逍遥する秋@管理人作品第2弾
2011/09/03(Sat) 06:15 No.8
北の国は風が強くなり、むしむしして気温上昇しております。
台風が近くまで来たのか、と調べてみたら、まだ四国の近く……。
強い台風のようですね。皆さま、大丈夫でしょうか?
祭どころではないかもしれませんが、少しでも皆さまの憩いの場になればと願っております。
それでは第2弾でございます。
リクエストをいただいた順に書き始めてはおりますが、
書き始めた順番に書き上がるわけではないという罠でございます。
足掻いてみたものの、敢え無く撃沈……。早速秋のお話をどうぞ!
- 登場人物 尚隆・陽子
- 作品傾向 ほのラブ・微黒?
- 文字数 525文字
逍遥する秋
2011/09/03(Sat) 06:18 No.9
初秋の街を気儘に逍遥していた。談笑しつつ、面白いものを見つけては笑いあう。愛しい女との旅は、いつも尚隆の心を和らげた。
不意に冷たい秋風が吹き抜けて、薄着をしていた伴侶は肩を震わせる。二人きりの気安さで、尚隆は伴侶の細い肩に覆い被さった。
先に声をかけたはずなのに、伴侶は飛び上がり、おまけに叫び声まで上げた。年若き伴侶の反応は、尚隆にとって新鮮で興味深い。
「そんなに驚くことか?」
「お、重いんだよ」
笑い含みの問いに返された呟くような答え。緊張を隠し切れていない身体が本音を語っている。尚隆は素知らぬ素振りで更に問うた。
「だが、温かいだろう?」
華奢な肩をゆったりと抱きしめたまま、伴侶の応えを待つ。少し速まった鼓動を楽しみながら。やがて、伴侶は微かに頷いた。強張っていた身体から力が抜ける。そうして伴侶は尚隆に身を委ねた。
肩に置いていた手を腹に移して力を籠める。こうして互いを温め合える季節が秋。厚い褞袍に隔てられることのない温もりが愛おしい。しか
し──。
素肌の温もりはもっと心地よい。
そう告げたのなら、怒りと羞恥に頬を染め、伴侶はこの腕を抜け出してしまうだろう。余計なことは口に出すまい。尚隆は何も言わず、笑いを堪えて芳しい紅の髪に顔を埋めたのだった。
2011.09.01.
後書き
2011/09/03(Sat) 06:26 No.10
御題其の九十七「秋の逍遥」の尚隆視点、「逍遥する秋」をお届けいたしました。
「秋の逍遥=秋の尚陽」でございましたが、今回も、「逍遥する秋=尚陽する秋」でございます。
これを書いていた時はまだ涼しかったのですよ……(苦笑)。
こういうのは書いていて楽しいです。
けれど、我ながら傾向が解りません。
ラブラブ、と主張すると嘘になるような気がいたします。
Iさま、リクエストありがとうございました!
- 御題其の九十七「秋の逍遥」の尚隆視点をお願いします。
2011.09.03. 速世未生 記
ありがとうございます 未生(管理人)
2011/09/06(Tue) 06:14 No.19
饒筆さん、いらっしゃいませ〜。
逍遥という言葉は尚陽と引っかけやすくてよく使っているかもしれません。
そうそう、春のメインは桜だし、夏は暑過ぎるし、
北の国の住人にとって冬の寒さは洒落にならないので、この手のものはやはり秋になります。
ご賛同いただけて嬉しいです!
ラブラブというよりメロメロですか!
私が書くとどうにもオヤジ臭くなってしまうのですが、
幸福感いっぱいに見えるならよしといたします〜。
お声を上げてくださってありがとうございました!