桜と風と@管理人作品第8弾
2009/04/16(Thu) 12:29 No.198
お久しぶりの管理人でございます(こらこら)。
桜前線は順調に北上しているようですね。
4/11に山形と酒田、13に盛岡、14に秋田にてソメイヨシノが開花いたしました。
青森到着はいつになるでしょうね〜。
昨日出た気象庁による「さくらの開花予想(第7回)」では、桜前線北の国上陸は
26日でございます。
通常、桜前線が津軽海峡を渡るのに要する日数は5日。
でも、昨年は3日でしたので油断禁物でございます。
だがしかし!
今朝5時のアメダスが2.1℃だった北の国では、朝のうちは小雪がちらついておりました。
まだ雪ですよ!
雪の小品を書き流したのですが、仕上げることができなかったため、別な小品を……。
連作の一編で大変申し訳ないのですが、よろしければご覧くださいませ。
※ 管理人の作品は全て尚陽前提でございます。
- 登場人物 祥瓊・陽子・利広
- 作品傾向 しっとり(尚隆登遐後・末声注意)
- 文字数 488文字
桜と風と
2009/04/16(Thu) 12:34 No.199
桜が散っていた。ひらりひらり、微かな音を立てて、薄紅の花弁が舞い落ちる。その根元に、緋桜のような女王が坐していた。
そう、ほんとうに桜の樹になってしまったよう。
祥瓊は小さく息をつく。その音でさえ、大きく聞こえてしまうような静寂。それでも、陽子は身動ぎひとつしなかった。そんなとき。
静かな足取りで気紛れな旅人が現れた。祥瓊は思わず顔を蹙める。客人は少し唇を緩めただけで、ゆっくりと庭院に降りていった。
そのまま宮の主の隣に腰を下ろす風来坊の太子を、祥瓊はじっと見つめた。太子は何も言わずに女王を眺める。それは、あたかも花見をしているように楽しげで、しかもどこか切なげだった。
美しい緋桜は相変わらず動かない。よく続くものだ。少し呆れながらも、桜と同化した女王と、花見をする太子を見守る。
やがて、太子も桜を振り仰ぐ。風に揺れる枝が数多の花びらを散らした。太子は笑みを浮かべて手を伸ばす。まるで、桜との会話を楽しむかのように。
ああ、桜も気紛れな春風を待っているのだ。
祥瓊は初めてそう思った。桜がそれを望むのならば、もてなしの支度をしようか。祥瓊は深く頭を下げ、春風に緋桜を託したのだった。
2009.04.16.
後書き
2009/04/16(Thu) 12:39 No.201
「桜語」を書き上げて、まだちょっと自失気味でございます。
「桜語」直前の情景と思っていただけると嬉しいです。
次はもう少し明るいものを書けるといいなぁと思います。
皆さまの素敵な「桜」をまだまだお待ちいたしております。
2009.04.16. 速世未生 記
雪ですか! 由旬さま
2009/04/16(Thu) 22:18 No.202
管理人さまの所はまだまだ寒そうですね。
私の住む地域はもうほとんど散ってしまい、桜が恋しいです。
「桜と風と」
陽子に近づく利広にやきもきする祥瓊は、まるで母親のような存在ですね。
それだけ伴侶を失った陽子のことが心配なんでしょうね。
でも利広を「風」だとわかった祥瓊はさすがと言うか鋭いというか。
彼に陽子を託そうという祥瓊の決心が潔いです。
さすが北国(笑) けろこさま
2009/04/16(Thu) 23:59 No.204
まだ雪なのですね〜。
こっちはそろそろ半袖を出そうかと思うくらいの陽気の日もあるというのに^^
どれだけの年月、身動きしない陽子を見守り続け、そんな彼女に近づく利広を不快に思って
いたのでしょうか。
だけど、陽子に彼が必要だと思えたら、それを受け入れ認めることができる祥瓊は、
本当に潔いですね。
もてなしの用意をする祥瓊に、陽子は少し驚き、利広は彼独特の笑みを浮かべるのでしょうね。
ところで祥瓊よ、よく続くものだと呆れるあなたも十分呆れるくらい見ているって
気づいていますか(笑)
ご感想ありがとうございました 未生(管理人)
2009/04/17(Fri) 06:47 No.205
今朝6時のアメダスは5℃でございました。よく晴れております。
予想最高気温は14℃なので、雪の小品は封印かもしれません(苦笑)。
由旬さん>
もう桜は散ってしまったのですね〜。
私はまだ半月は見ることができないはず……(苦笑)。
確かに祥瓊は陽子のお母さんのようですね。
そして、手を放すタイミングを間違えない祥瓊は、聡く哀しく潔いのかもしれません……。
けろこさん>
もう半袖ですか! こちらはまだ朝晩ストーブが必要ですよ(笑)。
祥瓊にもてなされたら、利広は会心の笑みを浮かべることでしょう。
そして、見守る祥瓊もモノ好きだって告げるのかもしれません(笑)。
ご感想をありがとうございました。
背景画像「工房 雪月華」さま