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御題其の二十四
我思う
花を咲かせよ。美しき夢の花を──。
強い想いだけが咲かせ得るその花。数多なる草の中から伸びゆくものはただひとつ。
「──またひとつ萎れた」
彼は悲しげに呟く。萎れた花が再び花開くことは稀だ。何もせずとも、花はそのまま縮み、やがて枯れてゆく。
伸びゆくときの、あの勢いは、あの瑞々しさは、どこへ消えていくのだろう。
彼は重い溜息をつく。そして、変わらず美しい大輪の花と、咲き初めし花を見やった。
雨に、風に負けず、咲き誇ってほしい、と。
2009.09.30.
いろんな物想いが交錯する中で、浮かび上がったものを書き流してみました。
──意味不明ですね、ごめんなさい。 明確な言葉を、紡ぎたくないのかもしれません。
かなしいから。
彼は悲しく、劉王は哀しく、延王尚隆は
愛
(
かな
)
しい。 今、そんな気持ちでおります。
2009.09.30. 速世未生 記
(御題其の百二十四)
背景画像「幻想素材館 Dream Fantasy」さま
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