景王の素朴な疑問其の三@管理人作品第8弾
2012/10/01(Mon) 09:01 No.112
皆さま、おはようございます。昨日温泉地より無事に帰宅いたしました。
紅葉が始まりかけておりましたよ! 恐らく平年より大分遅いと思います(苦笑)。
管理人留守中も祭を盛り上げてくださってありがとうございました。
拍手もありがとうございました〜。
留守にすると色々と滞ってしまいます。後程レスしに戻ってまいりますね!
レスが終わりましたので小話まいります。
なんだか、注意書きを忘れておりましたが、
拙作「滄海」は尚隆と陽子の新婚旅行設定でございます〜。
それでは「滄海」余話をどうぞ。
- 登場人物 陽子・尚隆・班渠
- 作品傾向 コメディ
- 文字数 658文字
景王の素朴な疑問其の三
2012/10/01(Mon) 17:03 No.115
「訊きたいことはないか?」
延王尚隆が、さも可笑しそうにそう促す。景王陽子は小首を傾げて素直に問うた。
「少し戻るけど……」
「かまわぬ」
「──藁を切って両長になったんだよね?」
陽子は隣に坐る尚隆を見上げて訊ねる。尚隆は真面目くさって頷いた。
「それがどうした?」
「あのね、浮民が冬器の剣を持ってること自体おかしいと見咎められなかったの?」
元州は兵を集めるために浮民にまで門戸を開いたという。けれど、浮民が冬器の戈剣を持っているなど、普通のことでははないだろう。陽子は不思議に思った。が、尚隆は呵々大笑して陽子の愛剣水禺刀を指差す。
「お前がそれを問うのか?」
「私のことなんか関係ないだろう?」
どうして逆に訊かれてしまうのだろう。陽子は眉根を寄せて言い返す。しかし、にやりと笑んだ尚隆はさらに問い返すのだ。
「内乱に介入したのは同じではないか?」
「だーかーらー! そうじゃなくて!」
「そうじゃないのなら、どうなのだ?」
どんどん話がずれていく。元に戻そうと躍起になればなるほど、尚隆の顔が意地悪になっていく。陽子は真っ赤になって怒声を上げようとした。正にそのとき。
「班渠、我慢せずともよいぞ」
不意に尚隆が足許に目を向ける。途端にくぐもった忍び笑いが聞こえてきた。陽子は舌打ちする。いつも隠形して陽子を護る使令の班渠が気配を曝していた。
「笑うな、班渠」
「――失礼仕りました」
笑い含みの声を残し、班渠の気配が消える。尚隆は大きな肩を小刻みに揺らして笑い続けた。陽子は膨れっ面で横を向く。その膨らんだ頬を、武骨な指が楽しげに突くのだった。
2012.10.01.
後書き
2012/10/01(Mon) 17:08 No.116
御題其の百六十八「五十歩百歩」の陽子視点をお送りいたしました〜。
ああ、ほんと中身がない(苦笑)。
頭がだんだん壊れてきております。大変お粗末でございました〜。
2012.10.01. 速世未生 記
犬も食わない…(笑) 瑠璃さま
2012/10/01(Mon) 20:48 No.118
尚隆にからかわれる陽子さんが可愛いなあ。
尚隆も陽子さんが可愛くて仕方が無い感じ。
なんだかんだと見せ付けられて、
班渠も笑わせてもらわないとやってられないかも(笑)。新婚旅行ですしね!
ホントですね(笑) 未生(管理人)
2012/10/02(Tue) 09:42 No.119
犬も食わない、班渠も笑うしかない……(苦笑)。
はい、新婚旅行ですから! かの方のはしゃいでいうということで。
揶揄われる陽子主上はお気の毒ですが、ね(笑)。
そう言えば ネムさま
2012/10/04(Thu) 22:22 No.121
鈴は冬器を買っていたけど、あれは才王の旅券があったからでしょうか?
当時の雁はまだ治安が戻っていなかったから、
勝手に現物支給の給与代わりに持ち出した冬器を持った逃亡兵なんかが、
うろついていたのかもしれませんね。
でも尚隆はそんな細かいことは忘れて、
しらばっくれながら陽子をつんつんしているのでしょう。ごちそうさま!
そうなんです 未生(管理人)
2012/10/05(Fri) 11:12 No.123
ネムさんがおっしゃるとおり、鈴は冬器を買うときに旌券を見せていました。
陽子はそれを知っているはずですよね〜。
まあ、当時の雁は荒れていましたので、
刀を持ったまま逃げてしまった者や、
倒れた者から奪って己の物にした者やら沢山いたのではないかと。
あんまり真剣に訊ねられるとつい揶揄いたくなる気持ち、解らなくはないです、
わはは。お粗末でございました〜。