(開催期間 2021.09.01.~10.10.)
お祭は終了いたしました。ありがとうございました!
当サイト内の文章・画像等の無断保存・転載はご遠慮くださいませ。
当サイトは検索除けしています。ツイッター等に無断でリンクを張るのはご遠慮くださいませ。
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本日投稿最終日!
皆さま、こんばんは。力尽き気味の管理人でございます。いつも拍手をありがとうございます。
本日の北の国、最低気温は12.1℃、最高気温は13.5℃とめっきり秋らしくなってまいりました。それでもまだまだストーブはいらなさそう……。
今年は日本一早い初冠雪を富士山に持っていかれた北の国、ほんとに暖かいようでございます。皆さまのお住まいのところは如何でしょうか。
さて、本日は祭の投稿最終日でございます。なんだかあっという間でございますね! 皆さまの素敵な尚陽作品をお待ち申し上げておりますよ。管理人とともに足掻きましょう笑。
間に合わなさそうな方は応相談で! 諦めずに頑張ってくださいね~。
本日の北の国、最低気温は12.1℃、最高気温は13.5℃とめっきり秋らしくなってまいりました。それでもまだまだストーブはいらなさそう……。
今年は日本一早い初冠雪を富士山に持っていかれた北の国、ほんとに暖かいようでございます。皆さまのお住まいのところは如何でしょうか。
さて、本日は祭の投稿最終日でございます。なんだかあっという間でございますね! 皆さまの素敵な尚陽作品をお待ち申し上げておりますよ。管理人とともに足掻きましょう笑。
間に合わなさそうな方は応相談で! 諦めずに頑張ってくださいね~。
滑り込みセーフ!
楽しいお祭りも締め切りが差し迫ってまいりましたね。
ネムさまの御話がハッピーかつ素敵すぎて、以下のようなダメ殿のお話は怒られるんじゃないかと腰が引けつつ……
そんなところも愛すべき御仁じゃないかなということで大目に見てください。
登場人物:尚隆 陽子 酔っ払い&色っぽいモブ多数
作品傾向:陽子さんがひたすら漢前
文字数 :2315文字
ネムさまの御話がハッピーかつ素敵すぎて、以下のようなダメ殿のお話は怒られるんじゃないかと腰が引けつつ……
そんなところも愛すべき御仁じゃないかなということで大目に見てください。
登場人物:尚隆 陽子 酔っ払い&色っぽいモブ多数
作品傾向:陽子さんがひたすら漢前
文字数 :2315文字
奪還
麗しき名月を他所に、酒池肉林の宴は天井知らずの盛り上がりをみせていた。
そこかしこであがる嬌声。幾度も沸く馬鹿笑い。調子外れの二胡は気まぐれに鳴き、いくら出しても足りぬ酒肴を数多の下女がせっせと運び入れる。
目が窪んでいるうえにでっぷりと太っているため、熊猫大人と呼ばれる豪商は派手好き酒好き女好きとして有名で、花街で金に糸目を付けぬ宴をしばしば開くお大尽であったが――残念ながらその蓄財に見合う気品は身についていなかった。
今も、白絹の目隠しをして、きゃあきゃあ騒いで逃げる妓女たちを追いかけては抱きついている。酔客や太鼓持ちが競い合って持ち上げるものだから、酔って赤らんだ顔をさらに紅潮させてすっかりご満悦だ。
「あのぉ……すみません……こんなところに連れて来て……」
父とは似ても似つかぬ、神経質なモヤシのごとき御曹司が今宵の稀客に頭を下げた。
「いや、顔を上げてくれ。タダで酒が飲めるのだから文句など言うものか」
風漢と名乗る美丈夫はからりと笑い、わらわらと寄ってきた妓女たちを侍らせたまま、泰然と杯を呷った。
彼はガラの悪い連中に絡まれていた御曹司を助けた通りすがりの男だが、本物の御曹司よりよほど場慣れしていて貫禄すら感じられた。
「おぬしは飲まんのか」
「いえ僕は……こういう場が苦手で」
御曹司は俯き、その細い指で一向に減らない酒杯を弄んだ。
「いい成丁が、酒にも女にも及び腰なんて情けない限りですよね……」
「気にするな。そんなもの、人それぞれだろう」
やけに紅の鮮やかな女が風漢にしなだれかかり、彼の耳元でなにやら囁く。そして鷹揚にあしらわれたのを拗ね、その逞しい腕をとって豊かな谷間に沈めた。反対側の女は彼の腿にそっと手を置き、厚い胸に頬を擦り寄せて潤んだ瞳を向けている。
それらの嬌態に、風漢本人でなく御曹司の方が赤面して目を泳がせた。(やはりいたたまれない……)
「ぼ、僕はもう帰りますので、風漢殿はどうぞ楽しんでください」
形ばかりの礼を残し、御曹司はそそくさと立ち上がって戸口を目指す。
が、運悪く父に見つかってしまった。雷のような怒声がその背に刺さる。
「こら征吾!もう帰る気か?!宴はこれからだぞ!!」
お大尽の一喝に、その場がシンと静まり返る。
細身の御曹司はビクリと竦みあがり……恐る恐る父を振り返る。その顔は青ざめ、子供のように震えていた。
すると。
「違いますよぉ旦那ぁ」
ほぼ素面のはずの風漢が、へらりと笑って立ち上がった。先程の貫禄はどこへやら、口調から丸めた背中までまるで下郎である。
「坊ちゃんはあっしの余興を手伝ってくださるところでさぁ」
「余興だと?」
誰だこいつ。胡乱な目で睨み据える熊猫大人の前で、風漢は妓女の披巾をするりと拝借し、頭から被って女舞を披露し始めた。
流行りの替え歌を吟じ、わざと無様なシナを作って笑いを誘う。案の定、酔客どもはどっと哄笑し、やんやと囃して手拍子を打ちだした。
「上手いな兄ちゃん!」
「あら悔しい」
勝気な妓女が風漢と並んで踊りだし、二胡が己の仕事を思い出したように歌いだす。いつの間にか熊猫大人も機嫌を直して手を打っており、宴は再び火が付いたように騒がしくなった。
……ただ一人、戸口の前でぽつんと立ち尽くす御曹司を残して。
風漢は舞いながらひとつ息を吐き、御曹司へ目線を遣って、こっそり顎をしゃくった。
――今のうちに帰れ。
それで御曹司はようやく我に返ったようで、律儀に深くお辞儀して扉の向こうへ消えたのだった。
……こうして帰路に就いた御曹司が今度はスリの被害に遭い、これまた通りすがりの紅髪の美少年に取り返してもらうまで、あと少し。
さて舞台は再び、乱痴気騒ぎの客堂へ戻る。
風漢と妓女の舞勝負は他の客も煽ったようで、お調子者たちが我も我もと踊りだし、宴はもはや無礼講の大騒ぎとなっていた。
風漢としては、気が済んだらいつでも抜ければいいかという程度で適当に踊り続けていたのだが、やがて隣で舞う妓女がわかりやすく秋波を送ってくるのに気が付いた。
下心が透けて見える媚びではなく、こちらの度量を試すような挑発的な誘惑は嫌いではない。口の端を上げてみせれば、妓女の紅唇も綺麗な弧を描いた。
視線が絡み、裾や披巾が触れ、手が伸び、それぞれ舞い踊りながら距離を詰めてゆく。
足がもつれたふりで倒れ掛かってきた女を片腕で抱き留めたとき、女は大胆にも風漢の頬に口づけを落とし、それで――
バタン!!!
そのときである。
御曹司が出て行った扉が再び開いた。
遠い月と頭上の提灯を背負って現れたのは、燃えるような紅髪の美少年……いや男装の佳人だ。
風漢が一切の動きを止める。(ヤバイ!)
紅髪の彼女は乱れきった堂内をぐるりと見渡し、ほぼ中央にて妓女と抱き合っている風漢を発見してスッと翠瞳を細めた。そのまま、凍てついた視線を風漢に定めつつ、無表情でつかつかと歩み寄ってくる。
「よ、陽子……」
風漢は喉から絞り出すようにその名を呼び、妓女を放して背後へ匿った。
「待て陽子。これには訳が――」
無駄を知りつつ説得を試みる風漢に対し、陽子は彼の襟を力任せに掴み寄せ――
一言も発さず、その唇を奪った。
深く口づけてから放り出し、後ろの妓女に傲然と言い放つ。
「この人は私のものだ。返してもらおう」
その威圧に、妓女は返答もできずに座り込む。
それから陽子はさっさと踵を返し、鋭い眼で風漢を振り返る。
「帰りますよ」
「…………お、おう」
まるで見えない縄を首にかけているかのように、毅然と情人を連れ帰るその見事な手際はまるでうら若き女王のようだった――というのが、その夜から熊猫大人の十八番の与太話になったのだった。
<後でこってり絞られなさいませ殿・了>
麗しき名月を他所に、酒池肉林の宴は天井知らずの盛り上がりをみせていた。
そこかしこであがる嬌声。幾度も沸く馬鹿笑い。調子外れの二胡は気まぐれに鳴き、いくら出しても足りぬ酒肴を数多の下女がせっせと運び入れる。
目が窪んでいるうえにでっぷりと太っているため、熊猫大人と呼ばれる豪商は派手好き酒好き女好きとして有名で、花街で金に糸目を付けぬ宴をしばしば開くお大尽であったが――残念ながらその蓄財に見合う気品は身についていなかった。
今も、白絹の目隠しをして、きゃあきゃあ騒いで逃げる妓女たちを追いかけては抱きついている。酔客や太鼓持ちが競い合って持ち上げるものだから、酔って赤らんだ顔をさらに紅潮させてすっかりご満悦だ。
「あのぉ……すみません……こんなところに連れて来て……」
父とは似ても似つかぬ、神経質なモヤシのごとき御曹司が今宵の稀客に頭を下げた。
「いや、顔を上げてくれ。タダで酒が飲めるのだから文句など言うものか」
風漢と名乗る美丈夫はからりと笑い、わらわらと寄ってきた妓女たちを侍らせたまま、泰然と杯を呷った。
彼はガラの悪い連中に絡まれていた御曹司を助けた通りすがりの男だが、本物の御曹司よりよほど場慣れしていて貫禄すら感じられた。
「おぬしは飲まんのか」
「いえ僕は……こういう場が苦手で」
御曹司は俯き、その細い指で一向に減らない酒杯を弄んだ。
「いい成丁が、酒にも女にも及び腰なんて情けない限りですよね……」
「気にするな。そんなもの、人それぞれだろう」
やけに紅の鮮やかな女が風漢にしなだれかかり、彼の耳元でなにやら囁く。そして鷹揚にあしらわれたのを拗ね、その逞しい腕をとって豊かな谷間に沈めた。反対側の女は彼の腿にそっと手を置き、厚い胸に頬を擦り寄せて潤んだ瞳を向けている。
それらの嬌態に、風漢本人でなく御曹司の方が赤面して目を泳がせた。(やはりいたたまれない……)
「ぼ、僕はもう帰りますので、風漢殿はどうぞ楽しんでください」
形ばかりの礼を残し、御曹司はそそくさと立ち上がって戸口を目指す。
が、運悪く父に見つかってしまった。雷のような怒声がその背に刺さる。
「こら征吾!もう帰る気か?!宴はこれからだぞ!!」
お大尽の一喝に、その場がシンと静まり返る。
細身の御曹司はビクリと竦みあがり……恐る恐る父を振り返る。その顔は青ざめ、子供のように震えていた。
すると。
「違いますよぉ旦那ぁ」
ほぼ素面のはずの風漢が、へらりと笑って立ち上がった。先程の貫禄はどこへやら、口調から丸めた背中までまるで下郎である。
「坊ちゃんはあっしの余興を手伝ってくださるところでさぁ」
「余興だと?」
誰だこいつ。胡乱な目で睨み据える熊猫大人の前で、風漢は妓女の披巾をするりと拝借し、頭から被って女舞を披露し始めた。
流行りの替え歌を吟じ、わざと無様なシナを作って笑いを誘う。案の定、酔客どもはどっと哄笑し、やんやと囃して手拍子を打ちだした。
「上手いな兄ちゃん!」
「あら悔しい」
勝気な妓女が風漢と並んで踊りだし、二胡が己の仕事を思い出したように歌いだす。いつの間にか熊猫大人も機嫌を直して手を打っており、宴は再び火が付いたように騒がしくなった。
……ただ一人、戸口の前でぽつんと立ち尽くす御曹司を残して。
風漢は舞いながらひとつ息を吐き、御曹司へ目線を遣って、こっそり顎をしゃくった。
――今のうちに帰れ。
それで御曹司はようやく我に返ったようで、律儀に深くお辞儀して扉の向こうへ消えたのだった。
……こうして帰路に就いた御曹司が今度はスリの被害に遭い、これまた通りすがりの紅髪の美少年に取り返してもらうまで、あと少し。
さて舞台は再び、乱痴気騒ぎの客堂へ戻る。
風漢と妓女の舞勝負は他の客も煽ったようで、お調子者たちが我も我もと踊りだし、宴はもはや無礼講の大騒ぎとなっていた。
風漢としては、気が済んだらいつでも抜ければいいかという程度で適当に踊り続けていたのだが、やがて隣で舞う妓女がわかりやすく秋波を送ってくるのに気が付いた。
下心が透けて見える媚びではなく、こちらの度量を試すような挑発的な誘惑は嫌いではない。口の端を上げてみせれば、妓女の紅唇も綺麗な弧を描いた。
視線が絡み、裾や披巾が触れ、手が伸び、それぞれ舞い踊りながら距離を詰めてゆく。
足がもつれたふりで倒れ掛かってきた女を片腕で抱き留めたとき、女は大胆にも風漢の頬に口づけを落とし、それで――
バタン!!!
そのときである。
御曹司が出て行った扉が再び開いた。
遠い月と頭上の提灯を背負って現れたのは、燃えるような紅髪の美少年……いや男装の佳人だ。
風漢が一切の動きを止める。(ヤバイ!)
紅髪の彼女は乱れきった堂内をぐるりと見渡し、ほぼ中央にて妓女と抱き合っている風漢を発見してスッと翠瞳を細めた。そのまま、凍てついた視線を風漢に定めつつ、無表情でつかつかと歩み寄ってくる。
「よ、陽子……」
風漢は喉から絞り出すようにその名を呼び、妓女を放して背後へ匿った。
「待て陽子。これには訳が――」
無駄を知りつつ説得を試みる風漢に対し、陽子は彼の襟を力任せに掴み寄せ――
一言も発さず、その唇を奪った。
深く口づけてから放り出し、後ろの妓女に傲然と言い放つ。
「この人は私のものだ。返してもらおう」
その威圧に、妓女は返答もできずに座り込む。
それから陽子はさっさと踵を返し、鋭い眼で風漢を振り返る。
「帰りますよ」
「…………お、おう」
まるで見えない縄を首にかけているかのように、毅然と情人を連れ帰るその見事な手際はまるでうら若き女王のようだった――というのが、その夜から熊猫大人の十八番の与太話になったのだった。
<後でこってり絞られなさいませ殿・了>
よっ、漢前!
未生(管理人)
2021/10/09(Sat) 00:59 No.57


饒筆さん、2作目をありがとうございます!
酒池肉林の大宴会、風漢なかの方はやはり飄々としていてよい感じでございますね~。窮地の生真面目御曹司を助ける手腕も流石! でもやはり陽子主上には弱いご様子……笑。
迎えに来てもらえるうちが花ですよ。漢前の伴侶にキツイお灸を据えられて反省なさいね~。
楽しいお話をありがとうございました!
酒池肉林の大宴会、風漢なかの方はやはり飄々としていてよい感じでございますね~。窮地の生真面目御曹司を助ける手腕も流石! でもやはり陽子主上には弱いご様子……笑。
迎えに来てもらえるうちが花ですよ。漢前の伴侶にキツイお灸を据えられて反省なさいね~。
楽しいお話をありがとうございました!
わぁ
senju
2021/10/09(Sat) 01:24 No.59


饒筆さま
思わずふふって笑ってしまいました。殿がかわいい。
キュートに叱る?拗ねる?陽子さんの姿も見てみたいですね。
で、深海からずるずると釣りだされてきましたのは。
せっかくのお祭り中ずっとどスランプのまま浮上できず、やっと昨日から描き出したのが、まさに「殿の襟をつかみ寄せる陽子さん」だったもので(・・何故。。
間に合わないだろう自分の不甲斐なさに膝を折っておりまするが、このお話を読んで満足しちゃったりもしています。
・・・なんて、未生さま頂くばかりでごめんなさい。。。あとで必ずお届けに上がります。
思わずふふって笑ってしまいました。殿がかわいい。
キュートに叱る?拗ねる?陽子さんの姿も見てみたいですね。
で、深海からずるずると釣りだされてきましたのは。
せっかくのお祭り中ずっとどスランプのまま浮上できず、やっと昨日から描き出したのが、まさに「殿の襟をつかみ寄せる陽子さん」だったもので(・・何故。。
間に合わないだろう自分の不甲斐なさに膝を折っておりまするが、このお話を読んで満足しちゃったりもしています。
・・・なんて、未生さま頂くばかりでごめんなさい。。。あとで必ずお届けに上がります。
ス・テ・キ
陽子さんの連れ戻しっぷりに黄色い声を上げました!拙作ではちょっと大人し過ぎたかと悶々としていたので、これでスッキリしました。さぁ、帰ったら景麒のお小言だぁ(笑) でも、陽子を怒らせましたが、風漢と美女の妖艶な舞の描写が素敵で見てみたいです。
それにしても一晩で二人の王に助けてもらった御曹司は、相当に強い運に恵まれてますね。
スリリングで爽快なお話、楽しませて頂きました! (senjuさんの絵も楽しみにしてます ^^v)
それにしても一晩で二人の王に助けてもらった御曹司は、相当に強い運に恵まれてますね。
スリリングで爽快なお話、楽しませて頂きました! (senjuさんの絵も楽しみにしてます ^^v)
惚れますわ陽子主上!
文茶
2021/10/09(Sat) 22:27 No.62


私の脳内で殿と妓女が踊っているバックに何故かオクラホマミキサーがガンガン流れているのですが(そんなに人数いないだろう⁉︎;)それはさておき。
くる……くるぞ……闘魂注入ビンタ!(違)と思ってたらまぁ♡陽子さんたら漢前♡
さすが機転の利いた振る舞いお見事、と感服していたのですが詰めが甘かったですな、風漢殿。この後数日は陽子さんに対して敬語だったりして(笑)
ハラハラドキドキなお話、とっても楽しく読ませていただきました!
くる……くるぞ……闘魂注入ビンタ!(違)と思ってたらまぁ♡陽子さんたら漢前♡
さすが機転の利いた振る舞いお見事、と感服していたのですが詰めが甘かったですな、風漢殿。この後数日は陽子さんに対して敬語だったりして(笑)
ハラハラドキドキなお話、とっても楽しく読ませていただきました!
楽しいコメントをありがとうございます!
>未生さま
迎えに来てもらえるうちが花……おお、深いお言葉ですね。
拙宅の殿に言い聞かせておきます(笑)
未生さまが素敵なお祭りを開催してくださったから思いついたお話なので、本当に感謝しかありません。
楽しんでいただけて良かった~ありがとうございます!!
>senjuさま
拙宅の殿はちょいとダメなところもある御仁なので、遠慮なく笑ってくださいませ~。
陽子さんは相当おかんむりですが、まあ外野の我々から言ってしまえば痴話喧嘩ですよね~っ!(あはは)
おお、まるでテレパシーが通じたかのような「殿の襟をつかみ寄せる陽子さん」もぜひ拝見したいです。とにかく漢前な陽子さんが大好きなので!
満足していただけて良かったです♪
>ネムさま
わ~、スッキリ&楽しんでいただけて良かった!
妓女と風漢の絡みの辺り、イメージはアルゼンチンタンゴです。あの妖艶で丁々発止のオトナの作法、憧れますよね~っ。私も特等席でじっくり拝見したいです(笑)
御曹司の運は……いいのか悪いのかわかりませんね。少なくとも風漢を探していた陽子さんが御曹司に出会ったのは王様特有のラッキーかも……がんばれ御曹司!強く生きて!
いつも嬉しいコメントをありがとうございます。
>文茶さま
お、オクラホマミキサー!(あはは!)なんて健全な酒池肉林!!(ぶっくっく)
あと、「この後数日は敬語」に声を出して笑ってしまいました。ありよりのありありですね!!
尚隆「なあ陽子……じゃなかった、ええっと陽子サーン、そろそろこっち向いてもらえませんか?」
陽子(ツーン!)
六太(膝をたたいて爆笑)「自業自得だな!」(笑いすぎて涙目)
たぶん朱衡さんも、笑いをこらえ切れなくて壁を向いて震えてます(爆)
面白すぎて妄想が捗るコメントをありがとうございました!!
迎えに来てもらえるうちが花……おお、深いお言葉ですね。
拙宅の殿に言い聞かせておきます(笑)
未生さまが素敵なお祭りを開催してくださったから思いついたお話なので、本当に感謝しかありません。
楽しんでいただけて良かった~ありがとうございます!!
>senjuさま
拙宅の殿はちょいとダメなところもある御仁なので、遠慮なく笑ってくださいませ~。
陽子さんは相当おかんむりですが、まあ外野の我々から言ってしまえば痴話喧嘩ですよね~っ!(あはは)
おお、まるでテレパシーが通じたかのような「殿の襟をつかみ寄せる陽子さん」もぜひ拝見したいです。とにかく漢前な陽子さんが大好きなので!
満足していただけて良かったです♪
>ネムさま
わ~、スッキリ&楽しんでいただけて良かった!
妓女と風漢の絡みの辺り、イメージはアルゼンチンタンゴです。あの妖艶で丁々発止のオトナの作法、憧れますよね~っ。私も特等席でじっくり拝見したいです(笑)
御曹司の運は……いいのか悪いのかわかりませんね。少なくとも風漢を探していた陽子さんが御曹司に出会ったのは王様特有のラッキーかも……がんばれ御曹司!強く生きて!
いつも嬉しいコメントをありがとうございます。
>文茶さま
お、オクラホマミキサー!(あはは!)なんて健全な酒池肉林!!(ぶっくっく)
あと、「この後数日は敬語」に声を出して笑ってしまいました。ありよりのありありですね!!
尚隆「なあ陽子……じゃなかった、ええっと陽子サーン、そろそろこっち向いてもらえませんか?」
陽子(ツーン!)
六太(膝をたたいて爆笑)「自業自得だな!」(笑いすぎて涙目)
たぶん朱衡さんも、笑いをこらえ切れなくて壁を向いて震えてます(爆)
面白すぎて妄想が捗るコメントをありがとうございました!!
祭延長のお知らせ
皆さま、こんばんは。いつも拍手をありがとうございます。
本日の北の国、最低気温は12.6℃、最高気温は22.2℃と名残の夏が続いております。未だ半袖を着られるなんて北の国はどうなってしまったのでしょう。皆さまがお住まいの地域は如何でしょうか。
さて、毎回期間が延長される周年祭、今回もやはり延長でございます。ご投稿の締切は10/9(土)、ご感想及び挨拶等は、翌日10/10(日)、管理人が締めの挨拶をするまでといたします。
描きかけ書きかけの尚陽をお持ちのあなた! 仕上げて祭に恵んでくださいませ。管理人とともに最後まで足掻きましょう。あなたの素敵な尚陽をお待ち申し上げております。
本日の北の国、最低気温は12.6℃、最高気温は22.2℃と名残の夏が続いております。未だ半袖を着られるなんて北の国はどうなってしまったのでしょう。皆さまがお住まいの地域は如何でしょうか。
さて、毎回期間が延長される周年祭、今回もやはり延長でございます。ご投稿の締切は10/9(土)、ご感想及び挨拶等は、翌日10/10(日)、管理人が締めの挨拶をするまでといたします。
描きかけ書きかけの尚陽をお持ちのあなた! 仕上げて祭に恵んでくださいませ。管理人とともに最後まで足掻きましょう。あなたの素敵な尚陽をお待ち申し上げております。
連鎖妄想です
No.29 ネムさんの作品にて、私の質問に返していただいたコメントより連鎖妄想です。(ネムさん、ありがとうございます♪ 素敵なシーンが描けないのでドタバタな場面になってしまいました;)
もしも氾麟がその場にいたらバージョンです(笑)
あと蠱蛻衫って何色なんでしょうね? シースルーっぽいとは思うんですけど。(自分好みに描いてしまいましたが^^;)
登場人物 尚隆・陽子・氾麟・六太
作品傾向 人の物は大切に扱いましょう
タイトル 「皺だらけのわけ」
もしも氾麟がその場にいたらバージョンです(笑)
あと蠱蛻衫って何色なんでしょうね? シースルーっぽいとは思うんですけど。(自分好みに描いてしまいましたが^^;)
登場人物 尚隆・陽子・氾麟・六太
作品傾向 人の物は大切に扱いましょう
タイトル 「皺だらけのわけ」
確かに怒るね(爆)
あのコメントから、こんな楽しい場面が見られるとは… 陽子の「う~」と焦る尚隆が可愛い過ぎて、爆笑してしまいました。後ろの氾麟と六太がいい味出してます(笑)
私も蠱蛻衫は透けていると想像してます。衣服系の宝重のクリーニングって蓬山でしてくれるのでしょうか?
ステキな連鎖妄想をありがとうございました!
私も蠱蛻衫は透けていると想像してます。衣服系の宝重のクリーニングって蓬山でしてくれるのでしょうか?
ステキな連鎖妄想をありがとうございました!
笑笑笑
未生(管理人)
2021/09/23(Thu) 22:39 No.49


文茶さん、2作目をありがとうございます!
いやあ、笑わせていただきました! 焦ったかの方が普通に使ってしまうのは納得でございます。そりゃあ氾麟大激怒でございますね笑。
私も蠱蛻衫はシースルーかなと思います。
ネムさん、先れすありがとうございました~。
いやあ、笑わせていただきました! 焦ったかの方が普通に使ってしまうのは納得でございます。そりゃあ氾麟大激怒でございますね笑。
私も蠱蛻衫はシースルーかなと思います。
ネムさん、先れすありがとうございました~。
もしかして付加価値つきます?
コメント&素敵なワンシーンを拝見したとき、私の中の氾王サマは
「おや。女王の嬉し涙で染まったのかえ?なら、幸を呼びそうじゃ。そのままで良かろう」
などとおっしゃいました……もしかして付加価値が付くんじゃ?!
だからそんなに怒らないで梨雪ちゃん!
ちなみに、私が一番愉快に感じたのは、陽子さんが泣く理由も自分が一体何でその涙を拭っているのかもよくわかっていない天然すぎる殿です。「??」が可愛すぎる(あはは!)
さらに妄想捗る楽しい一コマをありがとうございました!
「おや。女王の嬉し涙で染まったのかえ?なら、幸を呼びそうじゃ。そのままで良かろう」
などとおっしゃいました……もしかして付加価値が付くんじゃ?!
だからそんなに怒らないで梨雪ちゃん!
ちなみに、私が一番愉快に感じたのは、陽子さんが泣く理由も自分が一体何でその涙を拭っているのかもよくわかっていない天然すぎる殿です。「??」が可愛すぎる(あはは!)
さらに妄想捗る楽しい一コマをありがとうございました!
ありがとうございます!
文茶
2021/09/24(Fri) 23:44 No.52


>ネムさま
コメントをいただいてからブワーッとこの場面が浮かんできまして。尚隆、最初はそっと拭いていたんでしょうけど最後は結構丸めてますよね(笑)
宝重のクリーニング! 普通に洗えるものなんでしょうか⁉︎ もし国で管理しなきゃいけないんたったら誰彼触らせるわけにはいかないので、氾さまが直々に手洗いとか(笑)
>未生さま
尚隆はもうとにかく拭くものを!って感じなんでしょうね(笑) 陽子さんの涙に焦る貴重な姿を柱の陰から見たかった(//∇//)
やはり皆さん蠱蛻衫は透け感ありと見てらっしゃいますね! シースルーだけど程よいハリがあるのでは⁉︎と思っています。宝重ゆえに色んな面白い設定がありそうですね^ ^
>饒筆さま
つきます付加価値! 確かに氾麟が怒っているのは陽子さんの涙を拭いたからじゃなく、皺くちゃにしたからですよね。(ネムさんのお話では拗ねてただけなのに私が怒らせ過ぎました。ごめんよ〜笑) 氾さまも使用目的はよしとするも、扱いに一言ありそう(笑)
尚隆は巻き込まれた上になんか怒られてるという大層不憫なことになってますが、これから幸せがやってくるので許してくだされ〜。
コメントありがとうございました!
コメントをいただいてからブワーッとこの場面が浮かんできまして。尚隆、最初はそっと拭いていたんでしょうけど最後は結構丸めてますよね(笑)
宝重のクリーニング! 普通に洗えるものなんでしょうか⁉︎ もし国で管理しなきゃいけないんたったら誰彼触らせるわけにはいかないので、氾さまが直々に手洗いとか(笑)
>未生さま
尚隆はもうとにかく拭くものを!って感じなんでしょうね(笑) 陽子さんの涙に焦る貴重な姿を柱の陰から見たかった(//∇//)
やはり皆さん蠱蛻衫は透け感ありと見てらっしゃいますね! シースルーだけど程よいハリがあるのでは⁉︎と思っています。宝重ゆえに色んな面白い設定がありそうですね^ ^
>饒筆さま
つきます付加価値! 確かに氾麟が怒っているのは陽子さんの涙を拭いたからじゃなく、皺くちゃにしたからですよね。(ネムさんのお話では拗ねてただけなのに私が怒らせ過ぎました。ごめんよ〜笑) 氾さまも使用目的はよしとするも、扱いに一言ありそう(笑)
尚隆は巻き込まれた上になんか怒られてるという大層不憫なことになってますが、これから幸せがやってくるので許してくだされ〜。
コメントありがとうございました!
埋めました
尚隆がちょっとマリッジ・ブルーです。
最後に埋めてくれたのは、あの人です。
登場人物:尚隆 利広 景麒 櫨家の皆様
作品傾向:とにかくハッピーエンド!
文字数 :2737文字
最後に埋めてくれたのは、あの人です。
登場人物:尚隆 利広 景麒 櫨家の皆様
作品傾向:とにかくハッピーエンド!
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Re: 埋めました
外堀を埋める ― 逃走と乾杯 ―
大陸の最南端にある、六百年の治政を誇る大国・奏。首都・隆洽は水の都として名高く、市街に張り巡らされた水路には、大小数多の舟が魚の群れのように行き交う。今は 晩春の遅い黄昏が街を覆い始め、水面には堀沿いの建物や舟の灯りが映り揺らめいている。
堀に面した一等豪華な舎館の最上階。隆洽自慢の夜景を一人の男が見るともなしに見つめている。
「へぇ、今日はまともな宿に泊まっているんだね」
いつの間にか開けられた部屋の扉に目を向けることなく、男―尚隆が不機嫌そうに言う。
「何故お前が地元(ここ)にいるんだ」
「恭に寄ったら、蓬山から各国へお達しがあると聞いて、慌てて帰ってきたんだ」
利広はそう言うと、さっさと榻に座り卓子の上の酒肴へ手を伸ばす。
「しかし驚いたね。わざわざ玄君から青鳥で“王と王の婚姻については、双方の国同士が互いの国政に干渉しない旨約定を交わせば問題としない”なんて連絡が来るなんて、前代未聞だろう。どういう方法を使ったんだい」
「驍宗が本当に蓬山へ李斎を遣るとは思わなかった…」
あの一途な女将軍が恩人の為と、蓬山でどれ程の熱弁を振るったか、想像もしたくない。
「まぁ前からおかしいとは思っていたんだ。奏の真珠や珊瑚、戴の玉と金銀、漣の香木、更に恭の木材や羊毛、才の絹に舜の硯石も高級品ばかりが範へと流れている。一国の王の贅沢にしては規模が違うと思ったら、二国じゃあ、ね」
「藍滌の奴、他人の家の金だと思って~」
巨額の請求書と一緒に送られてきた衣装案の数の多さに固まったのは、つい先日の事である。
「しかし、雁の官僚は当然として、慶の冢宰は本当に優秀だね。百もある約定項目を全て完璧に、しかも大国・雁と対等の立場で作ったって言うじゃないか。清漢宮(うち)の秋官達が写しを読んで感動のあまり泣いていたよ」
「浩瀚め。楽俊を貸してくれと言ってきたのは、この為だったのか」
常世中の法令・条例を網羅した完璧な約定を手にした楽俊が、鼠姿のまま、少し申し訳なさそうに小首を傾げて立つ様を見ると、さすがに尚隆も怒鳴ることが出来なかった。そして、双方不可侵と言いながら、しっかり裏で雁の三公から援助を取り付けた浩瀚と遠甫については、最早天晴れと言うしかない。
「…で、すっかり外堀を埋められた延王は、臍を曲げて逃走中、てことか」
揶揄い含みの声に、尚隆は眉根を寄せる。
「あのな、常識として考えてみろ。五百歳の爺ぃと十代の娘の婚姻だぞ。しかも方や大国、片や百年続かない王朝ばかりの小国。他国どころか、自国内でもどう言われるか」
「君の口から常識って言葉が出るとはねぇ。でも自分の立ち位置は分かっているね」
「当り前だろう。下手をすれば共倒れだ」
「そんな騒ぎの中、君は逃げて、彼女はどこにいるんだい」
尚隆は黙り込んだ。脳裏には、一人宮中で仕事に向かっている生真面目な少女の姿が浮かぶ。身分に疎く幼くさえ見えるが、自分の肩に掛かっている責任を決して忘れない彼女が、思わず叶った自分の願いにただ浮かれていることは、決してないはずだ。
それでも思わず逃げを打ってしまう。
「あいつは…そんなに軟(やわ)じゃない」
それは突然、足元から沸いて出た。
「いい加減にしてください!!」
先程から気配は感じていたが、宗麟が利広に付けた使令だと思っていた。だから突如出てきた金色の獣を見て、尚隆は文字通りひっくり返った。
「景麒か?」
「先程から黙って聞いていれば、何を今更ぐだぐだと」
怒りで瞳が紫水晶の如く燃え上がっている麒麟が、尚隆に伸し掛かりそうに近づくのを見つつ、利広はのんびりと告げる。
「午頃清漢宮に見えたんだ。私が君を探しに行こうとしたら付いて来られると仰って。でも獣形のままだったから、遁甲してもらってたんだ」
「景麒。お前は反対だったんじゃあ…」
「もちろん反対です!」
床に座り込んでいる尚隆へ鼻息がかかる勢いで、景麒は言い切る。
「寄りによってこんな、放浪癖はある、妓楼へは出入りする、酒癖が悪い、言ってることは出鱈目で、自分の国の官吏にまで怒られて―――」
利広が“景台輔って、結構しゃべれるんだなぁ”と感心している間も、景麒は反対理由を延々と述べていたが、ついに溜まりかねて尚隆が片手を上げた。
「それ程反対なら、今の言葉を玄英宮と金波宮の連中の前で、もう一度言ってくれ。そうすれば…」
「主上が貴方を好きだと言っておられるんです!!」
瞠目する二人の男の前で、美しい金色の獣が長い首を力なく落とした。
「前の…予王にも言いました。貴女は王なのだから、ご自分の恋よりも民を、国のことを想ってほしいと。でも止められない、とあの方は言って…結局蓬山へ行ってしまわれた。
私は応えられなかった。でも…貴方はまだ…せめて貴方は…」
尚隆が思わず景麒に触れようとすると、金色の鬣を強く振って拒絶する。それでも尚隆は彼を見上げていたが、やがて立ち上がり言った。
「金波宮へ行く。景麒、乗せて行ってくれ」
「私に騎獣の真似事をせよと?」
眦を吊り上げる景麒に、尚隆が苦笑する。
「この世で一番速いのは麒麟だろう。婚姻の儀式が始まる前に戻りたい。
俺は― 周囲が騒ぎ立てて ここまで来たが、まだ俺の口から直接あいつに求婚していないんだ」
紫水晶の光が僅かに緩んだ。そして小さな溜息が漏れた。
「…いたしましょう」
景麒の背に乗った尚隆は振り返り、利広に言った。
「厩舎にいる俺の騶虞を頼む。宗王には―」
それ以上言わせず、利広は早く行けと手を振る。麒麟の背に乗った男は、数百年の付き合いの中で一度も見せたことのない、温かな笑みを残して去って行った。
利広が清漢宮に戻ると、宗麟・昭彰が駆け寄ってきた。
「景台輔はどうされました」
「心配ないよ。延王を乗せて慶に帰った」
昭彰がほぉっと息を吐くと、その後ろから文姫が手を叩いた。
「では、いよいよなのね!世界中の王と麒麟が集まる婚姻の宴なんて初めてよ、何を着て行こうかしら」
「駄目だよ、文姫。こういう時出席するのは、王と王后、そして台輔と決まっている。我々は留守番だ」
利達の言葉に、文姫は盛大な抗議の声を上げる。二人の言い合いをよそに、明嬉は利広に問いかけた。
「でも大丈夫なのかい。王同士の婚姻なんて、今まで一度もなかったんだろう」
「う~ん、無いなぁ。でも…」
「あのお二人なら大丈夫 ― そう思えるのだろう」
振り向くと先新が笑っている。
「泰台輔捜索の時もそうだったが、あのお二人が揃うと、世界中が動くような気がしてくる。それが奏にとって良いか悪いか― 良い方へ転ばすのは我々の仕事だろう」
ゆったりと微笑む宗王に、昭彰を含む一家全員が頷き返す。
利広は卓子の酒杯を手に取り、窓の外へ向かってそっと上げる。夜空に一瞬金色の光が瞬いた。
外堀を埋める ― 逃走と乾杯 ―
大陸の最南端にある、六百年の治政を誇る大国・奏。首都・隆洽は水の都として名高く、市街に張り巡らされた水路には、大小数多の舟が魚の群れのように行き交う。今は 晩春の遅い黄昏が街を覆い始め、水面には堀沿いの建物や舟の灯りが映り揺らめいている。
堀に面した一等豪華な舎館の最上階。隆洽自慢の夜景を一人の男が見るともなしに見つめている。
「へぇ、今日はまともな宿に泊まっているんだね」
いつの間にか開けられた部屋の扉に目を向けることなく、男―尚隆が不機嫌そうに言う。
「何故お前が地元(ここ)にいるんだ」
「恭に寄ったら、蓬山から各国へお達しがあると聞いて、慌てて帰ってきたんだ」
利広はそう言うと、さっさと榻に座り卓子の上の酒肴へ手を伸ばす。
「しかし驚いたね。わざわざ玄君から青鳥で“王と王の婚姻については、双方の国同士が互いの国政に干渉しない旨約定を交わせば問題としない”なんて連絡が来るなんて、前代未聞だろう。どういう方法を使ったんだい」
「驍宗が本当に蓬山へ李斎を遣るとは思わなかった…」
あの一途な女将軍が恩人の為と、蓬山でどれ程の熱弁を振るったか、想像もしたくない。
「まぁ前からおかしいとは思っていたんだ。奏の真珠や珊瑚、戴の玉と金銀、漣の香木、更に恭の木材や羊毛、才の絹に舜の硯石も高級品ばかりが範へと流れている。一国の王の贅沢にしては規模が違うと思ったら、二国じゃあ、ね」
「藍滌の奴、他人の家の金だと思って~」
巨額の請求書と一緒に送られてきた衣装案の数の多さに固まったのは、つい先日の事である。
「しかし、雁の官僚は当然として、慶の冢宰は本当に優秀だね。百もある約定項目を全て完璧に、しかも大国・雁と対等の立場で作ったって言うじゃないか。清漢宮(うち)の秋官達が写しを読んで感動のあまり泣いていたよ」
「浩瀚め。楽俊を貸してくれと言ってきたのは、この為だったのか」
常世中の法令・条例を網羅した完璧な約定を手にした楽俊が、鼠姿のまま、少し申し訳なさそうに小首を傾げて立つ様を見ると、さすがに尚隆も怒鳴ることが出来なかった。そして、双方不可侵と言いながら、しっかり裏で雁の三公から援助を取り付けた浩瀚と遠甫については、最早天晴れと言うしかない。
「…で、すっかり外堀を埋められた延王は、臍を曲げて逃走中、てことか」
揶揄い含みの声に、尚隆は眉根を寄せる。
「あのな、常識として考えてみろ。五百歳の爺ぃと十代の娘の婚姻だぞ。しかも方や大国、片や百年続かない王朝ばかりの小国。他国どころか、自国内でもどう言われるか」
「君の口から常識って言葉が出るとはねぇ。でも自分の立ち位置は分かっているね」
「当り前だろう。下手をすれば共倒れだ」
「そんな騒ぎの中、君は逃げて、彼女はどこにいるんだい」
尚隆は黙り込んだ。脳裏には、一人宮中で仕事に向かっている生真面目な少女の姿が浮かぶ。身分に疎く幼くさえ見えるが、自分の肩に掛かっている責任を決して忘れない彼女が、思わず叶った自分の願いにただ浮かれていることは、決してないはずだ。
それでも思わず逃げを打ってしまう。
「あいつは…そんなに軟(やわ)じゃない」
それは突然、足元から沸いて出た。
「いい加減にしてください!!」
先程から気配は感じていたが、宗麟が利広に付けた使令だと思っていた。だから突如出てきた金色の獣を見て、尚隆は文字通りひっくり返った。
「景麒か?」
「先程から黙って聞いていれば、何を今更ぐだぐだと」
怒りで瞳が紫水晶の如く燃え上がっている麒麟が、尚隆に伸し掛かりそうに近づくのを見つつ、利広はのんびりと告げる。
「午頃清漢宮に見えたんだ。私が君を探しに行こうとしたら付いて来られると仰って。でも獣形のままだったから、遁甲してもらってたんだ」
「景麒。お前は反対だったんじゃあ…」
「もちろん反対です!」
床に座り込んでいる尚隆へ鼻息がかかる勢いで、景麒は言い切る。
「寄りによってこんな、放浪癖はある、妓楼へは出入りする、酒癖が悪い、言ってることは出鱈目で、自分の国の官吏にまで怒られて―――」
利広が“景台輔って、結構しゃべれるんだなぁ”と感心している間も、景麒は反対理由を延々と述べていたが、ついに溜まりかねて尚隆が片手を上げた。
「それ程反対なら、今の言葉を玄英宮と金波宮の連中の前で、もう一度言ってくれ。そうすれば…」
「主上が貴方を好きだと言っておられるんです!!」
瞠目する二人の男の前で、美しい金色の獣が長い首を力なく落とした。
「前の…予王にも言いました。貴女は王なのだから、ご自分の恋よりも民を、国のことを想ってほしいと。でも止められない、とあの方は言って…結局蓬山へ行ってしまわれた。
私は応えられなかった。でも…貴方はまだ…せめて貴方は…」
尚隆が思わず景麒に触れようとすると、金色の鬣を強く振って拒絶する。それでも尚隆は彼を見上げていたが、やがて立ち上がり言った。
「金波宮へ行く。景麒、乗せて行ってくれ」
「私に騎獣の真似事をせよと?」
眦を吊り上げる景麒に、尚隆が苦笑する。
「この世で一番速いのは麒麟だろう。婚姻の儀式が始まる前に戻りたい。
俺は― 周囲が騒ぎ立てて ここまで来たが、まだ俺の口から直接あいつに求婚していないんだ」
紫水晶の光が僅かに緩んだ。そして小さな溜息が漏れた。
「…いたしましょう」
景麒の背に乗った尚隆は振り返り、利広に言った。
「厩舎にいる俺の騶虞を頼む。宗王には―」
それ以上言わせず、利広は早く行けと手を振る。麒麟の背に乗った男は、数百年の付き合いの中で一度も見せたことのない、温かな笑みを残して去って行った。
利広が清漢宮に戻ると、宗麟・昭彰が駆け寄ってきた。
「景台輔はどうされました」
「心配ないよ。延王を乗せて慶に帰った」
昭彰がほぉっと息を吐くと、その後ろから文姫が手を叩いた。
「では、いよいよなのね!世界中の王と麒麟が集まる婚姻の宴なんて初めてよ、何を着て行こうかしら」
「駄目だよ、文姫。こういう時出席するのは、王と王后、そして台輔と決まっている。我々は留守番だ」
利達の言葉に、文姫は盛大な抗議の声を上げる。二人の言い合いをよそに、明嬉は利広に問いかけた。
「でも大丈夫なのかい。王同士の婚姻なんて、今まで一度もなかったんだろう」
「う~ん、無いなぁ。でも…」
「あのお二人なら大丈夫 ― そう思えるのだろう」
振り向くと先新が笑っている。
「泰台輔捜索の時もそうだったが、あのお二人が揃うと、世界中が動くような気がしてくる。それが奏にとって良いか悪いか― 良い方へ転ばすのは我々の仕事だろう」
ゆったりと微笑む宗王に、昭彰を含む一家全員が頷き返す。
利広は卓子の酒杯を手に取り、窓の外へ向かってそっと上げる。夜空に一瞬金色の光が瞬いた。
ふぉ!
未生(管理人)
2021/09/21(Tue) 02:27 No.41


ネムさん、3作をありがとうございます~。
どんなふうに埋まったのかと興味津々に読み進めて悶絶いたしました!
いたしましょう! いたしましょうが出たー!
層から慶へ行く道程を考えると、かの方はずっと景麒からお小言を食らうのでしょうね~。変な笑いが込み上げてまいりましたよ!
盧家の皆さまの会話も楽しゅうございました~。
どんなふうに埋まったのかと興味津々に読み進めて悶絶いたしました!
いたしましょう! いたしましょうが出たー!
層から慶へ行く道程を考えると、かの方はずっと景麒からお小言を食らうのでしょうね~。変な笑いが込み上げてまいりましたよ!
盧家の皆さまの会話も楽しゅうございました~。
がっちりと
文茶
2021/09/22(Wed) 19:15 No.45


ついに外堀が埋まりましたね♪
未生さんがおっしゃるように、慶への道中景麒のお説教祭りなんだろうなぁ。少しでも反論しようものなら「だまらっしゃい!」と怒号が飛んで来そう;
氾さま、お式の準備めっちゃ楽しんでやってますよね!(人の金でやりたい事を存分にやれるなんて羨ましい 笑)
そして驍宗さま&李斎さん、グッジョブ!
宗王はさすが懐が深い。安心感半端ない十二国のお父さんですよね〜^ ^
三部作、大変楽しませていただきました!
未生さんがおっしゃるように、慶への道中景麒のお説教祭りなんだろうなぁ。少しでも反論しようものなら「だまらっしゃい!」と怒号が飛んで来そう;
氾さま、お式の準備めっちゃ楽しんでやってますよね!(人の金でやりたい事を存分にやれるなんて羨ましい 笑)
そして驍宗さま&李斎さん、グッジョブ!
宗王はさすが懐が深い。安心感半端ない十二国のお父さんですよね〜^ ^
三部作、大変楽しませていただきました!
ありがとうございます!
コメントが遅くなりすみませんでした。(1か月で3作書いたの初めてだったので、ちょっと虚脱状態でした)
未生さん> 何かやたら周囲だけが賑やかでしたが、お楽しみ頂けたでしょうか? はい、景麒のセリフは「風の万里…」のあそこの場面そのままです。ここでは彼の役割は小姑みたいですね。結婚式後も雁の三人と一緒に尚隆へ小言を言い続けるような気がします。がんばれ尚隆(笑) 櫨一家のシーンはスルスル書けました。やはり安定感が常世一です(^^v)
文茶さん> あ~確かに景麒は言いそうですね~。麒麟の仁って何でしょう(笑) 氾様は手を抜きませんからね~。お色直しは何回でしょう(笑) 戴からは王と麒麟と王后枠(!)の三人で出席です ^^v
楽しいコメント、ありがとうございました。
未生さん> 何かやたら周囲だけが賑やかでしたが、お楽しみ頂けたでしょうか? はい、景麒のセリフは「風の万里…」のあそこの場面そのままです。ここでは彼の役割は小姑みたいですね。結婚式後も雁の三人と一緒に尚隆へ小言を言い続けるような気がします。がんばれ尚隆(笑) 櫨一家のシーンはスルスル書けました。やはり安定感が常世一です(^^v)
文茶さん> あ~確かに景麒は言いそうですね~。麒麟の仁って何でしょう(笑) 氾様は手を抜きませんからね~。お色直しは何回でしょう(笑) 戴からは王と麒麟と王后枠(!)の三人で出席です ^^v
楽しいコメント、ありがとうございました。
お見事!!
なんと!当事者を置いて(笑)外堀から埋まってくれるとは!
うん、殿がヘソを曲げちゃう気持ちもわかる……けれど、プロポーズは一刻も早くしましょうねっ。陽子さん、たまにネガティブ思考にハマるときがあるから、すっごく不安になっているかもしれないよっ(急げ景麒!)
ちなみに、無事お式が執り行われた暁には、花嫁のブーケトスは一番の功労者である李斎姐さんにお願います(あれ?常世風の結婚式にブーケトスってあるのかな??)
何気なく楽俊&慶東国冢宰閣下が裏方として活躍なさっていたことが嬉しかったです♪
ハッピー満載の大団円をありがとうございました!
うん、殿がヘソを曲げちゃう気持ちもわかる……けれど、プロポーズは一刻も早くしましょうねっ。陽子さん、たまにネガティブ思考にハマるときがあるから、すっごく不安になっているかもしれないよっ(急げ景麒!)
ちなみに、無事お式が執り行われた暁には、花嫁のブーケトスは一番の功労者である李斎姐さんにお願います(あれ?常世風の結婚式にブーケトスってあるのかな??)
何気なく楽俊&慶東国冢宰閣下が裏方として活躍なさっていたことが嬉しかったです♪
ハッピー満載の大団円をありがとうございました!
ありがとうございました!
饒筆さん> コメントを頂きながら返事が遅れて申し訳ありません(まだ虚脱状態)
あ~確かに、陽子が落ち込む前には尚隆に求婚してもらわなければ。でも猛スピードの麒麟に乗っていたら、着いてもすぐに話せるか心配です(^^;) 堀埋め要員にはやっぱり慶国の冢宰閣下は必要です!遠甫も楽しんでいたと思いますよ。楽俊をスカウトしたのは、今回のミッションには彼の知性と外見(もふもふ)が重要だ、とか。そしてブーケトス!李斎は何も知らず景王から下賜された品物として大切に仕舞い込み、泰麒をやきもきさせるでしょう(笑)
また妄想が広がるコメントをありがとうございました!
あ~確かに、陽子が落ち込む前には尚隆に求婚してもらわなければ。でも猛スピードの麒麟に乗っていたら、着いてもすぐに話せるか心配です(^^;) 堀埋め要員にはやっぱり慶国の冢宰閣下は必要です!遠甫も楽しんでいたと思いますよ。楽俊をスカウトしたのは、今回のミッションには彼の知性と外見(もふもふ)が重要だ、とか。そしてブーケトス!李斎は何も知らず景王から下賜された品物として大切に仕舞い込み、泰麒をやきもきさせるでしょう(笑)
また妄想が広がるコメントをありがとうございました!
尚、このお祭は個人の運営するもので、公的なものとは一切無関係でございます。
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