桜の雨@管理人作品第3弾
2013/04/25(Thu) 06:20 No.351
皆さま、おはようございます。祭にご投稿及び拍手をありがとうございます〜。
本日は春嵐、風の音で目が覚めました。
最低気温は7.7℃、予想最高気温は11℃。
桜どころか福寿草やクロッカスも咲いていない有様でございます(苦笑)。
それでは桜開花情報まいります。
4/24に秋田と盛岡にてそめいよしのが開花いたしました。
東北の桜も残すは青森のみになりましたね〜。
そして、桜前線が津軽海峡を越えるのは5月になりそうでございます。
待ち遠しゅうございます〜。
さてさて管理人は久々にリハビリがてら短いものを書き流しました。
陽子主上登遐後の末声小品ではございますが、よろしければご覧くださいませ。
※ 管理人の作品は全て尚陽前提でございます。
- 登場人物 景麒・陽子
- 作品傾向 シリアス(陽子登遐後末声注意!)
- 文字数 330文字
桜の雨
2013/04/25(Thu) 06:21 No.352
気づけば桜の花は散りかけていた。庭院を吹き抜ける風が薄紅の花びらを運ぶ。景麒はゆっくりと桜の古木へと歩を進めた。
はらりはらりと雨の如く降る花びらを、掌で受け止める。かつて、この花を愛でたひとがよくこうしていた。喜びも悲しみも、愛しさも切なさも、全てこの樹に向けていたひと。それでもその瞳が潤むことは終ぞなかった。
桜が代わりに泣いてくれるから。
舞い散る花びらを見つめ、かのひとはそう呟いた。その淡い笑みは、今なお鮮やかに甦る。桜と語るひとを、見守ることしかできなかった。だから、桜を好きになれずにいた。それなのに。
散りゆく桜は胸に染む。それはきっと、かのひとがこの樹に寄り添っているから。風に舞う薄紅の中に懐かしい緋色を捜し、景麒はいつまでも桜の雨を眺めていた。
2013.04.25.
後書き
2013/04/25(Thu) 06:24 No.354
先日、朝起きたら真っ白で顎が外れそうになりました。
けれど、春の雪はひらひらと桜の花びらのように舞い降り、
掌で儚く融けてしまいます。
そんなわけで、桜が咲く前だというのに散るお話が浮かんだのでございました。
お目汚し失礼いたしました。
2013.04.25. 速世未生 記
本当に ネムさま
2013/04/25(Thu) 21:59 No.359
風もないのに散りゆく花弁は、誰かの代わりに泣いているように見える時がありますね。
今は景麒の為に泣いてくれているのでしょうか。
それともこの桜に陽子の魂が寄り添っているなら、
景麒を慰める為に降り注いでいるのかもしれませんね。
こちらは緑が元気いっぱいで、しっとり想う余裕もありません(笑)。
こうなったら早くそちらの花の便りを聞きたいです!
同じく 瑠璃さま
2013/04/25(Thu) 22:27 No.362
これから先、桜の散る季節になると景麒はこの桜の樹の元へと足を運び、
散る花弁を受け止めていくのでしょうね。
ネムさんと同じくで、こちらも覆いつくさんばかりの緑に圧倒されて、
あまりに早く咲いて散っていった桜を偲ぶ間もありません(笑)。
気温は低めなんですけどねえ。
北の桜を楽しみにしています!
哀れです。 海さま
2013/04/25(Thu) 22:30 No.363
また景麒は残されてしまったのですね。
でも後に穏やかに陽子を偲べるほど、陽子は景麒にうまく言い含めたのですね。
切ない…。 minaさま
2013/04/25(Thu) 23:10 No.366
このお話の景麒はこれから三人目の王を探さなくてはならないのですね。
泣けない景麒のかわりに桜が涙をこぼすように散っているみたいです。
陽子がいなくなって初めて、偲ぶよすがとして桜を好きになれたのでしょうか。
微笑んで… 饒筆さま
2013/04/26(Fri) 01:26 No.369
決して泣かぬ御方を想っているのならば、
同じ桜を眺める景麒も微笑んでいるのでしょうか……
(景麒にしては)この上なく優しく微笑んでいるのに、
ゆっくり瞬きした後たった一粒の涙が落ちる――
そんな横顔を妄想して切なくなりました。
そして当地も、目に沁みるほど鮮やかな新緑の季節です。
もはや桜の雨など見当たりませぬ……呆気なさすぎて切ないです(きゅう)
桜の花びらはかのひとの涙なのですね 翠玉さま
2013/04/27(Sat) 15:45 No.372
桜吹雪の中にひとり佇み、かのひとを想う景麒・・・
桜が古木となるまでは赤王朝が続いたのでしょう。
最初に二人で見た桜は若木だったに違いありません。
はらりはらりと散る桜が切ないですTT
でも、叙情的で美しい世界でした。
こちらの桜は早かったですが、そちらではまだ雪が降るのですね〜
@@
ご感想御礼 未生(管理人)
2013/05/09(Thu) 13:44 No.422
拙作にご感想をありがとうございました!
レスが大変遅くなって申し訳ございません〜。
ネムさん>
散る桜はいつも涙を連想させます。
ずっと桜と語る主を見守ってきた景麒も、大切なひとを喪って、
桜に向かう気持ちが解るようになるのかも……という妄想でございました。
舞い降る花びらが慰めになっていることを願って已みません。
はい、漸く桜前線が津軽海峡を越えました。
もうすぐ北の国からも桜便りをお届けできます!
瑠璃さん>
景麒が陽子主上を見つめていたように、
桜を眺める景麒の背を見守る誰かがいるのだろうなと思います。
そんな情景が目に浮かびました。ありがとうございます。
うわぁ、覆いつくさんばかりの緑!
そうですよね、そちらはもう薔薇が咲いちゃうんですよね。羨ましいです〜。
海さん>
私は陽子主上には景麒を失道させずに登遐してほしいのでしょうね。
残されてしまう景麒はほんとうにお気の毒なのですが……。
うわ、陽子末声決意を受け入れる景麒を書きたくなりました〜。
妄想を誘うご感想をありがとうございます。
minaさん>
このような短く拙い作品にお言葉をありがとうございます。
桜を愛でる主を複雑な想いで見守ってきた景麒ですが、
今は亡き主を偲ぶ縁として、主と同じ想いで桜を見つめるのかもしれませんね……。
饒筆さん>
そうですね、景麒もきっと泣かないのだろうと思います。
饒筆さんのお言葉で、私も微かに唇をほころばせる景麒が目に浮かびました。
北の国にも漸く花の季節が訪れようとしております。
昨年の如くあっという間に過ぎ去らないことを祈っております〜。
翠玉さん>
末声物は短くても裏設定が物凄かったりいたします。
はい、この桜は尚隆が陽子に贈ったもので、
景王の執務室から見えるように植えてございます。
拙作「若木の誓い」で桂桂が陽子と一緒に眺めたあの樹だったりいたします。
言葉を選び、削ぎ落とした短文、色々ご想像いただけて本望でございます。
ありがとうございました。
いやほんと、今年はずっと雪ばかり見ていたような気がいたします。
まさかGWまで真っ白景色を見てしまうとは(苦笑)。