常世語のお題

華やかな襦裙（じゅくん）

　壁にかけられた美しい襦裙を見て、祥瓊は小さく溜息をつく。 それを身に纏う己を想像することは、もうない。その代わり、心に浮かべるのは──。

「──今日こそ、これを着せてみせるわ」

　華やかな襦裙を纏い、麗しい微笑を浮かべる美しき女王。 祥瓊は己の理想を胸に刻み、ぎゅっと拳を握りしめる。 そして、何度も繰り返される攻防に立ち向かうのだった。

2006.11.20

　「２周年記念御題リクエスト｣第４弾、闘志を燃やす祥瓊でございます。 さてさて、彼女の熱意が報われるときは来るのでしょうか(笑)。 古いものを引っ張り出してしまってごめんなさいね〜。

　Ｋさま、リクエストありがとうございました！

• 私は自分が着飾っていることを当然だとすら思っていなかった―― 祥瓊は質素を旨とする慶主の衣裳を整えながら公主時代の己に思いを馳せていた。 ――だからって景王としての威厳を損なうような格好をして良いわけじゃないわ！　 今日こそ絶対に！　決意も新たに祥瓊は御庫を後にするのだった。 （Ｋさま・３０代・近畿・その他・祥瓊）

　リクエスターのＫさまから、ありがたいご感想をいただきました。

＞報われた装いが「墓穴」の陽子というのもすごいかも（ケラケラケラ）

　確かにそうですね（爆）。 祥瓊の熱い想いは、氾さまが受け取ってくださった、というのも私的ツボでございます〜。 ご感想ありがとうございました！

2007.09.04.　　速世未生　記