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御題其の百九十三

黄赤の雨

「わぁ」
 風が吹くたび降り注ぐ黄赤の雨に、伴侶は歓声を上げた。手を伸べて枝から落ちる紅葉を受け止める伴侶は楽しげで、見つめる尚隆は目を細めた。
「ずいぶん大きい葉だね」
 掌に赤や黄の葉を載せた伴侶は、感慨深げにそう言う。が、尚隆には普通の葉に見えた。
「そうか?」
「そうだよ」
 自国の紅葉は子供の手のように小さいから、と伴侶は続け、自分の掌ほどもある紅葉を持ち上げて笑う。その顔が、それこそ子供のように嬉しげで、尚隆の笑みを誘った。
「それでは、今年は紅葉を見比べに慶へ行くことにしようか」
 そう返すと、伴侶は色鮮やかな紅葉よりも美しい笑みを見せて頷いた。

2013.10.31.
 ──――だからどうした。

 激白祭では尚陽をひとつも書けなかったので、 尚隆と陽子を書きたくなっただけでございます、 はい。中身のないお話で失礼いたしました〜。

 えー、本日の北の国の最低気温は6.7℃、最高気温は15.7℃でございました。 10月が終わろうとしておりますが、まだこんな気温でございます。 いつもの坂道は今日も美しい黄葉を見せてくれました。 黄葉の時季ってこんなに長かったかな〜という疑問が浮かんでまいりました〜。

 昔、修学旅行で京都へ行ったとき、「紅葉の手」という言葉を実感いたしました。 そうか、こんな小さい紅葉があるんだ〜と。 北の国の紅葉は、かなり大きいのでございます(苦笑)。

2013.10.31. 速世未生 記
(御題其の百九十三)
背景画像「幻想素材館 Dream Fantasy」さま
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