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御題其の四

(末声注意!)

最後の逢瀬

「──愛している」

 初めて口に出した一言。反応は、予想通りだった。麗しい顔からさっと血の気が引き、一瞬目を伏せる。そして。目を上げた伴侶は、ゆっくりとその朱唇に笑みを浮かべる。
 輝ける翠の瞳に滲んだ涙が零れる様を、じっと眺めた。一筋、二筋、そして、滂沱と溢れる大粒の玉。もう久しく見ていなかった、紅の女王の涙。──それでも、唇に浮かべた笑みは消えない。

 ただ一言で、お前は悟ってしまうのだな。

 尚隆は微笑し、微動だにしない伴侶をそっと抱いた。

2006.04.13.
 ──ごめんなさい。「黎明」詰まってます。 これは「桜雨」から連想した私の胸の中の「もやもや」です。 どうしよう。「末声」に憑かれてしまったかも……! ま、まずい〜。誰か助けて〜!
 ──「黎明」に戻ります……。

 陽子視点も書いてしまいました。よろしければご覧ください。(別窓開きます) 御題其の三十九 「訪れた現実」  (2006.09.23.追記)

2006.04.13.  速世未生 記
(御題其の四)
背景画像「幻想素材館 Dream Fantasy」さま
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