「管理人作品」 「07桜祭」 「玄関」 

「桜の背」@管理人作品第3弾(末声注意)

2007/03/23 08:57 No.18
※ 管理人作品は全て尚陽前提でございます。

桜の背

2007/03/23(Fri) 09:00 No.19
 咲き初めた薄紅の花を見つめ、景王陽子は口許をほころばせる。ゆっくりと手を伸ばし、開きかけた花弁にそっと触れる。まるで、桜に語りかけるかのように。
 桜が咲くと、陽子は吸い寄せられるように庭院に向かう。無理のない笑顔で桜と語らう陽子は、はっとするほど美しい。
 時が止まったように静まり返った庭院に佇む女王を、祥瓊は回廊にて見守る。桜花との静謐な語らいを、邪魔する者がないように。
 伴侶を喪って尚、涙を見せぬ女王に、臣として友人としてできること。それはこうやって見守ることだけなのだ、と祥瓊は思う。
 慰めを拒絶するその細い背に、祥瓊は黙して告げる。陽子、あなたは独りではないのよ。いつも私はここにいるわ。振り返ったあなたに、笑顔を贈れるように──。

2007.03.13

後書き

2007/03/23(Fri) 09:05 No.20
 鈴のお話を書いたので、祥瓊にも語ってもらおうと思っておりました。 ──祥瓊は、静かに友を見つめておりました。書いている作者も、少し切なくなりました……。

2007.03.23. 速世未生 記

そろそろ本格桜モード? けろこさま

2007/03/24(Sat) 18:30 No.23
 こんばんは。
 鈴のお話が浩瀚のものと同じく喜びに溢れているものだったのに、 祥瓊のは哀しみを胸に秘める話なのですね。
 以前のように陽子を抱きしめるのではなく静かに見つめる姿に、 彼女がどれだけ陽子の悲しみに接してきたのかが判ります。 きっと振り返った陽子は祥瓊の笑顔を見て改めて「友達っていいもんだな」と 柔らかく笑い返すのでしょうね。

そのようです 未生(管理人)

2007/03/25(Sun) 07:22 No.25
 けろこさん、いらっしゃいませ〜。
 お察しのとおり、「桜」妄想が進んでおります。 陽子は見守る瞳があることを知っているひとであってほしいと思います……。
 しんみりしがちな私ですが、だからこそ、楽しい作品とコメントをお待ちいたしております〜。 メッセージ、ありがとうございました!
背景画像「さららのアトリエ」さま
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