前門の虎 後門の狼
けろこさま
2007/04/03(tue) No.78
「じゃあ楽俊はここに座って」
「――こ、ここって…… そこにかい?」
「うん! 久しぶりだし、楽俊の毛並みをもう少し楽しませてよ、ネ?」
と陽子は自分の膝の上を指差した。
「どうした、楽俊? 遠慮はいらんぞ」
「そうですよ。主上たってのお願いですから、ご遠慮などなさらずに」
目の前の大国の王と、いつの間にやら後に現れた慶国冢宰が深い笑みを楽俊に向けた。
楽俊は言うとおりにすることも逃げることも出来ず、ただ凍りついたように動けなくなってしまった。
「楽俊、早く」
「陽子のお呼びだぞ」
「さあ、どうぞ」
――陽子〜〜、勘弁してくれよ〜〜! 誰かなんとかしてくれ〜〜〜〜!!!
こうして爽やかな春風の吹く桜の木の下での出来事は、まだまだ続くのであった(チョン♪)