合わせの状況でも、陽子を見守る浩瀚がいました。
　ソノ浩瀚、見目良く描かれる浩瀚ではなくて、歌舞伎の白塗りの、見得を切っているような、 そんな浩瀚でした。
　たまねぎを刻んで刻んで涙の海に沈んで もう浮上できません、そんな浩瀚でした。
　切腹したって無駄なんじゃないか？
　そんなことを浩瀚に思う、ワタクシ、でございました。

未生（管理人）

　Ｈさま、いらっしゃいませ〜。
　切腹させないでください！　彼には大事なお役目がございますので……。 辛いでしょうが、彼ならやり遂げると私は信じております……！
　メッセージ、ありがとうございました。

奈緒さま

　未生様こんばんわ。
　Ｈ様の背後からそうっと無言の黒邪ミング電波を出しておりましたが、 第18回も無事ＵＰされましたということで、

大出力解禁！でございます。

　そりゃ、「来訪」の浩瀚独白に 私が無反応でいられる訳、無い！ １００％、ある訳無いじゃあありませんか！（ここ、こげなオイシイもの･･･）
　例え黒くても、ヘタレでも、陽子←浩瀚 の美食は捨てられませんがな、奥さん！ （ここ、羅針盤様のサイト傾向で大人歓迎、だったもの、大丈夫って・・・ な、何を検索してるんだ、自分）
　てなことで、陽子と利広を見る浩瀚の心情を、邪ミングベクトル３倍モード位にしてみれば、

浩瀚よ、むしろ、もっと苦しむがよい！
（心情吐露一人称希望）であります。

　ところで、
報われない愛だってあるんだよ、と
らしくない言葉で慰めてみたり、
いじめがいのあるヤツ程かわいいもんなんだ、と、シラを切ってみても、
昨今の社会問題を気にして、何とか波風立たない様に冷や汗モノで「浩瀚いじめ」を 取りまとめようとしてるのって、

やっぱり、バレてました？？？

未生（管理人）

　奈緒さん、いらっしゃいませ〜。また物凄い時間に……。私の起きる時間じゃないですか！
　そんでもって物凄い黒邪ミング電波ですね〜(笑)。奈緒さんを釣り上げられて嬉しいです♪

＞浩瀚よ、むしろ、もっと苦しむがよい！
（心情吐露一人称希望）

　──これまた凄い(笑)。「昏闇」浩瀚視点が進みそうなコメントをありがとうございます！　 ちょっと可哀想で進んでなかったのですが、少しいってみようかな〜。
　メッセージ、ありがとうございました

Ｈさま

　なーおーさーーーん・・そんなぁ・・・
　福助さんみたいな浩瀚が大きく息を吸い、黒目を中寄せにして、海の底に沈み、 ゆらゆらしています。時に、ふわぁ〜と流されながら・・・
もうすぐ、少しずつ息を吐きながら・・
浮上・・・できるのでしょうか・・・？
　え？「昏闇」が進みそうな浩瀚視点？
　あ、すこ〜し希望が・・・

けろこさま

　まぁ！ワタクシとよく似た感想を…
　そうですよね〜、奈緒さん！
　大丈夫です！「苦しんで苦しんで真っ黒になって利広と対決してネ」とすでに頼んでありますから （爆笑）
　すみません、Ｈさま。
　ワタクシ、幸せな閣下も良いのですが、彼の方々のような良い男は苦しんでナンボ！と 思っておりますので、苦しむ姿に萌えてしまうのです〜（笑）

未生（管理人）

Ｈさま＞
　あなたの呪いで、「黄昏」本編に浩瀚出張ってまいりましたよ！　 あれ、あなた出てきたの〜？　という感じ。ちょぴっとですが。
　「昏闇」も暗いのでアレなのですが、今、頭の中で、浩瀚と尚隆が会話しております……。 でも、ＰＣ前に座れないのです。どうしましょう。

けろこさん＞
　──(笑)。あなたには早く利広の本音を聞かせてあげなくては。 その後、どんな鬼発言をしてくださるか、楽しみにしております(笑)。

　メッセージ、ありがとうございました〜。