御題其の百六十二
翠玉の鏡
胎果はあちらとこちらでは姿が変わるという。確かに、六太の姿が変わった時には、そんなものか、と思ったが、ただそれだけだった。麒麟は金髪なのだ、と聞けばそれで納得した。
お前も顔が変わったぞ、と六太は面白げに言ったが、己の顔は鏡を使わなければ見ることがない。そもそも顔の造作など気にしたこともなかったのだ。しかし。
延王尚隆は、己と同じ胎果の王を知った。緋色の髪に翠玉の瞳、蓬莱では有り得ない、印象的な、その色。景王陽子は、初めて出会ったときから鮮やかな存在であった。
「お前はその姿に驚いたか?」
「──最初は驚いたけど……もう慣れた」
尚隆を惹きつけた鮮烈な紅の女王は、その問いに苦笑しつつ答えた。あなたは、と訊かれ、尚隆は首を横に振る。ただ、その澄んだ瞳を覗きこみ、翠玉の鏡に己を映し出した。笑みを湛える己の顔は、穏やかに安らいでいる。
お前こそが俺を映す鏡だ。
華奢な身体を引き寄せて、尚隆は唇に想いを託した。
2011.06.08.
鋭意祭ログ作成中でございます。全然終わる気がいたしません(泣)。
そして、他所さまの書いたものを読んでいる時ほど書きたい気持ちが増していくのでございます。
取り合えず、祭中にあまり書けなかったかの方を書き流してみました〜。
実は某所さまのえろい浩陽素敵絵を拝見し、ちょっと発奮いたしました。
「尚隆、お前も頑張れ!」的に!
そんなわけで、Rさま、萌えをありがとうございました(笑)。
2011.06.08. 速世未生 記
(御題其の百六十二)
瑠璃さま
2011/06/09 22:11
こんばんは、お邪魔します。
えーと多分わたしですね(^_^;)、Rです(笑)。
あれ、えろかったですか? 本人的には色々と玉砕している絵なんですが。
未生さんの発奮材料となったのなら幸いでございます。
そうですねえ、尚隆にももっと頑張らせてやってください(笑)。
未生(管理人)
2011/06/10 06:19
瑠璃さん、いらっしゃいませ〜。お呼び立てしてしまったようですね。
失礼いたしました。一応検索よけはしておりますが、念のため伏字で(笑)。
えろかったですよ〜。
祭中は禁欲しておりましたので、余計に刺激が強かったのかも。
ほんと、萌えをありがとうございました!
尚隆にももっと頑張るよう伝えます(笑)。