月夜の桜@管理人作品第18弾
2009/05/18(Mon) 18:16 No.379
5/16に根室にてチシマザクラが満開となりました。
北の国の桜もとうとう終焉でございます。
そして、2カ月にわたる長いお祭も最終日を迎えてしまいました。
ご投稿してくださった皆さま、リンクしてくださった皆さま、閲覧してくださった皆さま、
ほんとうにありがとうございました。
管理人、最後に連鎖妄想小品をアップさせていただきます。
けろこさん作の#357「桜月夜」に触発された作品でございます。
※ 管理人の作品は全て尚陽前提でございます。
- 登場人物 陽子・尚隆
- 作品傾向 しっとり
- 文字数 370文字
月夜の桜
2009/05/18(Mon) 18:18 No.380
外は夜。空に月。窓に桜。そして、背には愛おしい温もり。
窓辺に頬杖を突き、陽子は飽かず外を眺める。輝く月に淡く照らされる夜桜は、いつまでも眺めていたいと思わせる。
「──いつまでそうしているつもりなのだ?」
「気が済むまで」
呆れ声に即答すると、背が重くなった。そうやってすぐ茶々を入れる悪戯好きな伴侶。陽子は深い溜息をつき、小さく抗議する。
「──こんなに綺麗な桜月夜なのに」
「まったくだ」
月に輝く桜は美しいな、と笑いを含んだ声が耳許で聞こえる。陽子はにっこりと笑って振り向いた。
「分かってもらえて嬉しいよ」
分かってないな、と聞こえたような気がした。え、と言う間もなく抱き寄せられて、陽子は瞠目する。
「──月に輝く緋桜は綺麗だな」
密やかな囁きとともに、大きな手が陽子の髪を掬いあげる。応えを返す前に人の悪い笑みが近づいて、陽子はそっと目を閉じた。
2009.05.18
後書き
2009/05/18(Mon) 18:20 No.381
色気のない記事の下にくっつけなければならなくて、ちょっと憂鬱になりました。
けれど、最後はロマンチックに締めてもよいかなと思って書き流しました。
けろこさん、妄想昇華させていただきました。ありがとうございました!
2009.05.18. 速世未生 記