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金波宮の平和な悶着@2周年記念リク第15弾

2007/10/02(Tue) 06:01 No.129
 ……コメディなんだろうか?
 どうも疑問でございます。とっても不安でございます。 それでは、ある日の金波宮のひとコマをご覧くださいませ!

※ 管理人の作品は全て尚陽前提でございます。

金波宮の平和な悶着

2007/10/02(Tue) 06:04 No.130
「──陽子はどこだ?」
「存じません」
「お前には分かるはずだが」
「主上が自ら姿を隠された場合は、私は捜さないお約束でございますので」
「──俺に教える気はないのだな?」
「それが主上のお望みならば」

 内殿の入り口で、息詰まる舌戦が繰り広げられていた。女王の伴侶である隣国の王と、女王の半身である宰輔景麒である。物陰から様子を窺う女史と女御は、目を見交わした。
「陽子ったら、いったいどこへ行っちゃったのかしら?」
「──珍しく延王が訪問の日時を告げていらしたっていうのに、あれでは……」
 女王の伴侶が訪れる時刻が近くなって、肝心の女王が行方を晦ました。無論、側近は慌てふためいて女王を捜した。大僕虎嘯と禁軍左将軍桓魋かんたいを中心に、王宮内を大規模捜索中である。そんなとき、懸案の賓客が訪れてしまったのだ。
「──よりによって、台輔がお迎えに出てしまうなんて」
「浩瀚さまはどうされているのかしら」
 祥瓊と鈴が密かに溜息をついた。二人が急ぎ禁門に向かったときには、女王の伴侶を疎む台輔が応対に出ていたのである。そのとき、後ろから抑えた声がした。

「──遅かったようだな」

「浩瀚さま」
「鈴、悪いが、私が呼んでいると台輔に告げてくれ。祥瓊は延王を頼む」
「はい」
 二人は冢宰の命を受け、延王と景麒の間に割って入った。そんな様子を、いつの間にか現れた虎嘯と桓魋かんたいが心配そうに見つめる。
「──大丈夫ですかね?」
「危険、ですよね」
「主上は?」
 浩瀚の問いに、虎嘯と桓魋かんたいは力なく首を振る。浩瀚は小さく嘆息した。
「まあ、延王の応対に慣れている二人に任せよう」
 浩瀚が呟いたとき、素っ頓狂な声が響き渡った。

「あれ、みんな、どうしたんだ?」

「主上!」
 手に見事な紅葉の枝を抱えた女王が突如姿を現した。唖然とする側近たちを尻目に、麗しき女王は満面の笑みを以って伴侶を迎えた。
「いらっしゃいませ、延王。お出迎えが遅くなってごめんなさい。探し物がなかなか見つからなくって」
「──見事な紅葉だな」
「ええ、あなたに見せたくて」
 にっこりと微笑む女王に、不機嫌だった延王尚隆も大笑いする。そして、気の毒な側近たちは、呆然と立ち尽くすのみだった。

2007.10.01.

後書き

2007/10/02(Tue) 06:15 No.131
 ──大変お粗末でした。
 最初は拍手に上げたお話を祭に上げようと思っておりました。 けれど、陽子視点で書くと、ちっともコメディにならなくて。 ちっとも終わらないし、しかも、最後は甘甘になってしまって……(恥)。
 で、新たに起こしました。──如何でしょうか?
 Kさま、ごめんなさい! いつもリクを外しているような気がいたします……。 けれど、リクエスト、ありがとうございました!

2007.10.02.  速世未生 記

絶対コメディです! 空さま

2007/10/03(Wed) 21:08 No.132
 尚隆さんに相対する景麒の顔が目に浮かびます。そして、突如現れる陽子主上。 彼女の、みんなを見て「はてな」(?)をいっぱい浮かべる顔も想像できました。
 面白かった〜〜秋の気配を感じる今日この頃にぴったりのコメディですね。

ありがとうございます! 未生(管理人)

2007/10/04(Thu) 06:01 No.133
 空さん、いらっしゃいませ〜。
 笑ってくださってありがとうございます。嬉しいです〜。 コメディは書こうと思って書けた試しがないので、自信がなかったのです。
 祭も明日でお終いですが、最後までよろしくお願いいたします。

 PCの調子が悪く、ネットに繋げないため、携帯からの投稿です。 文字が打ちにくい! 苛々します〜。復活したらまたお知らせにまいります。
背景画像「幻想素材館 Dream Fantasy」さま
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