「目次」 「玄関」

常世語のお題

小粋な簪釵かんざし

「陽子、おはよう」
 声をかけて、桂桂は陽子がいつもと違うように思え、首を傾げる。どうした、と問う陽子を前に、桂桂は眉根を寄せた。しかし、視線を巡らせ、その原因を見つけ、桂桂はぱっと破顔する。
「陽子、小粋な簪釵だね! よく似合うよ」
「そんな言葉、誰に教わったんだ?」
 苦笑しつつも陽子は嬉しげだった。そんな陽子はやっぱり美人だ、と桂桂は誇らしく思った。

2007.06.14.
 この簪釵は、「尚陽編」で尚隆がぽいと投げて寄越したものだとお思いくださいませ(笑)。 こうやって、私はすぐ連鎖妄想に走ってしまうのでございます。

 (桂桂は既に口説き上手、とのご感想をいただきました/笑。07.09.追記)

2007.07.02.  速世未生 記
(常世語のお題「こ」)
背景画像「篝火幻燈」さま
「目次」 「玄関」