花の笑顔@管理人作品第7弾
2016/05/18(Wed) 23:01 No.667
皆さま、こんばんは〜。いつも祭にご投稿及びレス、拍手をありがとうございます。
本日大豊作! 素晴らしき作品群に、管理人、ウハウハでございます!
ラストスパート中につき、レスが遅くて申し訳ございません〜。
本日の北の国、最低気温は12.8℃、最高気温は20.8℃、
強風も収まり、過ごしやすい日和でございました。
さて、先日、ツイッター上で開催されました
「#十二国記絵描き文字書き60分一本勝負」第15回「花」というお題に参戦させていただきました。
ブログの方でアップいたしましたので、ご覧くださった方もいらっしゃるかもしれません。
そんな拙作に素敵な連鎖妄想をいただきましたので、こちらにもアップさせていただきます。
アサギさん、ありがとうございました!
#647アサギさんの作品の元の小品でございます。
- 登場人物 桓魋・虎嘯・浩瀚・陽子・祥瓊・鈴
- 作品傾向 コメディ
- 文字数 928文字
花の笑顔
2016/05/18(Wed) 23:05 No.668
笑いさざめく声がする。回廊を連れ立って歩く三人の娘たち。そこにいるだけで場が華やぐ慶国三人娘は、それぞれが趣の違う美しさを持っている。左将軍桓魋は思わず感嘆の溜息をついた。まるで花のようだ。そう思ったとき、だしぬけに後ろから声がした。
「まるで花のようだな」
桓魋はぎょっとして振り返る。そこには虎嘯がにやにやと笑いながら立っていた。国主の警護を務めるはずの大僕に、左将軍は苦言を呈す。
「驚かせるなよ……。仕事中じゃないのか、虎嘯」
「一応忠告しておこう」
大僕虎嘯は不意に真面目な貌を見せた。つられて桓魋も姿勢を正す。虎嘯は声を潜めて続けた。
「聞こえたぞ」
腕組みをした虎嘯は人の悪い笑み浮かべてそう告げる。桓魋は今度こそ大きく眼を瞠って絶句した。まさか、思いを口に出していたとは。虎嘯は桓魋の肩を何度も叩き、可笑しそうに大きな肩を震わせる。桓魋は深い溜息をついた。虎嘯はにこやかに続ける。
「巧いたとえだな」
折しも庭院には桜が咲いていた。国主景王とその側近たちは花見を楽しんでいる。大僕虎嘯は警護対象から眼を離さずにそう言って笑んだ。桓魋は肩の力を抜いて己も桜と娘たちを眺める。そうして小さく呟いた。
「祥瓊は華やかな八重桜だな」
「それなら鈴は可愛い山桜だ」
確かに女史祥瓊は典雅で華やかな美貌を誇り、女御鈴は清楚で可愛らしい。男たちは顔を見合わせ、互いのたとえを褒め合った。そんなとき。
「――ここで怠けている者に花見酒を出すわけにいかないな」
涼やかな声がかけられて、二人は同時に振り返る。そこには書箱を抱え持つ冢宰が立っていた。
「浩瀚さま!」
「いい大人がそう騒ぐな。ほら、主上も呆れておられる」
そう言いつつ、冢宰浩瀚は庭院に立つ国主景王に恭しく拱手する。景王陽子は苦笑を浮かべていた。左将軍と大僕は急いで職務に戻ろうとする。そんなとき。
「――鮮やかな緋桜だな」
密やかな声がして、桓魋と虎嘯は立ち止まる。怜悧な冢宰は振り返ることなく国主の執務室へと入っていった。二人は同時に顔を見合わせ、また庭院に眼を戻す。微風に緋色の髪を靡かせる麗しき女王がそこにいた。
「さすが」
冢宰の機知に一言感想を述べて、二人は笑い合う。庭院には美しき花の笑顔がほころんでいた。
2016.05.14.
後書き
2016/05/18(Wed) 23:06 No.669
ツイッター上で開催されている「#十二国記絵描き文字書き60分一本勝負」
第15回「花」というお題で書いてみました。今回もリアル参加でございます。
末声物を完成させて頭がハイになりました。
今回は執筆40分、只今あせあせと推敲してアップしております。いい時間になるかな?
絶賛桜祭開催中、桜前線もめでたく終着いたしました。
末声の揺り返しで明るい小品を書けて満足しております。
お楽しみいただけると嬉しく思います〜。
2016.05.14.
後書きまで引用いたしましたが、御題其の二百二十三「花の笑顔」をお送りいたしました〜。
末声の揺り返しとは面白いものでございましょう(笑)。
笑っていただけると嬉しゅうございます。
2016.05.18. 速世未生 記
さすが! ネムさま
2016/05/18(Wed) 23:41 No.671
大男二人がはしゃいでいるのを横目に、さらりと一言。
さすが冢宰! と声を掛けたくなりました(笑)
華やかな八重桜と清楚な山桜、凛とした緋桜を一挙に見られるとは、
何と贅沢なお花見でしょう。
しかも四季咲きですから、金波宮の密かな自慢なのでしょうね。
すてきなお花見をありがとうございました!
ずっきゅん 葵さま
2016/05/19(Thu) 20:30 No.675
ああ、なんとずっきゅんなのでしょう。
虎嘯と熊さん将軍が、娘さん二人を桜に例えてきゃっきゃうふふと楽しんでおられるところに、
ダースヴェーダ―のテーマ曲とともに登場した浩瀚、
去り際にぼそっと「緋桜」コメントをなさるところなど、
心憎いばかりの怜悧男ぶりに、葵の貧胸はすっかりずっきゅんと疼いてしまいました。
三人三様の美しい娘さんたちと、その花々に見惚れるイケメン集団。
慶はほんとに瑞々しくって素敵ですね。
アサギさまのイラストと共にうっとりとさせていただきました。
ありがとうございましたv
桜下の品定め(笑) 饒筆さま
2016/05/19(Thu) 22:54 No.676
なるほど、桓タイと虎嘯は互いの「推し」を競っていたのではなく、
楽しく品定めしていたんですね〜。
でも女子たちの耳に入ったらプチ怒られちゃいますよ〜しかもお仕事中だよ?
(クスクス・笑)
そんな部下を窘めつつ、ご自分の「推し」を主張することも忘れないあたり、
閣下もお茶目さんだな〜と思いました(あはは)
気分はまさに春爛漫な、楽しいお話をありがとうございました。
ご感想御礼 未生(管理人)
2016/05/20(Fri) 22:07 No.686
皆さま、拙作にご感想をありがとうございました〜。
ネムさん>
四季咲きの三種の桜! そう考えるとほんとうに贅沢なお花見でございますよね〜。
私的に窘めながらも参戦する冢宰閣下はツボでございました(笑)。
葵さん>
なんという面白コメントを(爆)。陽桜のご返信とともにお腹を抱えて笑ってしまいました!
浩陽派の葵さんのお眼鏡に適う冢宰閣下になっていたのなら大変光栄でございます〜。
花見を楽しむイイ男衆を纏めて眺められる私たちが
一番良い席に陣取っているのかもですね!
饒筆さん>
桜下の品定めとはまた素敵なネーミング!
確かにご本人たちに知られたら怒られそうですね、主に桓魋が(笑)。
窘めつつ参戦する冢宰閣下は(以下省略/笑)。
妄想を邁進させるご感想をありがとうございました〜。
怜悧ですね 瑠璃さま
2016/05/21(Sat) 00:52 No.688
最後に美味しいところを全部持って行った浩瀚は、流石に怜悧ですね!
格好良すぎる(笑)。大人だわ。
真摯な年頃(?・笑)のお嬢さんたちが集っているのを見ているのは確かに楽しいですもの。
虎嘯と桓タイをわたしは責められません。わたしも見たいし!
眼福な光景 桜蓮さま
2016/05/21(Sat) 20:43 No.702
祥瓊の八重桜、鈴の山桜、そして陽子さんの緋桜、どれもぴったりですね。
それぞれ趣の違う桜たちを愛でられる金波宮の男衆(とは限らないか・笑)が羨ましいです!
そして、さらりと一言を放った閣下に、私もズキュンと撃たれました(笑)。
楽しそう! ミツガラスさま
2016/05/22(Sun) 00:02 No.716
美少女達が楽しそうにお花見していたらそりゃあもちろん真面目に仕事出来ないでしょうとも!
鼻の下も伸びますよね! 花の下だけに(爆)
それにしても桜の花にたとえられるなんて雅な褒め方だなぁと
体育会系なお二人もやっぱり宮廷人なのね〜と感心してしまいました(笑)
そして浩瀚さまもやっぱり粋で雅なお方だなぁとグッときました。
楽しげな慶国風景をありがとうございました!
ご感想御礼 未生(管理人)
2016/05/23(Mon) 22:23 No.809
瑠璃さん>
怜悧な冢宰閣下をお褒めいただきありがとうございます。
今回のワンライのキモでございました(笑)。
そうそう、私たちもこっそりお花見いたしましょう。散らない四季咲きの桜を。
桜蓮さん>
三人三様で美しいですよね〜。そして冢宰閣下は美味しいところ取りです。
桜蓮さんまで撃ち抜いてしまわれた(笑)。
ミツガラスさん>
花の下と鼻の下にぷぷっと笑わせていただきました。
八重桜・山桜・緋桜との雅なたとえ方、
実は書いた私も「やるじゃん」とか思いました(笑)。