桜日和@管理人作品第1弾
2016/03/19(Sat) 14:45 No.1
祝! 桜開花!
本日3/19、気象庁より福岡にて最初のそめいよしのが開花したと発表されました。
管理人、毎日ドキドキしながら開花宣言を待っておりました。
今年は予想が出る度に日が早まり、場所もころころと変わってまいりましたが、
王道福岡での開花と相成りました。
というわけで、今年も祭を始めさせていただきます!
投稿掲示板へようこそいらっしゃいました。
皆さまのご参加を心よりお待ちいたしております。
投稿の見本も兼ねて、管理人作品第1弾を投下いたします。
よろしければお楽しみくださいませ。
※ 管理人の作品は全て尚陽前提でございます。
- 登場人物 鈴・祥瓊・陽子・尚隆
- 作品傾向 ほのぼの
- 文字数 1232文字
桜日和
2016/03/19(Sat) 14:49 No.2
空が柔らかに色を変え、風が仄かに甘い匂いを孕む。冬が去り、春がやってきた。季節が移ると東の国の王宮は活気に満ちていく。それは、庭院の樹に花芽が付く頃から始まる。麗しき女王が勢いこんで仕事を片付け、諸官もそのとき国主を煩わせないよう早めに案件を提示するのだった。
かつて、金波宮は緊張に覆われていた。書卓に書簡を山積みにした国主が、眉間に皺を寄せたまま執務室に閉じ籠っていたからだ。誰がどのように休みを進めても、女王は頑として聞き入れなかった。そんな国主の心を解いたのは、伴侶である隣国の王。
ある年、延王尚隆は景王陽子を強引に花見へと連れ出した。こちらでは珍しい見事な桜を見つけたから、との口実で。その後、宮に戻った女王は柔らかな笑みを浮かべ、側近たちに桜花入りの茶を振る舞ったのだ。
それから国主の花見は恒例となった。そして、桜好きな女王のために、あちこちで桜が植樹された。今や慶東国の春は薄紅の花に彩られる。
今年も春は優しく始まり、女御鈴は女史祥瓊とともに景王陽子の花見の準備を手伝っていた。重箱に昼御飯と甘味が詰められ、隣国の王のために良質な酒、そして酒が苦手な女王のために茶が調えられる。
「これでお終いだ」
「この佳氈、くたびれているわねぇ」
陽子が楽しげに取り出した佳氈を見て、祥瓊が呆れた声を上げる。覗きこんだ鈴もまた祥瓊に同意した。
「そろそろ新しいものにしたら?」
「これがいいんだ」
陽子は笑みを湛えて首を横に振る。鈴は祥瓊と顔を見合わせた。重箱も酒瓶も国主景王が持つに相応しい重厚な細工物だ。それを載せる佳氈が、いくら上質なものとはいえ、ここまで古びていては。しかし、陽子は静かに笑みを浮かべたまま鈴と祥瓊を見据えている。こういうとき、陽子が友である鈴たちの説得を聞き入れることはない。鈴は祥瓊と再度顔を見合わせて、小さく肩を竦めた。
やがて、迎えに来た伴侶とともに陽子は金波宮を旅立っていった。その背を見送って、鈴は溜息をつく。
「相変わらず頑固よね」
「ほんとうに」
「延王が気づいてくれればいいのだけれど」
「あの方にそれを求めても……」
祥瓊の答えを聞いて、鈴は苦笑を零す。確かに隣国の王は、佳氈のことなど気にも留めなさそうな人物だ。
「折を見てまた説得しましょうか」
「そうね」
そう話を纏め、二人はそれぞれの仕事へと戻ったのだった。
夕刻になり、国主は賓客とともに帰城した。これも恒例となった茶会の準備をして待ち構えていた鈴と祥瓊は、いつにも増して匂やかに美しい笑みを浮かべる女王に眼を瞠る。それに気づいたのか、女王の伴侶はにやりと笑んで二人に告げた。
「次の花見までに新しい佳氈を用意する」
隣で陽子が嬉しげに首肯した。鈴は目許を緩める。陽子は、伴侶が気づくまで待っていたのだ。見ると、祥瓊も微笑している。鈴は祥瓊と顔を見合わせ、声を揃えて頭を下げた。
「よろしくお願いします」
その後、女王自ら入れた茶が振る舞われ、和やかに茶会が始まる。鈴は桜日和の茶会を心から楽しんだ。
2016.03.19.
後書き
2016/03/19(Sat) 15:00 No.3
桜祭第1弾としてはお初の鈴でございます。
何気に「佳氈の秘密」及び「花散らしの風」の鈴視点でございますが、
読んでいなくても解ると思います。
今回は直前に掲示板の不具合に気づき、焦りまくりました。
実は一文字も書いていなかった……!
そんな小品ではございますが、お暇潰しにでもどうぞ。
そして、管理人の作品もこの程度でございます。
皆さま、安心してご投稿くださいね!
皆さまの素敵な桜、お待ち申し上げております。
2016.03.19. 速世未生 記
祝! 桜祭開催 griffonさま
2016/03/19(Sat) 19:18 No.7
どうにか手土産持参で壽ぎにお伺いできました。
今年もどうかよろしくお願いいたします。
テレビのニュースなどで桜開花の話が出てくると……
「あぁ、そんな季節か」「桜祭始まるな」「てっ手土産がっ……」
と楽しみだったり、あせってみたり(^_^;)
ゴールデンウィークの頃まで、楽しませていただきます。
それでは (^o^)/
今年もよろしくお願い致します ネムさま
2016/03/20(Sun) 00:20 No.10
2016年=今年も無事お祭りが開催されたこと、喜ばしくお祝い申し上げます。
また北の桜が咲くまで楽しませて頂きます。
今年も金波宮が賑やかですね。
気を揉んだり、溜息吐いたり笑ったり。でもほのぼの、楽しい気分に今年もさせて貰いました。
今度は新しい佳氈の活躍を見させて下さいね!
お祭りの開催ありがとうございます 饒筆さま
2016/03/20(Sun) 00:33 No.11
今年の桜はやっぱり咲くのが早かったですね!
桜祭の開催ありがとうございます&今年もよろしくお願いいたします。
さて、おお、あの佳氈には親友たちのこんなヤキモキもあったんですね。
親友の恋愛って仲が良いほど、我がことのように心配しちゃったりしますよね〜
結局は本人がなんとかするので大抵取り越し苦労に終わりますが(笑)
買い替えのときは祥瓊の見立てで気品あふれる逸品になるか、
鈴の見立てで女子力全開方向に向かうかで楽しいもめ事が置きそうですね(あはは)
春の予感に満ちた楽しい女子トークにほっこりいたしました。
重ねてありがとうございます〜
開催おめでとうございます senjuさま
2016/03/20(Sun) 12:08 No.15
お祭の開催おめでとうございます。咲きましたねー。
そして今年も開催ありがとうございます。
わくわくです♪
今年も大活躍(笑)の佳氈と、にやりと笑ってみせる殿にさっそくのほっこりを戴きました。
皆様の桜、楽しみにしています♪
桜祭、開催おめでとうございます! 篝さま
2016/03/20(Sun) 13:05 No.16
桜祭の開催、おめでとうございます、そしてありがとうございます。
親友たちの心配も何のその、肝心の陽子は一人で時が来るのを待っているあたりが
何とももどかしく、鈴たちと一緒になって尚隆をせっつきたい思いでいっぱいでした(笑)
でもそんな女性陣の心中なんてお見通しかのようにさらりと言ってのける尚隆がニクいです、
格好いいです…///
そして待ち望んでいた言葉を貰えて嬉しそうな陽子に色気を感じで
妙にドキドキしてしまいました。
長いようで、でもきっとあっという間に過ぎてしまいそうですが、
速世様をはじめ、皆様の素敵な作品を拝見出来る僥倖に感謝します。
どうぞよろしくお願いいたします。
春が来ましたね! ミミズのミーさま
2016/03/20(Sun) 20:23 No.18
お祭り開催おめでとうございます!
今年も皆さまの投稿を楽しみにしています。
私もなんかがんばってみます!
桜祭の開催、おめでとうございます! 瑠璃さま
2016/03/20(Sun) 20:25 No.19
今年も桜が咲きましたね。
桜祭の開催を心からお祝い申し上げます。
陽子さんの女心が可愛らしいというか、いじらしいというか。
それにしても陽子さんは本当に皆に愛されていて、読んでいてうれしくなりました。
今年も北の桜が終わるまで、よろしくお願いします。
ご感想御礼 未生(管理人)
2016/03/20(Sun) 21:04 No.23
レスが遅くなり大変失礼いたしました。
griffonさん>
桜開花で思い出していただけて嬉しく思います。
今年もどうぞよろしくお願いいたしますね!
ネムさん>
開花予想が出る度にドキドキが増しましたが無事に開催に漕ぎ着けました。
今年もよろしくです〜。
この佳氈をいつまで引っ張るんだ、という気もいたしますが、陽子主上が名残を惜しみ、
鈴と祥瓊はやきもきするものですから(苦笑)。
今年もお付き合いくださりありがとうございます。
饒筆さん>
実はもう一日待ってほしかった(苦笑)。桜に文句を言うわけにもまいりません。
祭に寿ぎをありがとうございます。私も楽しませていただきます〜。
相変わらず妄想が進むコメントをありがとうございます!
鈴と祥瓊の佳氈戦争も楽しそう(笑)。
senjuさん>
今年もばたばたと開花を迎えました。
一言登場のかの方にエールをありがとうございます(笑)。
ほっこりしていただけて私も嬉しく思います〜。
篝さん>
こちらでは初めまして。ようこそ桜祭へ!
皆さまの素敵な桜をお楽しみいただけると嬉しく思います。
また、どうぞご参戦くださいね〜。
そうそう、にこやかに頑固な陽子主上、悲願達成でご満悦でございます。
ちょっと色気があるのには秘密が……(笑)。
かの方をお褒めくださりありがとうございました〜。
ミミズのミーさん>
いらっしゃいませ〜。今年もお越しくださりありがとうございます!
ご投稿もお待ちしておりますね。
瑠璃さん>
今年も咲いてしまいましたよ!
こちらこそ北の桜が散るまでどうぞよろしくお願いいたしますね。
普段漢前な陽子主上がかの方の前では乙女になるのが私の好みでございます(笑)。
そんな国主を温かく見守る金波宮であってほしゅうございます〜。