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御題其の八十三

白い宵闇

 白々と闇が迫る。夜になるというのに、北国の闇は、こんなにも白い。
 半歩遅れて歩いていた陽子は、少し足を速め、伴侶にそっと寄り添った。ふと触れた手を、伴侶の大きな手が包む。見上げると、優しい笑みがあった。
 繋いだ手から、じんわりと温もりが伝わってくる。このひととともにいれば、白い闇も怖くない。空も、雲も、雪も、全てが白い景色の中で、伴侶の黒い髪だけが色を有している。見失うことなく、鮮やかに。
 小さな声でそう告げると、お前のほうが色鮮やかだな、と伴侶は大きく笑った。

2007.11.30.
 書き散らした冬の情景の中から、尚陽になりそうなものをピックアップしてみました。 ショット的な散文くさい代物でございます。雁の廬でも歩いているのでしょうかね〜。
 今日は不調で何も仕上げることができませんでした。お茶濁しの御題でごめんなさい……。

2007.11.30.  速世未生 記
(御題其の八十三)

けろこさま

2007/11/30 21:52

 めずらしく(笑)拍手程度の長さの御題ですね。
 不調ですか〜。
 きっと寒さが足りないのですね。
 北国では天気予報が外れるくらい寒ぅ〜くなるよう、祈りと呪いを送りますワv(笑)

未生(管理人)

2007/12/01 07:36
 けろこさん、いらっしゃいませ〜。
 はい、ほんとは拍手にしようかと思っておりました。 けれど、楽な方に流れてしまいました(笑)。拍手のアップは結構面倒なのです〜。
 先週はかなり書いておりましたが、今週は波が引いてしまったようで、ちょっと不調でございます。
 きちんと冬が来るよう祈っていただけるとありがたいです!
 メッセージ、ありがとうございました。
背景画像「幻想素材館 Dream Fantasy」さま
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