初咲き 壱草 楓 さま
2009/03/13(Fri) 22:59 No.4
はじめまして。壱草楓 と申します。
未熟者ではありますが、参加させて下さいませ。
祝!桜開花 ですね。
私の住まうところは、初開花宣言ができるかとわずかにメディアをにぎわせておりましたが、
福岡に後れを取ってしましました(笑)
気象台の観測木ではないのは開花していたんですけどね〜。
私は浩陽派ですので、それを前提にお読み下さいませ。
初 咲 き
作 ・ 壱草 楓 さま
2009/03/13(Fri) 23:01 No.5
蒼穹にうす紅色の花弁がわずかにほころびを見せていた。見やればこちらに一輪、こちらにも一輪。可憐な花がいつの間にか花開いている。
―――ああ。
浩瀚は相好を崩して吐息を吐いた。
初咲きだ。
主上がどんなにかお喜びになるだろうか。
それを想像するだけで、浩瀚の口元が自然とゆるむ。
地上では、今年の初咲きはどこの地になるのかと競っているものらしかったが、地上よりも気候穏やかな雲上では、当然一足先にほころぶ。つまりは主上に喜びの報告をできるのも当然一番乗りというわけで、
―――そんなところに優越感を感じてしまうのは、まだまだ青くさいか。
浩瀚はわずかに苦笑したが、改める気は毛頭なかった。
桜が開花しましたよ。
そう告げるのは自分の特権。浩瀚は今のところ、その栄誉を誰にも譲る気はなかった。