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ある日の蘭雪堂@2周年記念リク第2弾

2007/09/02(Sun) 05:25 No.7
 旅先からの投下でございます。不備があったらごめんなさい。

ある日の蘭雪堂

2007/09/02(Sun) 05:35 No.8
 泰麒捜索のために麒麟が出払い、景王は政務に戻った。蘭雪堂には、延王、氾王、戴国将軍のみが残されていた。

 天敵氾王との留守居が続き、延王尚隆の機嫌はすこぶる悪い。そんな尚隆を面白がるかのように、氾王が笑う。
「猿王、ただ待っているだけ、というのも趣がないとは思わないかえ?」
「素直に退屈だと言えばよかろう」
 憮然と応えを返す尚隆に、扇を広げた氾王は大仰な溜息をつく。
「つくづく情緒の分からぬ男よの」
「言いたいことは、はっきりと言え」
 尚隆は怒気を籠めて断じる。気の毒な李斎が息を呑んで見守っていた。そんなことには気も留めず、氾王は本題に入る。
「徒然の慰めに、と景女王から預かった。やってみないかえ」
 にやりと笑んで氾王が差し出したものは、碁盤であった。尚隆は眉根を寄せる。
「──なんだ、これは」
「見れば分かるであろ、碁盤じゃ」
 扇で口許を隠しつつ、氾王は尚隆を促す。
「まさか、知らぬ、ということはないだろうね?」
「無論知っておる」
「では、勝負じゃ」
 ぱちり、と小気味よい音を立て、氾王は碁石を打った。興味を引かれたらしい李斎が遠慮気味に覗き込む。碁を苦手とする尚隆は、内心舌打ちをする思いで勝負を受けたのであった。やがて──。

「──弱すぎて相手にならぬな」
「いや、もう一度勝負だ!」
「何度やっても結果は同じであろ」
 氾王は呆れたように応えを返す。いくら碁が弱いとはいえ、こやつにここまでやられては黙っていられない。尚隆は負けん気だけで何度も勝負を挑み、墓穴を掘り続けたのだった。

2007.08.31.

後書き

2007/09/04(Tue) 14:07 No.26
 旅先から第2弾をお送りいたしました。 さすがに携帯からの投稿は改行が少なくて読みにくかったので訂正いたしました。
 そして、後書きを入れる前にタイム・アップしてしまったので、今頃書いております。
 このお話も、リクエストをいただいてすぐに一気書きしたものでございます。 氾さまに遊ばれる尚隆も実はツボでございました〜。
 リクエスト、ありがとうございました!

2007.09.04. 速世未生 記

うぷぷ! ひめさま

2007/09/04(Tue) 17:33 No.27
 墓穴を掘り続けている尚隆ってとってもかわいいですね。
 李斎も対処に困ったのではないでしょうか。
 用事を終えて影から覗いているかもしれない祥瓊や鈴も「うぷぷ!」となったのでは、 と想像してしまいました。
 氾さま最強! ココまで来ると「あっぱれ」としかいいようがありませんね。
 いやぁ、楽しかったです!

ありがとうございます! 未生(管理人)

2007/09/04(Tue) 17:54 No.28
 ひめさん、大変お待たせした挙句、お手数おかけいたしました! ごめんなさい〜。
 早速のご反応ありがとうございました! 楽しんでいただけて嬉しいです。 私も楽しんで書きましたので♪ ひめさんのご投稿もお待ちいたしておりますよ!  またよろしくお願いいたします〜。
背景画像「幻想素材館 Dream Fantasy」さま
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