惜別のとき
ああ、ついに投稿最終日……みなさまの怒涛のラストスパートに胸躍らせつつ、私もお邪魔します。
楽しかったお祭りも最後ということで、テーマはズバリ「惜別」です。
慶国三人娘は永遠に仲良くしていてほしい〜と思いつつも、行動力の塊みたいな彼女たちだから、陽子の朝がひと山越えたら意外とアッサリ次の目標に向かって行くかも、という妄想です。
ぜひぜひ、森山直太朗さんの『さくら』(独唱)をBGMにどうぞ。
あ、ほほほさま、誠に勝手ながら、記事No.525 ほほほさまの「桜の衣装」をイメージに使わせていただきました。事後になってすみません、ありがとうございました。
登場人物 陽子、鈴、祥瓊
作品傾向 三人娘・水入らずの惜別
連鎖妄想元 No.525 ほほほさまの「桜の衣装」
文字数 3394文字
さくら さくら いざ
ぐずぐず引き留めていたから、もう八重桜も散り始めてしまった。
明るい朱の毛氈へ、早起きして一緒に作ったお弁当へ、大好きな友の為にそれぞれ見立て合った襦裙へ、緋と紺と黒の髪へ、薄紅の花片が絶え間なく舞い落ちる。
昨日仙籍を抜いた二人は、やけにこざっぱりした顔で笑った。
「ほらぁ、よく似合っているじゃない陽子。良かったわ、ちゃんと着てくれて」
「桜には目が無いくせに、『桜花の打掛?可愛すぎるよ!私にはちょっと……』なーんてさ、どうしてそんなことを言ったのかしらね?」
「だって……」
頑是ない抗弁を呑み下し、陽子もまた笑顔を浮かべた。
今日は笑おう。たくさん笑って、心から楽しく過ごそう。
「ありがとう。大切に使うよ」
「どういたしまして♪」
「これを機に、もっと華やかな衣裳も着ればいいのよ。似合うんだから」
やわらかな毬が跳ねるような、銀の鈴が転がるような笑い声を聞くのも、これが最後かもしれない。陽子は滲む涙をぐっと堪える。
「鈴も、祥瓊も、すごく綺麗だ」
「そりゃそうよ、特に鈴は。今、幸せいっぱいだからね!」
「やだあ〜もぉ祥瓊」
ふざけて肩を寄せられた鈴は、耳まで赤くなって押し返す。それから少し改まって、陽子に向き直った。
「ごめんね陽子。わたしだけ我儘を言って」
「いいや」
陽子は即座に首を横に振った。
「鈴の人生は鈴のものだ。だからそれは我儘なんかじゃない。生涯を共に、と誓えるひとに出会えたなんて素晴らしいことじゃないか。慶のことはこちらに任せて、二人で頑張って」
「うん。ありがとう」
つぶらな瞳が潤む。鈴は人差し指でそっと目尻をぬぐった。
「わたし、精一杯頑張るわ。実はね、これまで――ここは好きで来た場所じゃない、どうしてわたしだけがこんな目にって愚痴をどうしても手放せなかったの。でも、これまでのことは全部彼に会うための道のりだったんだと思えば――もう愚痴も、恨みも無いわ。
胸を張って、ここで、彼と一緒に家族を作る。
海客のわたしには子供は授からないかもしれないけれど、それなら清秀みたいな子を引き取って育てたいの。立派なお母さんになれなくても、せめて笑顔でいられる温かな『家』で守ってあげたいから」
訥々と、でも決然と明かされた友の心境に、祥瓊と陽子は心から祝福を贈る。
「素敵な志じゃない。鈴ならきっと良い母親になれるわ」
「まったくだ。私もずっと応援しているよ」
親友たちから励ましを受け、鈴はふんわりと微笑んだ。
「ふふっ、照れちゃうわ……本当にありがとう」
そのふっくらとした顔立ちは、揺ぎ無く穏やかな愛に包まれた自信に満ちていて、どこか危なっかしい早乙女の面影などもはや見られない。移ろう花と同様、鈴もまた次の季節へ歩み始めたのだ。
それは友として頼もしく、もちろん喜ばしい変化なのだが――どうしてこの胸の奥には切ない隙間風が吹くのだろう?
陽子はせっかくの笑顔が曇らないように、翠瞳をもう一人の友へ転じた。
「祥瓊は……本当に百日荒行を敢行するの?」
「するわ。芳の王母廟で賛歌を唱え続ける」
元公主は毅然と女王を見返した。
「飲まず食わずで?」
「ええ」
「潔斎して水行まで?」
「そうよ」
祥瓊はきっぱりと答え、頷く。潔く肚を括ったその表情はむしろ晴れやかだ。
「麒麟旗が揚がらないまま十五年よ?峯麒が今どうしているのかさえ、蓬山は答えてくれない。月渓さまの奮闘ももう限界だわ……だから、こちらから乗り込んでやるの。
蓬山の女仙に召し上げられるためには、五山から迎えが来るほどの『献身』を見せなければならないのですって――ならば、やってやろうじゃないの。芳に捧げるこの覚悟、命に代えても天へ知らしめてやるわ!」
誇り高きその決意は確かに尊いものだが……鈴と陽子は眉根を寄せる。
「祥瓊の気持ちはよくわかる。ずっと芳の行く末を心配していたもの……でもやっぱり荒行なんて心配だわ。どうしてもその方法しか無いの?」
「そうだよ祥瓊。芳を救う手段は一つじゃない。やってみてダメだと思ったら、無理せず一旦慶に戻っておいで。遠慮なく私を頼って欲しい」
友の身を案じるからこその申し出に、祥瓊は素直に謝辞を述べる。
「ありがとう陽子……慶だけでなく芳のことまで。陽子こそ、無理をしないで。芳の問題は芳の国人が解決するべきなのよ。私、今度こそ見過ごしたり、目を瞑ったりしたくないの」
遠回りしたけれど本物の気高さを得た友は、仰ぎ見たくなる程に眩しく輝いて見えた。
その輝きは明日にも遠い極国へ去ってしまうのだが。
「……そうか。二人とも立派だな」
陽子はちいさな嘆息とともに目を閉じる。
そして沈む胸の裡を押し殺し、パッと作った笑顔をあげた。
「鈴。祥瓊。改めて二人の旅立ちを祝うよ。新しい門出おめでとう!それぞれ大変な挑戦だと思うけれど、どうか二人の願いが成就しますように。……まあ、残る私も、相変わらず何とかやっていくよ」(ははは……)
すると、二人の親友たちは小麦色の手をそっと取って包んでくれた。
「陽子こそ、これからもずっと大変だろうけれど……無茶はしないで、でも陽子らしく頑張ってね」
「鈴の言う通りだわ。でもきっと陽子なら大丈夫。逆に、頑張りすぎに気をつけなきゃ」
互いの目と目を合わせれば、それぞれの胸に温かいものが込み上げてきて――ぎゅっ。三人はその手と手をかたく握りしめた。
陽子は鈴と祥瓊の顔を交互に見つめる。
「ありがとう。そうだな、私なら大丈夫。たくさんの人が支えてくれるし、それに……どんなに遠くに行ったって、何をしていたって、鈴も祥瓊もずっと友達でいてくれるだろう?」
『当り前よ!』
「……なら、心強いよ」
翠瞳がひときわ大きく揺れた。その途端、ほろりと涙の粒が零れてしまい、陽子は歯を食いしばって天を仰ぐ。
「あーダメだ!泣かないって決めていたのに!!」
頭上に無数に灯る小さなぼんぼりのような桜花が見守る中、陽子はついに胸中を吐き出した。
「二人の意志は尊重するし、旅立ちも喜んで見送る。これからもずっと応援するよ――だけど、やっぱり寂しいな。……なあ鈴、祥瓊、また会えるよね?これが最後じゃないよね?!」
『当り前じゃない!!』
力強い唱和に泣きっ面を向ければ、親友たちも揃って泣き笑いの表情になっていた。
「ばかね陽子。私たちの縁が切れる訳ないじゃない!」
「そうよそうよ!も〜泣かないで陽子。わたしも泣けてきちゃう」(ぐすっ)
良かった。寂しい気持ちはみんな同じだった。
陽子は親友たちの手を引き、すこし俯いた己の額へ、大切に押し頂いた。そしてまるで友たちへ祈るように、心からの言葉を紡ぐ。
「鈴と祥瓊の未来に、希望と幸福が在りますように。もう後は振り返らず、新しい場所で一心に頑張って欲しい……でも、懐かしくなったら、いつでも帰って来ていいんだよ。私はここでずっと待っているから」
「陽子……」
堪えきれぬ嗚咽が聞こえた。
寂しさは募るけれど、今は惜別の時。もう引き返せない。
お互いにありがとう、ありがとう、心はずっと一緒よと繰り返し唱え合う中で、次第に娘たちの頬に明るい微笑みが浮かんできた。
「……わたし、いつか子供たちを連れて金波宮へ里帰りするわ。でも、その頃にはすっかり世慣れて、たくましいおばさんになっているかも……ねえ陽子、それでも『誰?』なんて言わないでよ?」
「言わないよ〜」
うふふふ。鈴の、やわらかな毬が跳ねるような笑い声が耳をくすぐる。
祥瓊も負けじと続いた。
「じゃあ、私は見事女仙になれたら、いつか二人を蓬山へ招待してあげるわ。麒麟が遊ぶお庭でお茶しましょう?そんな贅沢、なかなかできないわよ?」
「凄いな!」
「夢みた〜い」
祥瓊の、銀の鈴が転がるような笑い声は華やかで心が浮き立つ。
輪になって繋いだ手をかるく振りながら、三人の友は約束をした。
「絶対にまた三人で会おう――できれば花見がしたいな」
「うん。いいわね、お花見。しましょうね三人で」
「必ずね」
「約束だからね!!」
すこしばかり曇った空はやわらかに薫る桜園を封じ込めているようで――今しばらくはこのまま、風よ吹かないで欲しいと陽子は切に願う。
そして、明日清々しい晴天の下で旅立つ二人を思い描いて、また誇らしく微笑むのだった。
<了>
ぐずぐず引き留めていたから、もう八重桜も散り始めてしまった。
明るい朱の毛氈へ、早起きして一緒に作ったお弁当へ、大好きな友の為にそれぞれ見立て合った襦裙へ、緋と紺と黒の髪へ、薄紅の花片が絶え間なく舞い落ちる。
昨日仙籍を抜いた二人は、やけにこざっぱりした顔で笑った。
「ほらぁ、よく似合っているじゃない陽子。良かったわ、ちゃんと着てくれて」
「桜には目が無いくせに、『桜花の打掛?可愛すぎるよ!私にはちょっと……』なーんてさ、どうしてそんなことを言ったのかしらね?」
「だって……」
頑是ない抗弁を呑み下し、陽子もまた笑顔を浮かべた。
今日は笑おう。たくさん笑って、心から楽しく過ごそう。
「ありがとう。大切に使うよ」
「どういたしまして♪」
「これを機に、もっと華やかな衣裳も着ればいいのよ。似合うんだから」
やわらかな毬が跳ねるような、銀の鈴が転がるような笑い声を聞くのも、これが最後かもしれない。陽子は滲む涙をぐっと堪える。
「鈴も、祥瓊も、すごく綺麗だ」
「そりゃそうよ、特に鈴は。今、幸せいっぱいだからね!」
「やだあ〜もぉ祥瓊」
ふざけて肩を寄せられた鈴は、耳まで赤くなって押し返す。それから少し改まって、陽子に向き直った。
「ごめんね陽子。わたしだけ我儘を言って」
「いいや」
陽子は即座に首を横に振った。
「鈴の人生は鈴のものだ。だからそれは我儘なんかじゃない。生涯を共に、と誓えるひとに出会えたなんて素晴らしいことじゃないか。慶のことはこちらに任せて、二人で頑張って」
「うん。ありがとう」
つぶらな瞳が潤む。鈴は人差し指でそっと目尻をぬぐった。
「わたし、精一杯頑張るわ。実はね、これまで――ここは好きで来た場所じゃない、どうしてわたしだけがこんな目にって愚痴をどうしても手放せなかったの。でも、これまでのことは全部彼に会うための道のりだったんだと思えば――もう愚痴も、恨みも無いわ。
胸を張って、ここで、彼と一緒に家族を作る。
海客のわたしには子供は授からないかもしれないけれど、それなら清秀みたいな子を引き取って育てたいの。立派なお母さんになれなくても、せめて笑顔でいられる温かな『家』で守ってあげたいから」
訥々と、でも決然と明かされた友の心境に、祥瓊と陽子は心から祝福を贈る。
「素敵な志じゃない。鈴ならきっと良い母親になれるわ」
「まったくだ。私もずっと応援しているよ」
親友たちから励ましを受け、鈴はふんわりと微笑んだ。
「ふふっ、照れちゃうわ……本当にありがとう」
そのふっくらとした顔立ちは、揺ぎ無く穏やかな愛に包まれた自信に満ちていて、どこか危なっかしい早乙女の面影などもはや見られない。移ろう花と同様、鈴もまた次の季節へ歩み始めたのだ。
それは友として頼もしく、もちろん喜ばしい変化なのだが――どうしてこの胸の奥には切ない隙間風が吹くのだろう?
陽子はせっかくの笑顔が曇らないように、翠瞳をもう一人の友へ転じた。
「祥瓊は……本当に百日荒行を敢行するの?」
「するわ。芳の王母廟で賛歌を唱え続ける」
元公主は毅然と女王を見返した。
「飲まず食わずで?」
「ええ」
「潔斎して水行まで?」
「そうよ」
祥瓊はきっぱりと答え、頷く。潔く肚を括ったその表情はむしろ晴れやかだ。
「麒麟旗が揚がらないまま十五年よ?峯麒が今どうしているのかさえ、蓬山は答えてくれない。月渓さまの奮闘ももう限界だわ……だから、こちらから乗り込んでやるの。
蓬山の女仙に召し上げられるためには、五山から迎えが来るほどの『献身』を見せなければならないのですって――ならば、やってやろうじゃないの。芳に捧げるこの覚悟、命に代えても天へ知らしめてやるわ!」
誇り高きその決意は確かに尊いものだが……鈴と陽子は眉根を寄せる。
「祥瓊の気持ちはよくわかる。ずっと芳の行く末を心配していたもの……でもやっぱり荒行なんて心配だわ。どうしてもその方法しか無いの?」
「そうだよ祥瓊。芳を救う手段は一つじゃない。やってみてダメだと思ったら、無理せず一旦慶に戻っておいで。遠慮なく私を頼って欲しい」
友の身を案じるからこその申し出に、祥瓊は素直に謝辞を述べる。
「ありがとう陽子……慶だけでなく芳のことまで。陽子こそ、無理をしないで。芳の問題は芳の国人が解決するべきなのよ。私、今度こそ見過ごしたり、目を瞑ったりしたくないの」
遠回りしたけれど本物の気高さを得た友は、仰ぎ見たくなる程に眩しく輝いて見えた。
その輝きは明日にも遠い極国へ去ってしまうのだが。
「……そうか。二人とも立派だな」
陽子はちいさな嘆息とともに目を閉じる。
そして沈む胸の裡を押し殺し、パッと作った笑顔をあげた。
「鈴。祥瓊。改めて二人の旅立ちを祝うよ。新しい門出おめでとう!それぞれ大変な挑戦だと思うけれど、どうか二人の願いが成就しますように。……まあ、残る私も、相変わらず何とかやっていくよ」(ははは……)
すると、二人の親友たちは小麦色の手をそっと取って包んでくれた。
「陽子こそ、これからもずっと大変だろうけれど……無茶はしないで、でも陽子らしく頑張ってね」
「鈴の言う通りだわ。でもきっと陽子なら大丈夫。逆に、頑張りすぎに気をつけなきゃ」
互いの目と目を合わせれば、それぞれの胸に温かいものが込み上げてきて――ぎゅっ。三人はその手と手をかたく握りしめた。
陽子は鈴と祥瓊の顔を交互に見つめる。
「ありがとう。そうだな、私なら大丈夫。たくさんの人が支えてくれるし、それに……どんなに遠くに行ったって、何をしていたって、鈴も祥瓊もずっと友達でいてくれるだろう?」
『当り前よ!』
「……なら、心強いよ」
翠瞳がひときわ大きく揺れた。その途端、ほろりと涙の粒が零れてしまい、陽子は歯を食いしばって天を仰ぐ。
「あーダメだ!泣かないって決めていたのに!!」
頭上に無数に灯る小さなぼんぼりのような桜花が見守る中、陽子はついに胸中を吐き出した。
「二人の意志は尊重するし、旅立ちも喜んで見送る。これからもずっと応援するよ――だけど、やっぱり寂しいな。……なあ鈴、祥瓊、また会えるよね?これが最後じゃないよね?!」
『当り前じゃない!!』
力強い唱和に泣きっ面を向ければ、親友たちも揃って泣き笑いの表情になっていた。
「ばかね陽子。私たちの縁が切れる訳ないじゃない!」
「そうよそうよ!も〜泣かないで陽子。わたしも泣けてきちゃう」(ぐすっ)
良かった。寂しい気持ちはみんな同じだった。
陽子は親友たちの手を引き、すこし俯いた己の額へ、大切に押し頂いた。そしてまるで友たちへ祈るように、心からの言葉を紡ぐ。
「鈴と祥瓊の未来に、希望と幸福が在りますように。もう後は振り返らず、新しい場所で一心に頑張って欲しい……でも、懐かしくなったら、いつでも帰って来ていいんだよ。私はここでずっと待っているから」
「陽子……」
堪えきれぬ嗚咽が聞こえた。
寂しさは募るけれど、今は惜別の時。もう引き返せない。
お互いにありがとう、ありがとう、心はずっと一緒よと繰り返し唱え合う中で、次第に娘たちの頬に明るい微笑みが浮かんできた。
「……わたし、いつか子供たちを連れて金波宮へ里帰りするわ。でも、その頃にはすっかり世慣れて、たくましいおばさんになっているかも……ねえ陽子、それでも『誰?』なんて言わないでよ?」
「言わないよ〜」
うふふふ。鈴の、やわらかな毬が跳ねるような笑い声が耳をくすぐる。
祥瓊も負けじと続いた。
「じゃあ、私は見事女仙になれたら、いつか二人を蓬山へ招待してあげるわ。麒麟が遊ぶお庭でお茶しましょう?そんな贅沢、なかなかできないわよ?」
「凄いな!」
「夢みた〜い」
祥瓊の、銀の鈴が転がるような笑い声は華やかで心が浮き立つ。
輪になって繋いだ手をかるく振りながら、三人の友は約束をした。
「絶対にまた三人で会おう――できれば花見がしたいな」
「うん。いいわね、お花見。しましょうね三人で」
「必ずね」
「約束だからね!!」
すこしばかり曇った空はやわらかに薫る桜園を封じ込めているようで――今しばらくはこのまま、風よ吹かないで欲しいと陽子は切に願う。
そして、明日清々しい晴天の下で旅立つ二人を思い描いて、また誇らしく微笑むのだった。
<了>
輝ける君の未来を願う
文茶
2019/05/26(Sun) 16:34 No.676


愚痴ばかり言っていた二人が、こんなに強く逞しくなったんだなぁと感慨深くなりました。 それは誰かのお陰というよりも、三人娘が出会ったことで起きた化学変化みたいな。 本音を言えば、祥瓊と鈴にはずっと金波宮にいて陽子さんを支えて欲しいけれど、彼女たちがそれぞれ進むべき道を見つけたのなら祝福してあげたいですよね!
そして、いつかまたではなく、この年は3人でお花見!と定期的に女子会を開いて情報交換して欲しいなぁ〜^ ^
三人娘の素敵な絆のお話に胸が温かくなりました。 ありがとうございます!
そして、いつかまたではなく、この年は3人でお花見!と定期的に女子会を開いて情報交換して欲しいなぁ〜^ ^
三人娘の素敵な絆のお話に胸が温かくなりました。 ありがとうございます!
Re: 惜別のとき
それが今っていうのが何とも言えず寂しいですね。でも苦楽を共有し、分かち合ってきたからこそ次の夢に向かって歩き出すことができる、きっとそうなんでしょうね。長い時間をかけて三人が三葉の生き方を見つけた。それは祝福すべきことなんでしょうね。
じょー(泣)
葵
2019/05/26(Sun) 17:41 No.681


饒筆さま、大変ご無沙汰いたしておりますm(__)m
あなたさまのおへそのゴマ・葵でございます。
切なくって、でもすがすがしくって思わずホロリとなってしまいました。
うんうん、彼女達に「停滞」は似合わない、おそらく慶と陽子さんの治世が落ちついたら女御と女史を返上して自らの道を行くだろうなと思います。
でも別れは寂しいですね、ずっと一緒にいられたらいいのにと願わずにいられませんが…彼女達を愛しているからこそ、こころから祝福してあげたいですよね。
心に沁みるお話をありがとうございました!
あなたさまのおへそのゴマ・葵でございます。
切なくって、でもすがすがしくって思わずホロリとなってしまいました。
うんうん、彼女達に「停滞」は似合わない、おそらく慶と陽子さんの治世が落ちついたら女御と女史を返上して自らの道を行くだろうなと思います。
でも別れは寂しいですね、ずっと一緒にいられたらいいのにと願わずにいられませんが…彼女達を愛しているからこそ、こころから祝福してあげたいですよね。
心に沁みるお話をありがとうございました!
感涙
そうですね、彼女たちは常に前を向いていそうです。何事にも終わりがあるけど、終わるから始められるんですよね。
それぞれの旅立ちに心からの祝福を。素敵なお話をありがとうございました!
それぞれの旅立ちに心からの祝福を。素敵なお話をありがとうございました!
友よ
電車に乗ってから読んだのは失敗でした。自分の卒業式の時は泣かなかったのに〜(滂沱の涙)
いつまでも金波宮に三人一緒にいて欲しい反面、確かにそれぞれの道を歩き出す彼女達の姿に納得します。そして必ず再会を果たす姿も想像できます。ほほほさんの絵が、鈴と祥瓊の脳裡に浮かぶこの日の陽子の姿にぴったりですね。(しかし、鈴のお相手は結婚にこぎ着けるまで、あらゆる試練を受けたのではないでしょうか…)
桜の季節の終わりに相応しいお話をありがとうございました!
いつまでも金波宮に三人一緒にいて欲しい反面、確かにそれぞれの道を歩き出す彼女達の姿に納得します。そして必ず再会を果たす姿も想像できます。ほほほさんの絵が、鈴と祥瓊の脳裡に浮かぶこの日の陽子の姿にぴったりですね。(しかし、鈴のお相手は結婚にこぎ着けるまで、あらゆる試練を受けたのではないでしょうか…)
桜の季節の終わりに相応しいお話をありがとうございました!
涙ナミダ
mina
2019/05/27(Mon) 00:41 No.716


祥瓊と鈴の美しい旅立ちに、モニタがぼやけます。
鈴はいつかそんな決断をするのではとうっすら思っていましたが、祥瓊が女仙とは!祖国芳のために飛仙の道を歩む祥瓊、今までなぜその可能性に思い至らなかったのかと、すとんと胸に落ちました。個人的には桓祥派より月祥派なので、月溪の名前が出て嬉しいv
(もし彼女が飛仙になったら、遠い先には陽子が斃れたあとの次の慶の麒麟を育てる可能性もあるのですよね…)
彼女たちの笑顔の再開があることを祈って。
鈴はいつかそんな決断をするのではとうっすら思っていましたが、祥瓊が女仙とは!祖国芳のために飛仙の道を歩む祥瓊、今までなぜその可能性に思い至らなかったのかと、すとんと胸に落ちました。個人的には桓祥派より月祥派なので、月溪の名前が出て嬉しいv
(もし彼女が飛仙になったら、遠い先には陽子が斃れたあとの次の慶の麒麟を育てる可能性もあるのですよね…)
彼女たちの笑顔の再開があることを祈って。
ああ……(泣)
未生(管理人)
2019/05/27(Mon) 11:10 No.730


饒筆さん、ラスト投稿をありがとうございます。
題名から覚悟して読み始めましたが、やはり泣かされてしまいました。いつまでも三人娘でいてほしいと思いつつ、こんな別離があるかもしれないと納得する気持ちもあります。道が分かたれても心は繋がっているから、と声をかけたい気分でございます。
鈴のお相手は!? とか、祥瓊はどうするの……!? とかは横に置こうと思います(笑)。
文茶さん、ひめさん、葵さん、瑠璃さん、ネムさん、minaさん、先レスありがとうございました。
題名から覚悟して読み始めましたが、やはり泣かされてしまいました。いつまでも三人娘でいてほしいと思いつつ、こんな別離があるかもしれないと納得する気持ちもあります。道が分かたれても心は繋がっているから、と声をかけたい気分でございます。
鈴のお相手は!? とか、祥瓊はどうするの……!? とかは横に置こうと思います(笑)。
文茶さん、ひめさん、葵さん、瑠璃さん、ネムさん、minaさん、先レスありがとうございました。
皆さまコメントありがとうございます!!
>文茶さま
「化学変化」って言い得て妙ですね!それぞれの個性&立ち位置から考えれば、そもそも出会わなさそう&噛みあわなさそうなのに、三人寄ったらバッチリまとまっちゃった?!って感じが本当に面白いです。
そして定期女子会、いいですね〜♪ この設定でいけば、三人ともまったく違う世界で奮闘する訳だから、お互いの話が面白すぎ(興味深すぎ)ていつまでも終わらなさそう(笑)
こちらこそ、素敵な妄想の種をありがとうございます。
>ひめさま
そうですね、力を合わせて一緒にひと山越えたという達成感が「また次の何か」へ向かわせるのでしょうね……慶に残る陽子さんだって、また新しい難題に挑むことになるのでしょうし。でも縁や絆は切れないので、それぞれの道はいつかまた交差しますよ、きっと。
温かなお言葉をありがとうございます。
>葵さま
こちらこそご無沙汰してすみません〜あなたさまのお鼻の角栓・饒筆でございます(笑)
さあハンカチをどうぞ……ええ、そうですね、鈴も祥瓊もそれぞれ痛々しい過去を背負っておりますので、いつか自分からきちんと向き合う日が来るんだろうなあと思っての妄想です。愛しているからこそ祝福してあげたい、って素敵ですね〜。
こちらこそ、平坦な胸にグッとするコメントをありがとうございます。
>瑠璃さま
ああっ、瑠璃さまもハンカチをどうぞっ。そうですね、常に前を向いている、そして生きること=現実に向き合うことから逃げない彼女たちってカッコイイなあと素直に思いますね。
こちらこそ、清々しい素敵なコメントをありがとうございます〜。
>ネムさま
あわわわわっ、ネムさまにもハンカチを……(三枚目)
だって鈴も祥瓊もまだ(精神的に?)若いんですもの、なんとなく現状に甘んじてしまうのはまだ早い気がしまして――新たな旅立ちを決意する二人にご納得をいただけて嬉しいです。
わ!そうだ!鈴の旦那様は最強の保護者(モンペ)を何人クリアしたんでしょう?(笑)
実は凄いひとだったんだな……ぜひ会ってみたいですね!
丁寧で素敵なコメントをありがとうございます〜。
>minaさま
まあ、麗しのminaさまにはレースのハンカチをどうぞ(四枚目)
ええ、私も月祥が大好物ですので、同じ鷹隼宮には入れずとも、それぞれの場所で共に芳を支え合って欲しいなあという願いがこうなりました。そうですね、蓬山の女仙になれば王より長い生を捧げることになるでしょうから、いつか景麟を育てることも……ウッ、そのときはどうか柔らかな微笑みを浮かべて紅の女王を語って欲しいですね……(泣)
妄想広がる嬉しいコメントをありがとうございます。
>未生さま
こちらこそ、毎年素晴らしいお祭りを開催してくださり、ありがとうございました。すっかり甘えて楽しく遊ばせていただきました。
そして、ああっ、未生さまにもハンカチを……(五枚目)
道が分かたれても心は繋がっているって大事ですね。出会った縁を大切に生きたいものです。
鈴のお相手は……ご想像にお任せします!たぶん凄くイイ漢です(笑)
祥瓊というかクマ将軍は……惚れた女のためなら見守り、待つ度量も必要かと!(言うは易し)
温かで楽しいコメントをありがとうございます!
「化学変化」って言い得て妙ですね!それぞれの個性&立ち位置から考えれば、そもそも出会わなさそう&噛みあわなさそうなのに、三人寄ったらバッチリまとまっちゃった?!って感じが本当に面白いです。
そして定期女子会、いいですね〜♪ この設定でいけば、三人ともまったく違う世界で奮闘する訳だから、お互いの話が面白すぎ(興味深すぎ)ていつまでも終わらなさそう(笑)
こちらこそ、素敵な妄想の種をありがとうございます。
>ひめさま
そうですね、力を合わせて一緒にひと山越えたという達成感が「また次の何か」へ向かわせるのでしょうね……慶に残る陽子さんだって、また新しい難題に挑むことになるのでしょうし。でも縁や絆は切れないので、それぞれの道はいつかまた交差しますよ、きっと。
温かなお言葉をありがとうございます。
>葵さま
こちらこそご無沙汰してすみません〜あなたさまのお鼻の角栓・饒筆でございます(笑)
さあハンカチをどうぞ……ええ、そうですね、鈴も祥瓊もそれぞれ痛々しい過去を背負っておりますので、いつか自分からきちんと向き合う日が来るんだろうなあと思っての妄想です。愛しているからこそ祝福してあげたい、って素敵ですね〜。
こちらこそ、平坦な胸にグッとするコメントをありがとうございます。
>瑠璃さま
ああっ、瑠璃さまもハンカチをどうぞっ。そうですね、常に前を向いている、そして生きること=現実に向き合うことから逃げない彼女たちってカッコイイなあと素直に思いますね。
こちらこそ、清々しい素敵なコメントをありがとうございます〜。
>ネムさま
あわわわわっ、ネムさまにもハンカチを……(三枚目)
だって鈴も祥瓊もまだ(精神的に?)若いんですもの、なんとなく現状に甘んじてしまうのはまだ早い気がしまして――新たな旅立ちを決意する二人にご納得をいただけて嬉しいです。
わ!そうだ!鈴の旦那様は最強の保護者(モンペ)を何人クリアしたんでしょう?(笑)
実は凄いひとだったんだな……ぜひ会ってみたいですね!
丁寧で素敵なコメントをありがとうございます〜。
>minaさま
まあ、麗しのminaさまにはレースのハンカチをどうぞ(四枚目)
ええ、私も月祥が大好物ですので、同じ鷹隼宮には入れずとも、それぞれの場所で共に芳を支え合って欲しいなあという願いがこうなりました。そうですね、蓬山の女仙になれば王より長い生を捧げることになるでしょうから、いつか景麟を育てることも……ウッ、そのときはどうか柔らかな微笑みを浮かべて紅の女王を語って欲しいですね……(泣)
妄想広がる嬉しいコメントをありがとうございます。
>未生さま
こちらこそ、毎年素晴らしいお祭りを開催してくださり、ありがとうございました。すっかり甘えて楽しく遊ばせていただきました。
そして、ああっ、未生さまにもハンカチを……(五枚目)
道が分かたれても心は繋がっているって大事ですね。出会った縁を大切に生きたいものです。
鈴のお相手は……ご想像にお任せします!たぶん凄くイイ漢です(笑)
祥瓊というかクマ将軍は……惚れた女のためなら見守り、待つ度量も必要かと!(言うは易し)
温かで楽しいコメントをありがとうございます!
尚、このお祭は個人の運営するもので、公的なものとは一切無関係でございます。
当サイト内の文章・画像等の無断転載はご遠慮くださいませ。
当サイト内の文章・画像等の無断転載はご遠慮くださいませ。
- JoyfulNote -