「早春の緋桜」＠管理人作品第１弾

　東日本大震災にて被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。 祭が少しでも皆さまの癒しになりますよう祈念いたします。

　さて、気象庁より３／２０に静岡にて最初のソメイヨシノ開花が発表されました。 実は管理人、毎日気象庁の「2011さくらの開花状況」を確認いたしておりました。 だがしかし、昨日の夜に確認した時、九州と四国を重点的に見ていて、 中部地方までしっかりとは見ておりませんでした、ごめんなさい！　 昨日拍手にてお知らせくださったＳさま、ありがとうございました！

　投稿掲示板へようこそいらっしゃいました。 皆さまのご参加を心よりお待ちいたしております。
　投稿の見本も兼ねて、管理人作品第１弾を投下いたします。 よろしければお楽しみくださいませ。

※　管理人の作品は全て尚陽前提でございます。

• 登場人物　　景麒・陽子
• 作品傾向　　ほのぼの
• 文字数　　574文字

早春の緋桜

　回廊を渡る風は春の匂いを孕んでいた。靡く髪を抑えつつ、景麒は窓の外を見やる。庭院の桜の花芽が膨らんでいた。
　固く閉ざされた蕾が大きくなる毎に、主の笑みが柔らかくなる。淡い冬の陽射しが、暖かな春の光に移り変わるように。景麒は大きな溜息をついた。
　誰もが待ち望む春。しかし、景麒の心は晴れない。春にはいつも嵐がやってくるからだ。気儘に主を振り回す大嵐とも言うべき隣国の王が、花見と称して現れる春。毎年のことながら、景麒は溜息を禁じ得ない。
　頭を振り、景麒は主の執務室へと向かう。堂室に入ると、主もまた窓の外を眺めていた。主上、と声をかけると、主は振り返り、はっとするような匂やかな笑みを見せた。
「風が春めいてきたな」
「そのようですね」
　景麒は主に差し招かれてその隣に立つ。大きく開かれた窓からは、少し強いが暖かな風が吹きこんでいた。その風に紅の髪を靡かせて、主は目を細める。春の訪れとともに咲き匂う緋桜に景麒は目を奪われた。
「どうした？」
　真っ直ぐに見つめ返して問う主に、景麒は口籠った。ふいと横を向き、想いとは違うことを言葉にする。
「──そろそろ仕事に戻られては如何ですか？」
「お前はいつも朴念仁だな」
　主は呆れたように景麒を見つめた。そして、まあ景麒だから仕方ないか、と鮮やかな笑みを見せる。一足早く咲きほころぶ緋桜の見事さに、景麒は恭しく頭を垂れたのだった。

2011.03.20.

後書き

　祭第１弾に景麒を書いたのは初めてでございます。 素直に主を称えることができない不器用なお方ですね。 ちょっと不憫かもしれません。
　お楽しみいただけると嬉しいのですが。

2011.03.21.　速世未生　記

桜祭開催おめでとうございます　ネムさま

　いよいよお祭りの始まりですね。 こうした状況の中、今年も同じように皆さんとお会いできるのが、とてもうれしいです。 南関東でも早咲種が咲き始め、染井吉野の芽もぷくっと膨らみ、蕾へ、花へと 頑張って成長しようとしています。
　まずは不器用な似たもの同士主従の登場ですね。 思えばこの二人が出会わなければ、十二国の世界は始まらなかったんですよね。 変わらず永く、不器用でほのぼのした関係を続けていってもらいたいです。

始まりましたね！　瑠璃さま

　桜祭の開催をお喜び申し上げます。 このお祭で元気をもらって、皆様の桜を楽しみつつ、私もがんばりたいと思います。
　喉元で言葉がとまって、やっと出てきたらまったく違うものになってしまう……。 景麒らしいですね。 確かにちょっと不憫かもしれません。でもやっぱりらしいかな、景麒だし(苦笑)。

やはり咲いていましたか！　空さま

　桜祭開催おめでとうございます。
　麒麟と王の関係は十二国ならではの関係といえます。 恋する乙女の理解者にはなれなくても、共に慶を見守る役目を担う神獣「麒麟」 本当に不思議な世界ですね。 不器用な二人はある意味良いコンビだと思います。
　それにしても、景麒に大嵐と呼ばれる隣国の王は いったい何をしに来るのでしょうか！？　 それも楽しみです。

開催おめでとうございます　senjuさま

　桜祭りの開催、おめでとうございます。 今年もステキな桜にたくさん出会えることを楽しみにしております。 未生さま、スタッフの皆様どうぞよろしくお願いいたします。
　で、延王ひいきのワタクシは、まずは未生さまの「大嵐」にもっとやれ♪　と 追い風を送らせて頂きます。がんばって下さいね♪　殿（いろいろと・笑。
　そして、主上に「景麒だから仕方ないか」って微笑んで貰える景麒は、 実は結構シアワセ者なのではないかしら、と思うわけです（笑。

ありがとうございます！　未生（管理人）

　３／２１に熊本にてソメイヨシノが開花いたしました。春が広がっていきますね。
　北の国は今朝も真っ白ですが、皆さまの桜を眺めつつ遅い春を待つ所存でございます。

　早速祭にご反応をありがとうございます。

ネムさん＞
　私も毎年この季節を皆様と共に過ごすことが楽しくてなりません。 今年もお声を上げてくださってありがとうございます。
　はい、この二人が出会ってこその十二国記でございますね。 不器用な主従ですが、それなりに仲良し(笑)。いつまでもこうあってほしいです。

瑠璃さん＞
　はい、今年もどうぞよろしく〜。頼りにしております。
　「景麒らしい」とのお言葉、嬉しく思います。 浩瀚ならここで立て板に水の如く陽子主上を褒め称えるのでしょうが、景麒ですからねぇ(笑)。

空さん＞
　他の小説を読む時、頭を戻すのが実は大変でございます。 それくらい十二にのめり込んでいる管理人でございます(苦笑)。
　この二人は良いコンビだと私も思いますよ〜。 そしてかの方は今年は何をするのでしょうね？　 妄想を促すご感想をありがとうございました。

senjuさん＞
　今年も始まりました。どうぞよろしくお願いいたしますね！
　まだ登場していないかの方に熱いエールをありがとうございます。 尚隆至上の管理人は小躍りしてしまいます！　
　実はかの方より先に、ほころぶ緋桜を見られる景麒はシアワセなんだと私も思うのですよ〜。

　あ、時間がなくなりました。一度落ちます〜。

うわーい、祭り！！　黎絃さま

　今年も祭りを開いて頂いて有難うございます。 状況が状況なので中止になっても仕方ないと覚悟してましたが、こういう時だからこそ、ですよね。
　さて未生さまの景麒は可愛いですね。 まるでお母さんを独り占めしたいのに招かれざる客に取られて拗ねた子供のような（違）
　奮発して今年こそ投稿させていただきますっ♪

開催お祝い申し上げます！　由旬さま

　いよいよ始まりましたね！　 皆さんおっしゃってますが、開催していただいて本当にありがとうございます。 今年もどうぞよろしくお願いいたします。
　「早春の緋桜」、「嵐」の前の静けさをひしひしと感じ取って沸々となっている景麒でも、 緋桜の美しさには勝てないようですね。 景麒にとって春は悩ましい季節なんだろうな。

続々咲いております　未生（管理人）

　３／２２に福岡・佐賀・高知にて桜が開花いたしました。続々咲いておりますね〜。
　北の国の雪もお昼には綺麗に融けてしまいました。 今時季の雪は、降っては融ける儚い春の雪でございます。

　祭に拍手をくださった方、ありがとうございました。

黎絃さん＞
　祭開催を寿いでくださってありがとうございます。 今の私にできる精一杯の応援でございます。 こんなときだからこそ、素敵な桜に和んでいただけたらと願って已みません。
　拙作にご感想をありがとうございます。 景麒、拗ねた子供ですか。そうかもしれませんね〜。 かの方がお相手じゃなくてもそう思うのかも(笑)。
　黎絃さんのご投稿も楽しみにしておりますよ。どうぞよろしくお願いいたします。

由旬さん＞
　皆さまのお蔭で開催できる祭でございます。こちらこそよろしくお願いいたしますね。
　景麒にとっては嵐の前なのだろうなと私も思います。 春に美しくなる陽子主上、見とれてしまうけれど想いは複雑なんですよね〜。