「投稿作品」 「10桜祭」 「玄関」 

誰も書かないだろうから(笑) けろこさま

2010/03/25(Thu) 23:21 No.178

 瑠璃さんの#105の連鎖妄想です。 ここでは需要がないのは分かっているけど、振り向く相手が景麒だったら、でゴザイマス〜。

登場人物   景麒・陽子  
作品傾向   しんみりほのぼの、それとも ふんわりシリアス かな?  
文字数   598文字  




陽   光

作 ・ けろこさま
2010/03/25(Thu) 23:22 No.179

その儚げに揺れる薄紅色の花を見て心に浮かぶは、いつも物憂げに下を向く主の姿。

――何故、私はあなたを選んでしまったのだろう。何があなたに足りなかったのか……

視野を薄紅色に染め上げられ、思考は答えのない問いを続けるのみ。

「――麒。景麒!」

己を呼ぶ声にハッと我に返ると、主が気遣うような表情でこちらを見ていた。

「どうした。何か気にかかることでも?」
「いえ、申し訳ありません」
「謝る必要はない。もしかして桜に惑わされたか?」

主の言に目を瞠ると、彼女は桜に目を移して話を続けた。

「桜は花が咲き始めてたった半月で、満開になって散ってしまう。まるで美しく死ぬためだけに咲くような儚さに魅力を感じてしまうのだろうな」

話を聞いているうちに、先ほど己の中に浮かんだ疑問とともに不安が膨らんでくるのを景麒は感じた。

「でもね、景麒。そのたった半月のために、木は葉を茂らせ枝を伸ばし、力をため込むことに残りの一年を費やすんだ。そして花も、そうやって木が蓄えてくれた力をもらって、美しく、精一杯咲くんだよ。私は花ではなく木になりたい。民という花々が咲き誇るために必要な力を与える木でありたい」

こちらを振り向き、主はまっすぐに景麒を見つめた。

「もちろん、景麒、お前と一緒に、だ」

――ああ、この方はなんと……

たった今感じた不安は吹き飛び、問いの答えを得たことを感じながら、景麒はゆっくりと頭を下げた。

――あなただけが、私の主――



後書きとおまけ けろこさま

2010/03/25(Thu) 23:34 No.181

後書きとおまけ



 景陽趣味はないのだけど、慶主従という関係が大好きです。 だから、延帝があって浩瀚も出るなら、景麒も登場しなくっちゃ。 だって王の半身で、一の臣なんだもんv
 景麒はつい苛めたくなるけど、私にとって陽子と景麒は皆が焼きもち焼くほど仲が良い (ラブなし)、なのでございます。
 ということで、瑠璃さん、こんな話を連鎖妄想しましたがお許しくださいませ。

P.S
 それだけではなんですので、オマケをつけました。 景麒と陽子はやっぱりシリアスだけで終わってはいけませんでしょう(笑)

感想ログ

背景画像「Studio Blue Moon」さま
「投稿作品」 「10桜祭」 「玄関」