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御題其の五

ふるさと(散文)

降りしきる薄紅の花びら。
桜吹雪の中でやさしく微笑むひと。
今年もあなたとともに、このひとときを過ごす。

舞い踊る桜花に、あなたと出会えた奇跡を思う。
知らず瞳に滲む涙を見咎めて、あなたは問う。
あちらが恋しいか、と──。

散りゆく花は、いつも涙を誘うけれど。
いいえ、恋しいのはあちらではない。
恋しいのは──そう、あなただけ。

ゆかりの花をともに眺める幸せを噛みしめて。
私の帰る処は、あなたの胸だけ。
涙受けとめるあなたが、ただひとつの私のふるさと。


2006.04.15.

 祝! 「末声」脱出! 

 御題其の四「最後の逢瀬」を書いてからというもの、情景が頭をかけめぐり、大変でした。 「黎明」書けなくなるし……。ああ。ふらっとお邪魔した「桜祭り」。 縷紅さんの「花餞─はなむけ」に救われました。

 その「花餞」、縷紅さんからいただいてまいりました〜!  「宝重庫」にアップいたしましたので、併せてごらんくださいませ〜。 って、こんな書き流した拙作とは比べ物にならない、素敵なお話でございます!  (2006.04.18.追記)

 最近やっとケツメイシの「さくら」が頭を回らなくなりました。 その代わりといっては何ですが、ソウルヘッドの「FURUSATO」がぐるぐる〜ぐるぐる〜。
 上記ふたつの要素が下地となった小品でございます。大変お粗末さまでした。

 この小品を元に、更に短編 「故郷」を書いてしまいました。 よろしければ読んでみてくださいませ。別窓開きます。(2006.05.20.追記)

2006.04.15.  速世未生 記
(御題其の五)

背景画像「幻想素材館 Dream Fantasy」さま
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