「投稿作品」 「祝12周年十二祭」

そっと提出 由都里さま

2017/09/15(Fri) 01:56 No.35
 こんな時間に失礼します。由都里です。
 どのお題もネタが浮かんできてしまいどれにしようか大変だったのですが、 せっかくなのでオリジナル設定が生かせる「1.宝重」で一品描いてみました。
 そういえば、雁国って主従が出張ってるわりには宝重がちっとも出てきていませんね。 もしあるとしたらどんなもの? という発想からスタートした妄想の産物です。 楽しんで頂ければ幸いです〜。

御題其の一「宝重」

幽玉卮 由都里さま

2017/09/15(Fri) 01:59 No.36
幽玉卮

御題其の一「宝重」

幽玉卮

由都里さま

2017/09/15(Fri) 01:59 No.36
※雁国版・オリジナル

「幽玉卮」

翡翠でできた卮(さかずき)。これには呪がかかっており、玉卮が割れることはなく、注いだ酒は一晩の間盃の中から無くなることがない。酔うと故人の幻覚が見えるという。

* * *    * * *

「いつ誰が作った物か分からないほど、我が国に古くからある宝重なのです」
朱衡は軽くこめかみを抑えた。
「中毒の危険もあるので、今までは冬官が厳重保管していたのですが。いつだったか、主上が見つけて引っ張り出してしまい、今では毎夜の晩酌用としてお使いになられていらっしゃいます」


「――かつて蓬莱でどこぞの坊主が、玉の巵(さかずき)の当無きなき心地と言ったのだがな、たしかにこの盃には致命的な欠陥がある」
そう呟きながら、尚隆は玉卮に浮かぶ酒をぐっと煽った。盃を口から放すと、その中には元の通りに関弓産の地酒が浮かんでいる。
「いくら飲んでも酔えないのだ。これでは本来の目的は到底果たせんな」
玄英宮の主は虚空に向かってにやりと笑った。

いらっしゃいませ! 未生(管理人)

2017/09/15(Fri) 23:16 No.37
 由都里さん、第1弾をありがとうございました。 悩むほどネタを抱えられるなんて羨ましい限りでございます〜。

 そうそう、雁の宝重、私も気になっておりました!  幽玉卮、かの方にピッタリでございますね〜。 ただ、いくら飲んでも酔えないのはちょっと哀しいですね……。
 小説と絵の2本立て、ありがとうございました。胸元開けたかの方に鼻血が(笑)。

 ネタ昇華、お待ちしておりますね〜。

うわーん、ご相伴したいぃぃ! 饒筆さま

2017/09/15(Fri) 23:23 No.39
 ひゃあああっ!  殿のもの言いたげな眼差しに、私のハートが射抜かれてしまいました(ズキューン☆)  ご、ご相伴……させていただけません……か?(ふらふら)

 ――というか、 もしかして殿は故人たち(大人数)が既に見えているから酔えないのでは…… (ちょっとホラー)
 それともマジ酒豪なのか、ど、どちらなんでしょう……?

 秋の夜長にはGOOD JOBな宝重ですね♪  とりあえず関弓の地酒が飲みたいです(そっちか!)

 洒落たお話と色っぽくてドキドキ素敵な晩酌シーンをありがとうございます(礼拝)

おうっふ…(鼻血)  篝さま

2017/09/15(Fri) 23:44 No.40
 由都里さん、此度のお祭りでもどうぞよろしくお願いいたします!

 そして早速不敵な笑みを浮かべる殿に殺られました…。 殿の色気に中てられ、ふらふらになりながらも、 「酔わないのだ」ではなく「酔えないのだ」という言い回しに、ドキリといたしました。 …何か酔いたくなるような事案があったのでございましょうか?  殿、大丈夫? などと妄想逞しくフル回転中です(笑)  あ、でも晩酌用に使うくらいだからな、大丈夫かなどとも思いつつ…。 (深読みのし過ぎ申し訳ありません)

 それにしても宝重の設定を一から考えられる由都里さんのセンスに脱帽です、 天晴でございます。 一作で二度美味しい素敵な作品をありがとうございました!

ほゎ〜〜! 文茶さま

2017/09/15(Fri) 23:58 No.41
 この色香に倒れそうです///....!(くらくら)

 もし酔えたら誰の幻覚を見るのでしょう?  やっぱり守りきれなかった瀬戸内の人々なのかなと私も思いました。 逆に、幻を見せられるものなら見せてみろと、宝重に勝負を挑んでいるようにも感じられます。 面白がりつつ、真剣に。
 由都里さんのSSから色んな妄想にふけってしまいました。 興味深いお話をありがとうございます!

コメント御礼 由都里さま

2017/09/16(Sat) 09:32 No.44
 皆様あたたかいコメントありがとうございます。返信させて頂きます。

未生様>
 遅ればせながらの参加ですがよろしくお願いします〜!
 たぶん雁国スキーな方は一度は考えたことがあるのではと思います。 お祭りにかこつけて早い者勝ち方式で提出致しました。 添え文は説明みたいなもんで、果たして小説と呼べるのか疑問ですが、 楽しんで頂ければ幸いです。 そして未生さんを萌えさせられることができましたので、 尚隆はこれから積極的に剥いでいこうと思いました(笑)

饒筆様>
 気付いてしまわれましたか…!  尚隆はなぜ見えないんでしょうね…?  その辺はご想像にお任せします(*´ー`*)
 ちなみに由都里は下戸なので、お酒が強い人は羨ましいです。 雁の酒は日本酒寄りで度数が強いのではと妄想しています。

篝様>
 ひええ、流石篝さんです…一文字違いによくお気づきで…!  しかしその辺はご想像にお任せします。
 えへへ、せっかく褒めていただいたのに恐縮ですが、実は元ネタがあるんです。 「卮」にまつわるとある故事からアレンジしました。 私の頭は相変わらず空っぽです(笑)

文茶様>
 こんな短い文でこんなに考えて頂けて光栄です…!  殿は五百年も生きてますから、存命の知人より故人の方が多いかもしれません。 はてさて誰が出て来るのやら。 そして面影を見れたら何を思うんでしょうねえ…(他人事)  楽しんで頂きありがとうございます〜!

お久し振りです ネムさま

2017/09/17(Sun) 00:20 No.48
 すっかりご挨拶が遅れましたが、またお祭でお会い出来てうれしいです!
 お題全部にネタがお有りだとか… これは後11作拝見できるのだと、楽しみにしております フフフ。
 1作目の雁の宝重。いつの時代に、誰が、何を思って作ったのでしょう。 故人に会えるということは、過去を忘れるなと言う戒めなのか…いろいろ考えてしまいます。 そして絵の方では、この方、笑ってるんですよね〜。ホント、腹が立つほどイイ漢です。
 色っぽく且つ深いお話と絵、楽しませて頂きました!

コメント御礼 由都里さま

2017/09/18(Mon) 20:05 No.62
ネム様>
 お久しぶりです、由都里です。コメントありがとうございます。 できる限り出したいですが、果たして11作はどうなんでしょう(笑)
 尚隆のオトコマエを褒めて頂き嬉しいです (夢幻夜話の殿は私がいつも描く尚隆の100倍かっこよくしているのは内緒です) かの方の手にかかれば、ありがたーい宝重もただの晩酌のコップになってしまいます(笑)

ゆとりんさん、じゃないわ、由都里さんへ ひめさま

2017/09/18(Mon) 21:28 No.64
 ……確認作業に手間取ってしまいました。 原作「東の海神・・・」にて尚隆登極のころ玄英宮の御物を売り払って国庫に充てた、 という件がありましたが、 ワタクシ、その時に宝重さまも売り払っていたのだと勘違いしておりまして。 確認いたしました。売りに出された、との記述はございませんでした。
 で、この勘違いはどこから来たのかと考えてみましたところ、 12関連のサイト様がたくさんいらっしゃったころにサイト様のお名前も覚えておりませんが、 「雁の宝重が範にわたり、氾王が延王に高価買取を迫った」といったような内容のお話を 読ませていただいたことがあった気がしたからだと思います(苦笑)。 そのお話では雁の宝重についての説明はなかったと思います。

 で。
 由都里さんのオリジナル雁国の宝重ですが、「晩酌のコップ」なんですね!?
 皆様のご感想でしっかり楽しませていただきました(笑)。

コメント御礼 由都里さま

2017/09/20(Wed) 00:10 No.75
ひめ様>
 ……あの、ひめさん、あの…ツイッターでの私のことご存知なんです……?(恐る恐る)  この掲示板では別人を意識してお上品に振舞っていたつもりなのですが……
 そして私の妄想のためにわざわざご確認くださったんですか!  ありがとうございます、恐縮です…!!  何ですかその素敵な設定のお話は…。私、本当にハマった後の辿り方間違えました。 ぜひ読んでみたいものです。

私はあなたの ひめさま

2017/09/20(Wed) 21:46 No.79
ジョウユウです。

「――わたしは知っている。」

 ツイッターにはお邪魔してますよ。 皆さま活発で快活で本当に大事に“つながっている”という印象を受けております。 時に飛び込んでみたくなる衝動にも駆られますが、なぜか引き留めるものがあるのです。 ですのでもしもの時(心変わり・笑)が来るまで私はボーカンシャであろうと思われます。

 主いっぱい。主命に背く ジョウユウ でした(笑)。

卮酒と別離  浮雲さま

2017/09/26(Tue) 00:15 No.129
 遅くなってしまいましたが、コメント失礼します。
 「卮」と聞いた時、昔教科書で読んだ、「勧君金屈卮」で始まる漢詩、 「勧酒」が真っ先に脳裏に浮かびました(由都里さんの作品での卮は玉卮ですが)。 井伏鱒二の結句の訳、「『サヨナラ』ダケガ人生ダ」という言葉が印象に残っているからか、 なみなみと注がれた酒からは、生きる限り避けることのできない別離が強く思い起こされます。 500年以上の治世を持つ尚隆、きっとその人生には、別離、それも酒を酌み交わす間もない、 急な悲しい別れが多くあったでしょう、特に故郷の人々とは。 昼間は君子然と振る舞いつつも、夜には過去を捨てきることができない、 そんな人間尚隆を垣間見ることができるようでした。 ありがとうございました。乱文失礼しました。

コメント御礼3  由都里さま

2017/10/10(Tue) 22:30 No.304
 さらにコメントを頂き、若輩者はただただひれ伏すばかりです。

ひめ様>※セカンド(笑)
 ぎゃ、ぎゃぁぁー!  あんな発言やこんな発言も見られていたのですか…恥ずかしいです…。
 でもジョウユウさん、そこまで見てくださるならいっそツイッターも如何ですか?  未生さんもやってらっしゃるので気軽に話せると思います〜!

浮雲様>
 鋭いコメントありがとうございます。さすが浮雲さんです。
 もうここまで言われたので白状します。 この元ネタは三つの個故事をちゃんぽんして作りました。 なんとなーく読んでたらインスピレーションを受けたのが、浮雲さんご指摘の「歓酒」です。 (しかし井伏鱒二が連想で出てくるあたり、浮雲さんからセンスを感じます) そこから掘り下げて行ったのが「韓非子」「徒然草(この件は尚隆が直接言ってますね)」 となります。(詳細は省きます! 気になる方だけ調べてください笑)  それにしても、私が考えていた以上に浮雲さんの感想が素敵だったので、それで良いかな☆  と思っています。 なんかもう本当に語ることが何も無いので、しがないネタ職人はこのあたりでお暇致します。
背景画像「素材屋 flower&clover」さま
「投稿作品」 「祝12周年十二祭」