桜の笑み@管理人作品第9弾
2008/04/30(Wed) 00:14 No.231
「幻夜」を読み終えました。頭が興奮して眠れません。
小品をひとつアップしてから寝ようと思います。
由旬さん作#79の艶麗な陽子主上イラストからの連鎖妄想でございます。
※ 管理人の作品は全て尚陽前提でございます。
- 登場人物 浩瀚・陽子
- 作品傾向 ほのぼの・しっとり
- 文字数 544文字
桜の笑み
2008/04/30(Wed) 00:18 No.232
ある日、浩瀚が執務室に入っていくと、主は窓辺に頬杖をつき、庭院を眺めていた。楽しげな視線のその先には、蕾をほころばせた桜花があった。それを認め、浩瀚もまた微笑する。
今年もこの季節がやってきた。桜が咲きほころびると、宮の主も同じように花開く。誰もが待ちわびる、美しい時季であった。
「──浩瀚」
主は振り向かずに声をかける。はい、と応えを返し、浩瀚は主に歩み寄った。
「桜は……和むな」
振り返った主はにっこりと笑んだ。そんなとき、十六歳で時を止めた女王は、咲き初めた桜花のように美しい。浩瀚は頭を下げ、微笑した。
暖かな春の陽射しを存分に浴びて、桜は華やかに咲き誇る。満開の桜花を、主は少女のような無邪気な笑みで見上げていた。その様を垣間見て、浩瀚は感嘆の溜息をついた。
咲き初めしこの花が、満開になる折は、如何に美しいであろう。
浩瀚は鮮やかな緋桜の艶麗な笑みを思い浮かべる。そして、苦笑して首を振った。主が小首を傾げて問う。
「──どうした、浩瀚?」
「いいえ、満開の桜は美しゅうございますね」
「お前もそう思うか? 私もだ」
主は眩しい笑みを惜しげなく向ける。微笑を返した浩瀚は、あなたこそが桜です、と胸で呟いた。そして、この麗しき花を側近くで見守ることを許してくれた主に感謝を籠め、頭を下げたのだった。
2008.04.30.
後書き
2008/04/30(Wed) 00:20 No.233
あの艶やかな陽子主上を思い浮かべるのは浩瀚であってほしいとの妄想でございました。
由旬さん、つまらない連鎖妄想で失礼いたしました〜。
2008.04.30. 速世未生 記
いいですね〜 空さま
2008/04/30(Wed) 20:55 No.234
素敵なお話しでした!
特に「桜は……和むな」という陽子さんの意見に賛成です。
「なごむ」陽子さんを側で見ることができて、浩瀚良かったですね。
空はたとえ尚陽でも浩瀚と陽子さんがふたりで幸せならそれでよいです!
ありがとうございました! 忙しい仕事に疲れた空の頭が、このお話で和みます。
浩瀚さまってば、イヤ〜ン(笑) けろこさま
2008/04/30(Wed) 21:14 No.235
本当に浩瀚は本人にバレないように自分の心情を語るのが、上手いんだから〜。
陽子さんは特にニブいから、絶対にバレないって確信持って言っているところが如才ない!!
でもって、咲き初めの桜を眺めつつ、咲き誇る姿を想像しているところが「ヨコシマ」ですわ〜(妖笑)
ふ・ふ・ふ 由旬さま
2008/04/30(Wed) 22:40 No.236
未生様
あのような駄絵に妄想していただいてありがとうございました!
浩瀚は冢宰という立場を存分に楽しんでいるような気がします。役得ですね!
満開になったら艶麗だと想像するなんて、一体どんな不埒なことを考えているのでしょうか(笑)。
いいですね、いいですね〜こういう黙して助平な浩瀚が好みです!
ここは祭掲示板(笑) 未生(管理人)
2008/05/01(Thu) 06:15 No.241
「祭掲示板」と胸で唱えながら、暴走を抑えつつ書き流した小品でございます(笑)。
実は「邪さ」がどの程度漏れ出したか図りかねておりました。
はい、お察しの通り、拙宅の浩瀚は
「ムッツリさん」(笑)でございます。
空さん>
浩瀚は和む主上を見ることに幸福を感じてくださる方なのです。
こんな二人でお疲れの空さんに寛いでいただけて嬉しく思います!
けろこさん>
邪な本音をさらりと告げる浩瀚は久しぶりに書いたかもしれません(笑)。
やはり、ちゃんと「邪」が「ヨコシマ」程度には漏れておりますね! 伝わってよかったです。
そして、多くを語ると暴走いたしますので、この辺で止めておきます〜。
由旬さん>
はい、拙宅の浩瀚は「誰よりも近い位置」で陽子主上を見守っております。
実は陽子主上の色々な貌を誰よりも見ているでしょうね。
でもって、満開になったら……と想像することもありで。
あああ、ここは祭掲示板でございますので邪な妄想はこの辺で(オホホ)。
元ネタの作者さまにお楽しみいただけて嬉しいです! ほっとしました〜。