「管理人作品」 「3周年祭」

いい人@3周年記念リク第2弾

2008/09/13(Sat) 06:40 No.27
 やれやれ、管理人、やっと第2弾の投下でございます。お待たせいたしました。 それでは、蘭玉をどうぞ!

いい人

2008/09/13(Sat) 06:43 No.28
 遠甫が誰かと話している。遠甫に客が来るのは珍しくない。けれど、その人は遠甫のいつのも客人とは感じが違う。蘭玉は、すらりとした、身なりの立派なその人物を、訝しげに見つめた。
 遠甫はそんな蘭玉の気持ちを読み取ったらしく、陽子の客だと笑顔で告げた。客人は感情の籠もらない声で言った。
「辰門近くの栄可館という舎館にてお待ちしております、とお伝えください」
 伝言を、と告げながら、客人は名乗らない。蘭玉は心もち首を傾げて名を訊ねた。しかし、客人はやはり名乗らずに、意外なことを言ったのだ。

「下僕が来たと言っていただければ分かると思います」

 無愛想にそれだけ言って去っていく後姿を見つめ、蘭玉はもう一度首を傾げる。そんな蘭玉に、遠甫がまた笑った。陽子を里家に預けた人なのだ、と。
 名乗らずに陽子を舎館に呼び出す男の人。蘭玉は胸で繰り返した。すると、ある考えが浮かんだ。

 ああ、陽子の「いい人」なのだ──。

 蘭玉はやっと納得し、笑みを浮かべた。けれど。

 すらりとした長身で、身なりもよい人が、「下僕」?

 いったい、どんなお付き合いをしているのだろう? 蘭玉は考える。頭の中には、例の客人が陽子の前に恭しく跪く姿が浮かぶ。

(なんなりとご命令を、ご主人さま)

 ぶっきらぼうな陽子は、ほんのりと頬を染めて照れるのだろうか。それとも、蘭玉には見せない女らしい貌を、「いい人」には見せるのだろうか。

 陽子に訊いてみよう。どんな貌をするか、楽しみだわ。

 蘭玉は満面に笑みを浮かべ、足早に里家へと戻った。

2008.09.13.

後書き

2008/09/13(Sat) 06:49 No.29
 8月から書き始めながら、頭が秋になってしまったため、なかなか纏まらなかった小品でございます。 もう少しギャグになるかと思ったのですが。
 この場面は「黎明」にて遠甫の視点で書いたことを懐かしく思い出しました。 この後、原作の例の場面をと続くのですよね。陽子と蘭玉の少女らしいやりとりが楽しい♪
 Hさま、リクエストありがとうございました!

2008.09.13. 速世未生 記

オヤジ脳ばんざ〜ィ! Hでございます(笑)さま

2008/09/13(Sat) 15:59 No.31
<  (なんなりとご命令を、ご主人さま)(爆!!)

 確かに跪くぞ・・・・でも何か方向が違うような・・・(笑) 蘭玉に乗り移った管理人さまの想いが凝縮してるんですね?  いえ、蘭玉の想い、確かに受け取りました。

 その後の蘭玉と陽子の会話が聞けないのが辛いですけどね。

ありがとうございました 未生(管理人)

2008/09/14(Sun) 06:34 No.35
 Hさま、いらっしゃいませ〜。
 笑っていただけてよかったです! 不発かな、とも思っていたので。 確かに何か方向が違いますよね〜(笑)。
 この後の蘭玉の運命を思うと、ほんと胸が痛みますけれど……。
 ご感想ありがとうございました!
背景画像「幻想素材館 Dream Fantasy」さま
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