「管理人作品」 「10桜祭」

追憶の春@管理人作品第6弾

2010/04/20(Tue) 17:30 No.572
 今朝6時のアメダスは5.7℃でした。 少し暖かくなったかな〜と思ったら、お昼もずっとこの気温……(苦笑)。 今日の雨は冷たかったです〜。
 14日発表の気象協会の開花予想では、桜前線の北の国上陸は5/5でございます。 まだ半月ありますよ、とほほ。
 さてさて、久しぶりに開花情報を。
 4/11に新潟、13に仙台、19に山形にてソメイヨシノが開花いたしました。 また、4/13に長野、14に輪島、17に新潟にて満開宣言が出されました。 まるで匍匐前進のような遅々とした進み方でございますね!
 東北・北陸の皆さま、素敵な桜を恵んでいただけると嬉しく思います!

 管理人の筆の進みもかなり遅々としております。 寒さのあまり、あったかいお話を書けません〜。 しかも、短いです。そんでもって、末声注意でございます。

※ 管理人の作品は全て尚陽前提でございます。

追憶の春

2010/04/20(Tue) 17:34 No.573
 桜が咲くと、空気が変わる。国中が、暖かな春の喜びに包まれる。

 愛してる。みんな、愛してる。

 柔らかな声が胸に響く。温かな腕を肌に感じる。昇る朝陽の緋い光は、あの方の微笑みのよう。
 浩瀚は深く頭を下げる。そして、朝陽を受けて煌く咲き初めた桜花を振り仰いだ。

 あなたは、今尚この国を見守っておいでなのですね。

 風に揺れる桜が、そうだよ、と答えたような気がして、浩瀚はもう一度深く頭を下げた。

2010.04.20.

後書き

2010/04/20(Tue) 17:39 No.574
 祭開始の日に書き始めた小品でございました。 ひと月以上捏ね繰り回しましたが、やはり最初に戻してしまいました。
 浩瀚は、これ以上語りたくないようでございます……。
 お粗末でございました。

2010.04.20. 速世未生 記

いつか こういう日が… ネムさま

2010/04/20(Tue) 21:57 No.576
 終わらぬ王朝がないなら、こういう日も来るのでしょうね。 寂しいはずなのに、陽射しの暖かさが染み入る、不思議なお話…  静かな浩瀚の姿が目に浮かびます。

不覚にも… ひめさま

2010/04/20(Tue) 22:30 No.580
涙がにじみます。陽子亡き後の浩瀚を思うと。
 でも浩瀚、現実をしっかり受け入れている、のですよね?

浩瀚…がんばっていますね 空さま

2010/04/20(Tue) 22:39 No.581
「ひと月以上捏ね繰り回しましたが、やはり最初に戻して」 とおっしゃる部分に妙に共感してしまいました。 これほどまでに桜が陽子さんを象徴するような花になっているこのころ。 浩瀚だけでなく陽子主上を知っている人はみな、こんな感想を持つであろうこのころ。 「仙」籍制度というものを作った神は、こういった切なさをどうしろと お考えだったのでしょうか?
 ところで…フル参戦できなくて本当に申し訳ないです。 できるだけがんばります。 今年の桜は寒さのせいか種類別にはっきりと咲く時期が違っているのがわかり面白いです。 空としては、陽子さんはソメイヨシノよりももう少し赤味の濃い桜が 似合うような気がしています。
 空の頭にはかつて「桜」といえば「ソメイヨシノ」だったのですが、 こちらの企画など桜祭りに参加させていただくようになり、 世の中の桜の多さと歴史には年を追うごとに頭が下がるばかりです。 今年もますます盛況ですね!!(にっこり)

春の光と影  由旬さま

2010/04/20(Tue) 23:21 No.586
 一文字、一文字に、浩瀚の陽子への想いが溢れていて、心に響きますね。 浩瀚はこの時王宮ではどういう地位にいるのでしょうか。 前王の面影を抱いて新王の元で仕えている設定を妄想しながら読みました。

浩瀚にとって、 けろこさま

2010/04/20(Tue) 23:28 No.588
やっぱり陽子さんは一人の女ではなく、最愛の女王だったんだな、と思いました。
 浩瀚はこれ以上語りたくないようだとのことですが、 この短い文章にすべてを語っているように感じます。
 仙籍を返上し、野に下り、ゆるりと年を取り始めたころの浩瀚が、 独り静かに桜を眺めている姿が浮かびます。

声が… 瑠璃さま

2010/04/21(Wed) 00:19 No.595
聞こえてきそうです。陽子さんの。
 切ないけど温かい。桜の向こうに陽子さんの幻影が見えてきそうです。
 しかし本当に日本は南北に長い国なんですね。 うちの庭では薔薇が咲き始め、芍薬ももうすぐ咲きそうなのに。 …そういえばこの芍薬は麒麟丸と言うんだった。

浩瀚も 五緒さま

2010/04/21(Wed) 02:36 No.597
かつて陽子がそうだったように桜に亡き人の姿を見、そして静かに語りかけるのですね。 短いからこそ想像の余地が生まれ、じんわりと心に染みる話です。
 私は陽子の願いをかなえるべく仙籍を返上し、我が身に起こる喜びも哀しみも受け入れて、 いずれ訪れる「時」を待ちながら暮らしている浩瀚かなと思いました。

ご感想をありがとうございました! 未生(管理人)

2010/04/22(Thu) 17:26 No.607
 このような短文に過分なご感想をありがとうございました〜。

ネムさん>
 こんな短文から浩瀚を思い浮かべてくださってありがとうございます。 彼の心が穏やかなので、陽射しの暖かさを感じていただけるのかもしれません……。

ひめさん>
 泣いてくださってありがとうございます。 この頃の浩瀚は想い出を縁に静かに暮らしているのだと思います。

空さん>
 やはり「書き手」の視点からご覧くださってますね。ご共感ありがとうございます。
 降りてきた場面を言葉で紡ぎ上げる作業は辛いときもあるけれど至福のひとときでもございます。 極限まで言葉を削ぐことができた時の充実感に、私は散文書きなんだなと思います。
 私も桜祭の度に桜の種類の多さ、日本人が桜に寄せる想いを感じます。 そして、皆さまの知識の深さに感嘆するのです……。

由旬さん>
 「一文字、一文字に、浩瀚の陽子への想いが溢れていて、心に響きますね」 ──散文書きにとって最大のお褒めの言葉をありがとうございます。
 このひと月、何度も「冢宰」という肩書を付けたのですが、見事に拒否されてしまいました。 なので、この頃には野に下っているのでございましょう。 色々想像してくださってありがとうございました。

けろこさん>
 上手く言えないのですが……「王である至高の女」だったのではないか、と……。 私的にはツッコミどころが多いのですが(苦笑)。
 「この短い文章にすべてを語っている」──そのとおりでございます。 そう感じてくださってありがとうございます。

瑠璃さん>
 実は私も「みんな、愛してる」という陽子の声をずっと聴いておりました。 浩瀚は桜の向こうに陽子を見ているのだと思います。
 実は、今年は私、「浩瀚=末声」モードで、瑠璃さんの振り返る陽子さんも 「想い出の人」状態でございます、ひー!
 薔、薔薇ですか……! うちの近所では6月末にならないと咲かないような気がいたします。 今は漸くクロッカスが咲き始めております。ほんとに季節が違いますね〜。

五緒さん>
 「短いからこそ」とのお言葉に心慰められました。ありがとうございます。 そして、拙作「桜夢」を思い出してくださってありがとうございます。
 陽子の裏の願いどおり、浩瀚には、穏やかに、幸せに生きてほしい、 と私も願って已みません。
背景画像「Studio Blue Moon」さま
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