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御題其の二百三十七

女王の指

「お手をどうぞ」

 階を一段降りた尚隆が笑みを湛えて手を伸べる。陽子は訝しく思いながらもそっと手を置いた。刹那、指先に唇をつけられて、陽子は声なき悲鳴を上げる。

「敬意を表しただけだが」

 にやりと笑んだ尚隆を睨みつつ、今日も爪を綺麗に整えてくれた女官に胸で感謝する陽子であった。

2017.05.23.
 5/23はキスの日、ということで、お風呂でぼんやり妄想し、 上がってから5分で書いた代物でございます。 ツイッターに出したところ、意外に好評でしたので、こちらにもアップいたしました。 超短文失礼いたしました〜。

2017.05.27.  速世未生 記
(御題其の二百三十七)
背景画像「幻想素材館 Dream Fantasy」さま
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