御題其の六十四
陽子主上の新たな受難
「主上……もう襦裙をお召しにならないのですか?」
「──何を藪から棒に」
景麒の真摯な問いに、陽子は驚いた。盛大に眉を顰め、その話はとうの昔に片がついているはずだ、と続ける。ですが、と景麒は食い下がる。
「奏では、王后も公主も、豪奢な襦裙をお召しになったまま、お茶を淹れてくださいましたよ。主上にも、おできになるはずです」
「──台輔の仰るとおりよ、陽子!」
奏は奏、慶は慶だ、と陽子が口を開く前に、どこからか現れた祥瓊が、紫紺の眸を煌かせて叫んだ。
「早速、襦裙を着て、練習しましょう!」
「わあ、待て、祥瓊、早まるな!」
「頼んだぞ、祥瓊」
狼狽える陽子を、有無を言わせず引きずって、祥瓊は去っていく。有能な女史に一声かけた後、景麒は主の美しい姿を思い浮かべ、うっとりと微笑んだ。
「景麒、憶えてろよ……!」
主の残した捨て科白も、己の幸せな思いに沈む今の景麒の耳には入らないのであった。
2007.01.27.
「黄昏」第29回で、宗王一家とご対面した景麒。
金波宮が平和な日常に戻ったら、こんなことを言い出すのでは……なんて妄想でございます。
実は昨日、発作的に書き流しました。
あまりにも頭が壊れていたので、一晩寝かせてみました〜。
ああ、私は、いつ、陽子主上を救済して差し上げられるのでしょうか……?
2007.01.27. 速世未生 記
(御題其の六十四)
けろこさま
2007/01/27 23:49
ダハハハハ〜〜〜ッ!!
お腹がよじれそうです〜〜(笑)
こんばんは。
いや〜〜、景麒ってば本っっっっ当に主上に「女」王として威厳を醸し出して
いただきたいのですねぇ。
でも、この後は「藪蛇」「墓穴」へと続いて、凛々しい「少年」王姿の陽子主上に
「…後で憶えてろよ」と低〜〜く呟かれて、盛大なる溜息をお吐きになられるはめになるのでしょうv
無駄な努力だとまだ悟れない、というか悟ることは絶対にない!のでしょうね〜♪
まぁ景麒には何時までも無駄で報われない努力をして頂くってのが、正しい「景麒愛」ってものでしょう(ウフv)
――で、陽子さん救済作は……?
未生(管理人)
2007/01/28 07:11
けろこさん、いらっしゃいませ〜。
「黄昏」第29回を書きながら、景麒視点を思い浮かべ、一人で笑っておりました。
景麒なら、自分の都合よいように解釈して、美しく、女らしい陽子主上を
ドリームするのだろうなぁ……と思うと、止まらなくなりました〜。
くくく、確かに、「墓穴」の後の陽子主上に、盛大な溜息をつきそうですね!
可哀想な景麒……。でも、これも、私の「愛vv」なのです。
陽子主上救済作……頭がモモイロのうちは無理かもしれません……(ぽ)。
メッセージ、ありがとうございました。
奈緒さま
2007/01/28 23:40
こんばんは!
・・・モモイロ、希望です。(笑)
アーモンドチョコがイイそうな・・・。
し、しつれいしました〜〜!(脱兎!)
未生(管理人)
2007/01/29 06:10
奈緒さん、いらっしゃいませ〜。
モモイロ、ご希望ですか?
はい、ずっと、モモイロと戦ってまいりましたが、あえなく討ち死に……。
も、諦めて、モモイロ街道を進みます。
アーモンドチョコの呪いも、爆笑しつつ拝見させていただいておりましたよ!
お蔭さまで開き直りました。
というわけで、冬の「燃える」シリーズ、頑張りま〜す!
メッセージ、ありがとうございました。