「目次」 「玄関」

常世語のお題

手入れの行き届いた牀榻しょうとう

 延王尚隆は慣れた足取りで金波宮を歩く。掌客殿のいつもの堂室に辿り着き、手入れの行き届いた牀榻に寝転ぶ。
 薄れゆく残月を眺め、尚隆は笑みを浮かべる。そして、まだ腕に残る愛しき伴侶の温もりを感じながら目を閉じた。
 延王尚隆が掌客殿を使う時間は僅かである。目の色を変えて牀榻を手入れする女官たちは、それを知る由もなかった。

2007.02.26.
 「常世語のお題」はノーカプ、と思っていたのに……(笑)。 かの方は陽子主上に夢中、ということでお許しくださいませ〜。

   (おもいきり尚陽ですね、とツッコミをいただいてしまいました/笑。2007.08.08.追記)

  2007.07.31.  速世未生 記
(常世語のお題「て」)
背景画像「篝火幻燈」さま
「目次」 「玄関」