「投稿作品」 「祝11周年黄昏祭」

ネタだけ ネムさま

2016/10/03(Mon) 22:59 No.248
 お祭が延長という事で、せっかくだから何か出せるかと、脳内を漁ったのですが、 どうしようもないネタだけが出てきました。
 とても作品とは言えない代物ですが、賑わいに取り紛らわせて、こそっと置いておきます。 登場人物に好きなキャラがおられる方は、極力避けて下さいね( ^^;)

黄昏と暁の狭間に

ネムさま
2016/10/03(Mon) 23:01 No.249

その@

「祥瓊。先が尖り気味で、花びらが5枚ある花って、何だろう」
「陽子ったら、急にどうしたのよ」
「う~ん。さっき浩瀚の机の上に置いてあった表の端っこに、小さく描いてあったんだ」
「花の絵が描いてある書類? 一体、どんな内容なの」
「きっちり引いた枠線の中に、例の如く几帳面な細か~い字が書き連なって…」
「陽子。いい加減に字を覚えてよ…」
「もう少し大きくて、一字一字分かれて書いた字なら、何とか読めるよ。
 とにかく、表の脇に〇とか×とか書いてあるから、何だろうと思って見たら、表の一枚一枚に花とか動物の絵が描いてあったんだ。何かの印(マーク)みたいだった」
「あの浩瀚様が絵をねぇ…。丸い花びらなら桃か梅でしょうけど、尖っているなら李の花かしら」
「李かぁー」


「それは李斎殿の言動を拝見していたからですね。主上に対する態度、我々に対する態度、あるいは虎嘯に対する…」
 内宰の謀反の後、一つ一つきっちり理由を述べて解説する冢宰に頷きながら、頭の片隅で陽子は思った。
― やっぱり、あれ、採点表だったんだ… ―
 そして、虎や熊などの絵と一緒にあった、お陽様マークの表に何が書かれていたのか、見たいような見たくないような、複雑な気分になってくるのだった。

そのA

 最近、中華系新聞に掲載された巷の噂話
『近頃、各地で不思議な幽霊が出没している。主に子供の前に現れるそうだが、決して悪さをするのではない。
 例えば、出稼ぎの両親を想って泣いている子供の傍らに、いつの間にか白い影が寄り添っていたり、迷子の前に手招きしたりするらしい。子供達からは“白い守り神様”と呼ばれ、中には金色に輝いていたと言う子もいる。また老人の中にも、その影を見たとか、助けられたと証言する人が出て来ている。
今では子供も大人も“神様”に出会えるのを、心待ちにしている』


「供台輔。あまり崑崙の子供達にかまけていると、泰麒探索が捗りませんよ」
「申し訳ありません、宗台輔。困っている子供を見掛けると、主上の事を思い出して、つい助けたくなりまして…」
「でも、お気持ちは分かりますわ。私もご老人が危なげに歩いているのを見ると、主上へのようにお手を貸したくなりますもの」
「まぁ、采台輔まで。でも、そうですわよね。やはり似ている齢柄の方を見掛けると…ねぇ」
「宗台輔は大変ですね。宗王の御一家は5人もいらっしゃいますから」
 こうして崑崙側の泰麒探索は、あまりに麒麟らしい麒麟が揃ったため、遅々として進まなかった(らしい)。

そのB

 文州の乱が拡大し、県城に駐在する禁軍中軍へ、援軍を送ることが決定。その際、青鳥でやり取りされた連絡文書(機密扱い)
芭墨『乱が文州中部にまで拡大したとの由。瑞州師左軍を援軍として
   派遣する。受け入れ態勢を整えされたし』
英章『援軍無用。当方にて対処する』
霜元『無茶はするな。轍囲も乱の版図に入っているとのこと、主上も
   出陣されるので、出迎えるように』
英章『主上がご心痛ならば尚のこと。何としても、暴徒どもは抑えて
   みせる』
巌趙『馬鹿野郎!!意地張ってないで、さっさと出迎え準備しとけ!』
英章『絶対、イ・ヤ・だ』
臥信『いいのかなぁ? 驍宗様も王になったから、一緒に戦うのも、
   これが最後になるかもしれないだろ。あんなことや、こんなこ
   とも、もう出来なくなっちゃうぞ〜。残念だねぇ〜』

 即日、受け入れ態勢が整った旨、文州から連絡があり、朝議で王の親征が申し渡された。
 打ち合わせのために回された文書を読み、李斎はぽつりと呟いた。
「確かに…これは『機密(にしたい)文書』だ…」
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