桜下のふたり(尚陽編)@管理人作品第3弾
2014/04/25(Fri) 06:24 No.484
皆さま、おはようございます。いつも祭に拍手をありがとうございます。
一言いただけるともっと嬉しゅうございます〜。
本日の北の国、最低気温は7.3℃、隣街は1.2℃。
ストーブのタイマー点火を止めても大丈夫でございました。
昨日の最高気温は21.8℃。とうとう20℃を超えましたよ!
それでは桜開花情報まいります。
4/24に秋田にてそめいよしのが満開となりました。
気づけば我が街の開花予想日は5/3に早まっておりました。
さて、北の国に桜前線が到着するのはいつでしょうか? 楽しみでございます。
管理人、連鎖妄想小品をひとつ仕上げました。
饒筆さん作#254「桜下のふたり」を拝読してにやにやし、
海さんの#300「桜下のふたり −Ver. 景陽 −」にて悶絶した末に
書き上げた尚陽編でございます。よろしければお楽しみくださいませ。
※ 管理人の作品は全て尚陽前提でございます。
- 登場人物 尚隆・陽子
- 作品傾向 しっとり
- 文字数 678文字
桜下のふたり(尚陽編)
2014/04/25(Fri) 06:25 No.485
満開の桜花をふたりで見上げるいつもの春。大きな樹の根元に佳氈を広げ、ささやかな花見の席を設えた。しかし、天気は生憎の花曇り、しかも春とは思えぬ冷たい風が吹きぬけた。
ひらりひらり、舞い散る薄紅の花びらを見つめ、伴侶は溜息をつく。尚隆は少し愁いを帯びる美しい横顔を黙して眺めた。太い幹に背をつけて、ふたり並んで花の天蓋を見上げるのは毎年のこと。それでも、伴侶はいつも様々な貌を見せる。それは、咲き誇る桜花よりも尚隆を惹きつけて已まない。やがて。
視線に気づいた伴侶がゆっくりと首を巡らせる。眼と眼が合って、伴侶は翠の瞳を大きく見開いた。尚隆はくすりと笑って翠玉を見つめ続ける。伴侶は俄かに頬を染め、慌てて眼を逸らした。
「さ、寒くなってきたね……!」
水筒に伸ばされた伴侶の小さな手が、同じく伸ばした尚隆の大きな手に重なる。はっと身を硬くする伴侶を、尚隆は笑みを湛えて眺めた。重ねられた手が、次第に温められていく。その温もりは、心をも温めた。
ぴくりと動いた手を、残った手でそっと包んだ。それなのに、伴侶は少し冷たくなった手を引き抜こうとする。それを阻んで掴んだ手に力を籠めた。
「お、お茶を、注ごうと思うんだけど……」
伴侶はその髪と同じ色の顔で自己主張した。尚隆はにやりと笑って黙殺する。伴侶は眼を上げて尚隆を睨めつけた。翠の瞳が勁い光を帯びる。いま羞じらっていた女王が、今度は怒りに頬を染めていた。尚隆は笑みを深める。
「もう、いい加減に……!」
瑞々しい桜唇が放った怒声は言葉半ばで途切れた。その理由を知るものは、桜と風のみだろう。薄紅の花びらは静かに舞い降っていた。
2014.04.25.
後書き
2014/04/25(Fri) 06:26 No.486
連鎖妄想を仕上げるのに2週間もかかってしまいました。
瞬発力がなくなったな〜と思いつつ、楽しく書かせていただきました。
勿論「祭掲示板」と胸の中で唱えながら、でございます。
筆が滑ることはなかったと思いますが、如何でございましょうか(笑)。
饒筆さん、海さん、萌えをありがとうございました。
皆さまの素敵な桜、まだまだお待ち申し上げております。
2014.04.25. 速世未生 記
初々しい陽子 海さま
2014/04/26(Sat) 19:53 No.487
連鎖妄想、お待ちしていました! お祭りならではですから。
同じシーンでも切り口や相手によってこうも変わってくるのですね。
お茶ひとつにしても、お茶なんかどうでもよくなっちゃう方々や、淹れそこなったり、
最初からお呼びでなかったり、普通に淹れたり、
多分冷めるまで放置されてしまったり。
尚隆相手だと陽子が初々しい〜。
この尚隆は寡黙なのに「言葉が足りない感」がないのはなぜでしょう…?
連鎖妄想ありがとうございました。
楽しんでおられますね、殿(笑) 饒筆さま
2014/04/27(Sun) 00:30 No.490
陽子さんの初々しい反応がかわゆいです〜(悶)
じっくり楽しんでおられますね、殿(笑)
あんまりいじめると本気で怒られちゃいますよ〜♪
(それもまた良し、でしょうか? あはは)
筆の滑りについ期待してしまう、ワクワクな連鎖妄想をありがとうございます!
ご感想御礼 未生(管理人)
2014/04/28(Mon) 13:12 No.494
拙作にご感想をありがとうございました!
陽子主上が初々しいのは管理人の好みでございます(笑)。
世の中には凛々しい陽子がお好みの方が多いとは存じますが、
普段は漢前な陽子が可愛くなってしまうシチュに萌えてしまうのでございます。
どうぞご了承くださいませ〜。
海さん>
宣言してからかなり経ってしまいましたね(汗)。
お待ちくださりありがとうございます。
いやほんと、同じ場面でも人が変わると展開が変わってまいりますよね〜。
そういう妄想、結構好きだったりいたします(笑)。
今回は口を開くのは陽子主上のみというコンセプトで書いてみました。
科白なしのかの方、「言葉が足りない感」がないのは、
日頃の行いのせいかもしれませんね〜。
饒筆さん>
かなり楽しんでいると思われます。
しかも反応が素直なので、ついついエスカレートしてしまいます。
そして本気で怒られる前に……(笑)。
筆の滑りにご期待ありがとうございます! 調子に乗ってしまいそう(笑)。
さすが! ネムさま
2014/05/02(Fri) 00:31 No.514
どんな状況でも己の欲望…いえ、想いをストレートに現わす尚隆はさすがです(笑)
海さんのおっしゃる通り、尚隆は言葉の足りない感がありませんね。
口ではふざけてばかりいても、真っ直ぐ相手を見るから伝わる、
そんな人物なんでしょうね。だから陽子も最後は負けてあげるのでしょうか。
そう言えば、今日郵便局で「小松さん」と呼ぶ声がして、思わず辺りを見回しました。
普通の方達でしたが、この後も中嶋さんとか大木さんとか聞こえないか、
密かに耳を澄ませてました(笑) 高里さんや六田(六太)さんはいないかな?
廉主従に負けてはいられないと?(笑) 翠玉さま
2014/05/06(Tue) 16:33 No.568
甘々バカップルの「桜下のふたり」番外編ですねv
陽子主上の初々しさは廉麟に匹敵します。
それにしても、両国の臣下一同は陽子主上に悶絶しても
尚隆には後に冷たい仕打ちが待っていそうだと思うのは気のせいでしょうか・・・
ご感想御礼 未生(管理人)
2014/05/06(Tue) 16:33 No.568
ネムさん>
はい、かの方はいつも欲望に忠実でございます。軽口ばかり叩くくせに、ですよね(笑)。
陽子主上が勝てないわけでございます〜。
おお、私もよく「小松」に反応してしまいます。小松菜とか(笑)。
中嶋さん大木さんはともかく、高里さんや六田さんをお見かけしたことはないですね〜。
いたら楽しいですよね。
翠玉さん>
はい、饒筆さんが主従で綴られたこのシリーズ、海さんが景陽でお書きになったので、
尚陽だとどうなるか、とむくむく妄想が膨らみました。
管理人同様かの方も初々しい陽子主上がお好みのようで(笑)。
恐らく自国の臣下が見ていたら、陽子もこんな姿は見せないでしょうね〜。