御題其の五十九
胸に秘めし誓い
「──麦州侯、いや、浩瀚」
艶然と座す女はそう切り出した。後ろ手に縛られた浩瀚は、毅然と頭を上げて女を見やる。豪奢な袞を纏い、飾り立てた女は、侮蔑的に唇を歪めて笑みを浮かべていた。
「私が景王だ。景麒もそこにいる。いい加減に認めたらどうだ」
「お前は景王ではない」
浩瀚は静かに断じた。勝ち誇った女の顔が、僅かに歪んだ。
「──まだ、そんなことを言うか」
「お前に天命が下るはずはない。宰輔は何故獣形のままなのか、答えてみるがよい」
景王を名乗る女は、わなわなと震えた。それから、怒りに燃えた双眸を下官に向けて叫んだ。
「こやつを連れて行け! その言葉、後悔させてやる」
後悔など、決してしない。偽王に頭を下げることなど、断じてしない。新たに起つ、正当なる王のために。浩瀚は誓いを胸に刻みつけた。
2006.12.27.
ずっとず〜〜〜っと前から書きかけて、放ったらかしになっていたものを見つけました。
なんとなく続きを書いたら、それなりに纏まったので、出してみました〜。
「最近、浩瀚見ませんね」と呟いていたKさま、干からびていたものですが、ご勘弁を!
──そして、最近、こんなに書いているのは、お正月帰省が近いからでしょう。
いったい何日PCを開けられないのでしょうか? しくしく。
2006.12.27. 速世未生 記
(御題其の五十九)
Kさま
2006/12/27 21:08
こんばんは。
えーっと… 干からびていたものは、浩瀚…?(笑)
慶国の未来に希望を抱いて正道を貫こうとする浩瀚が凛々しいです〜。
で・も・ネ、ここの浩瀚は少し腹黒く主上を見守っている、のが良いのですよ〜(笑)
お正月は兄弟や親戚はやってくるので、私もPCを覗けるかどうか…
家族は私がネットしていることや、何かに嵌っているとは知っているけど、
「オタ」しているとはバレていないハズ〜!
親より兄弟にバレたくないよ〜!
未生(管理人)
2006/12/28 09:50
Kさま、いらっしやいませ〜。
たまには、こんな浩瀚もどうぞ♪ ちょっと干からびていたので、味付けを変えてみました〜。
なんてね。
Kさまもご苦労されていらっしゃるのですね。はい、おんなじでございます。
こんなに趣味に没頭していると知れたら、結構凄いことになりそうでございます。
くわばらくわばら。
メッセージ、ありがとうございました。
Hさま
2006/12/28 12:21
「月影」の頃の話がすご〜い昔に感じられます。
干からびていても何にしても(これのほうがヒ・ド・イ?)久しぶりの浩瀚、
Kさまのおかげでお目にかかれてワタクシは「シアワセ」でございますよ。
ところで、ワタクシも「オタ」なんでございましょうか?
Kさま
2006/12/28 19:55
こういうところに来て、こうしてコメントを書いている人物を「オタ」と言わずに何と…?
(爆笑)
Hさま
2006/12/29 01:07
やっぱりねーー
そうじゃないかとは思っていたのですが・・・(爆爆爆)
未生(管理人)
2006/12/29 06:39
──(笑)。
Hさま>
最近、「慶賀」連作の続きを書くことが多くて、私も「月影」が遠い昔のことに思えます〜。
凛々しい浩瀚をお気に召していただけて、嬉しいですvv
そして、ご家族公認の「オタ」は羨ましいかも……。
Kさま>
鋭い突っ込みですね! そんなに腕を磨かなくてもよろしいですよ……?
メッセージ、ありがとうございました。