さくらさく＠管理人作品第１弾

　本日３／２１、気象庁より高知にて最初のソメイヨシノ開花が発表されました。 実は管理人、本日は一日出かけておりまして、 帰宅して気象庁の「2012さくらの開花情報」を覗いてみて驚きました〜。
　というわけで、少々遅くなりましたが、今年も祭を始めさせていただきます！

　投稿掲示板へようこそいらっしゃいました。 皆さまのご参加を心よりお待ちいたしております。
　投稿の見本も兼ねて、管理人作品第１弾を投下いたします。 よろしければお楽しみくださいませ。

※　管理人の作品は全て尚陽前提でございます。

• 登場人物　　陽子・蘭桂
• 作品傾向　　しっとり
• 文字数　　458文字

さくらさく

さくらさく
えがおさく

花ほころぶ
笑ほころぶ

ついに来たる
巣立ちのとき


　今年も庭院の若木が花ほころばせた。陽子は咲き初めし桜花を見上げ、唇を緩める。そして、この花のように瑞々しい笑顔を思い浮かべた。
「さくらさく……」
　蓬莱では、合格という意味を持つ言葉。弥生三月、陽子自身も、桜が咲きますように、と祈ったことがあった。

（陽子、受かったよ！）
　桜開くように笑う顔が忘れられない。束の間、懐かしい思い出が次々と胸を過った。この若木のように、あっという間に陽子の背を追い越していった、弟のように可愛い少年。今は少学に通う、蘭桂。
（主上、私は、官吏になります）
　お許しくださいますか、と膝をついたのは、小さな桂桂ではなかった。己の志を真摯に語る少年の顔に、温かな笑みが重なって見える。

　蘭玉――。

　幼かった小童はいつしか志高き少年へと成長していた。この宮を巣立っていった蘭桂は、頼もしい青年になっていくのだろう。この若木が今も尚すくすくと伸びているように。

「期待してるよ、蘭桂」

　陽子の囁きに応えるかのように、若木は細い枝をそっと揺らしていた。

2012.03.19.

後書き

　昨年書いた「若木の誓い」の陽子視点続編でございます。 でも、読んでいなくても解ると思います。
　実は陽子主上で第１弾を書いたのは初めてでございました。 ６度目にして初めて！　振り返って少し驚いてしまいました〜。
　お楽しみいただけると幸いでございます。

2012.03.21.　速世未生　記

おめでとうございます！　瑠璃さま

　まずは今年も桜祭の開催をお喜び申し上げます。 今年も存分に楽しませていただく所存です。 どうぞよろしくお願い申し上げます。

　始まりに相応しい瑞々しいお話に癒されました。 巣立つ少年を祝福するかのように咲く桜。 陽子さんがいかに蘭桂を慈しんできたかわかります。
　素敵なお話をありがとうございました。

桜祭の開催おめでとうございます　饒筆さま

　こんばんは！　ああ心待ちにしておりました〜！！　 やっと、さくら咲きましたね！　 2012桜祭の開催、おめでとうございます！

　第一作も心が晴れ晴れといたしますね。 青空に映える若い桜花、いつぞやの卒業ソングが聞こえました〜。
　本年も舞い踊りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

開催おめでとうございます！　由旬さま

　とうとう始まりましたね。 お祭開催お祝い申し上げます。 今年も楽しませていただきます。

　蘭桂の成長ぶりを心から喜んでいる陽子の笑顔が見えるようです。 春に相応しい希望に満ちたお話ですね。
　蘭玉の面影を見つけるところにほろっとしました。

今年もついに始まりましたね　griffonさま

　仕事中の移動のクルマのなかでＦＭ聞いていたら、「高知で開花宣言」と 女性のパーソナリティの方がしゃべっていて、思わず声を上げてしまいました。 僕の住む伊予国では、今日はちょっと気温が低かったので、 今週末くらいかなぁ〜なんて朝は思っていたのですが・・・。

　第一弾読ませていただきました。 桂桂は陽子にとって特別な存在になっていくんでしょうね。 自身の子供・・・陽子の治める国に住む人々・・・達の代表みたいに見てしまう部分も、 もしかしたら出てくるのかなぁと。 その桂桂がまっすぐに育ている様子に目を細める陽子が目に浮かびます。
　一昨年はぬりえで参加させていただいたうちのチビ壱号。無事中学受験を突破したのですが、 その合格通知をもらったときの感覚をちょっと思い出しました。
　我が手の中から少しづつ巣立とうとする我が子が、誇らしくもあり、嬉しくもあり、 幾許かの寂しさもありの複雑な感覚。 そんな感じを味わっているのかなと。
　桂桂に仕えられるに足る自分であろうと気持ちも新たにする陽子も、 なんだか想像できて、春らしい桜祭のオープニングに相応しい作品で、 思わずにっこりしてしまいました。

　今年もゴールデンウィークあたりまでのロングランになるのでしょうか。 二次脳のスイッチを早く入れなくては(^_^;)
　今年も、よろしくお願いいたします。 今年も、楽しむぞぉっっ

祝・桜祭りｖ　翠玉さま

　今年も桜祭りの開催をありがとうございますｖｖｖ Yahoo!で高知でそめいよしのが開花したと知り、やってきてしまいました。 今年は昨年のリベンジで大いに楽しませて頂きますね〜！

　陽子の元から旅立つ桂桂、陽子の力になっている大人達の中で育った彼は 優秀な官吏になることでしょう。 虎嘯のように頼もしく、熊将軍のように強く、冢宰のように賢く、 と夢見ているのだろうな・・・、と。 目指すところが他の誰よりも高そうです。
　陽子よりも大きくなった桂桂と桜、 どうも常世では見かけ年齢が精神年齢に近いようなので、 この先を妄想すると楽しいですよね。
　「綺麗だ……」の陽子の反応があまりにもらしくて、楽しくなってきますｖ

ＰＳ
　「綺麗だ……」は「若木の誓い」でのことでしたね。 年を越した感想で申し訳ありません（汗っ）

ご感想御礼　未生（管理人）

　今朝の北の国、最低気温は−０．９℃、１３時の気温は＋２．４℃と めっきり暖かくなってまいりました。 今朝は雪がちらついていたのに、先程は雨が降っておりましたよ！　 北の国では雨が降ると春を感じるのでございます。
　皆さま、拙い小品に早速のご感想をありがとうございました。 浮上が遅くなってしまってごめんなさいね。

瑠璃さん＞
　こちらこそ祭開催にご助力いただきありがとうございます〜。 これからもどうぞよろしくお願い申し上げます！
　己は成長を止めた陽子主上は、伸びゆくものを感慨深く眺めているのだろうな、 という妄想でございました。 蘭桂を桂桂の頃から慈しんでいた陽子主上を感じてくださって ありがとうございました！

饒筆さん＞
　祭を心待ちにしてくださってありがとうございます〜。 管理人も頑張り甲斐がございます！　 今年も桜が咲きました。存分に踊ってくださいね〜。
　青空に映える清々しいふたつの若い花を感じてくださってありがとうございます。 いつぞやの卒業ソングはどちらのものでしょう。 怖いもの見たさでお聞きいたします。 世代差に愕然とするような予感も無きにしも非ず……(苦笑)。

由旬さん＞
　はい、今年も開花いたしました。 あせあせいたしましたが、なんとか始めることができました〜。 これから約２ヶ月間どうぞよろしくお願い申し上げます。
　今年は私、蘭玉にやられっぱなしでございます。 壮絶な死を遂げたはずの彼女は、何故かいつも笑顔で、 それがまた涙を誘うのでございます。 私は泣いてしまうけれど、陽子主上は泣きませんね〜。 そんな勁さを眩しく思います。

griffonさん＞
　実は私も開花は週末かと思っておりまして、かなり焦りました(苦笑)。
　壱号ちゃん、中学合格おめでとうございます！　なんだか胸が詰まりました。 他所のお子さまってほんと成長が早く感じられますねぇ！　 頑張った末に手にした新生活が、壱号ちゃんにとって輝かしいものでありますように。
　そして、こんな短い文章から陽子主上が感じていることを須く読み取ってくださり、 ありがとうございました。 ご感想を拝見しているだけで私も涙ぐんでしまいました……。

翠玉さん＞
　今年もいらしてくださってありがとうございます。 祭開始時はいつも緊張しておりますので、大先輩のそのお言葉に癒されます〜。
　「若木の誓い」を覚えていてくださってありがとうございます。 ご感想はいついただいても嬉しいものでございますよ！　 ついつい大人になった蘭桂と変わらない陽子主上の会話を思い浮かべてしまいました(笑)。 妄想を誘うご感想をありがとうございました！

さくらさく読ませていただきました！　空さま

　お祝いは別スレ立ててしまったので、感想のみで失礼させていただきます。

　『さくらさく』は合格の意味もありましたね〜
　蘭桂はとても有能な官吏になると思います。 陽子さんのそばで、仙ではなく普通に育っていく時を持っていた彼を見て、 陽子さんの想いが駆け抜けていくのが見えるようでした。 「期待しているよ」という声かけに、明るい未来が見えるようです。
　素敵なお話読ませていただきありがとうございました。

ありがとうございます　未生（管理人）

　空さん、拙作にご感想をありがとうございました。
　時を止めたものにとって、成長するものは眩しく見えるだろうなと思います。 巣立ちの淋しさを期待に変えて笑みを見せる陽子主上の強さを 見習いたいものでございます〜。

桜笑　ネムさま

　いよいよお祭の季節ですね。 例の如く遅刻しましたが、今年も皆さんにお会いできることが本当にうれしいです。

　管理人さまの第一作、開会宣言に相応しく、明るく爽やかなお話でした。 　先日電車の広告テレビで七十二候が紹介されていて「始桃笑」と書き 「ハジメテ　モモ　サク」と読むことを知りました。
　今回の作品で「さくらさく　えがおさく」が「桜笑（さくらさく）」と 私には読めました。

　今春もよろしくお願いいたします。素敵な作品、ありがとうございました。

ネムさまのコメントへ　空さま

　あああ、なるほど！　 笑は「さく」の意味にもなるのか！　 ものすごく感銘しました。 漢字は深い。味わい深いです。

ありがとうございます！　未生（管理人）

　ネムさん、ご感想をありがとうございます。
　今年も初めから胸に響く美しいお言葉をありがとうございます。 始めの散文は私にとって思い入れの深いものでございますので、 「桜笑」の言葉をいただき、またも感涙してしまいました……。 春は涙腺弱くて困ります(苦笑)。
　そんなわけでご返信が遅れて大変失礼いたしました〜。

２度目の感動を伝えたい…　翠玉さま

　ネムさんの「始桃笑」で笑は咲に通じるとのご説明で、 管理人さまのオープニングの作品の素晴らしさを再確認させて頂きました。 おかげで脳内に桃や桜の花が咲きましたぁ〜ｖ　←をいこら！
　わたしの頭は置いといて、未生さん、素敵です!!　 これほど桜祭りの開始を告げるお話はありませんよ〜〜〜！！！　 どこまでも憑(間違えた？)いていきますｗｗ

ありがとうございます　未生（管理人）

　翠玉さん、拙作を再読してくださりありがとうございます。 過分なお言葉をいただき、嬉しいやら面はゆいやら……(苦笑)。
　実はこの題名、三つ目なのでございます。 昨年「サクラサク」「桜咲く」という小品を書きました。 どちらも辛い時に己を慰めるために書いたものでございます。 今年は嬉しい想いを籠めて言葉を選びました。 楽しんでいただけて、そして、それをお伝えいただけて、感無量でございます……。
　熱いエール、心の栄養となりました。こちらこそありがとうございました！