遅れて参上 五緒さま
2009/03/23(Mon) 21:39 No.100
みなさまお久しぶりです。
トップバッターで開花宣言をした当地。私、喜ぶより焦っております。
え〜、本命ネタとは別に出来上がった話を投稿いたします。
春 便 り
作 ・ 五緒さま
2009/03/23(Mon) 21:43 No.101
おいらの掌には一足早く訪れた春がある。
関弓の市街地の灯りが一つ減り二つ減りとする頃、ひょっこりと延台輔がおいらの房間にやってきた。
すぐに帰るから、と騎獣に乗ったまま窓越しに小さな包みを渡された。
おいらが包みを受け取ったのを確認すると、じゃあな、と片手を挙げ本当にそのまま戻ってしまった。
とりあえず受け取った包みを椅子に置き、読みかけたまま書卓に広げていた本を閉じて脇の小山の上に積み、場所を開けた。
書卓に包みを置いて広げると、小ぶりの蓋つきの壷からふんわりとやさしい香りがもれ拡がった。
添えられた書簡には陽子の名が書かれていた。
かさかさと音を立てながら畳まれた書簡を開く。以前、なかなか筆に慣れないと陽子は零していたが、最近ではおいらの知っている陽子の人柄を表すような手になってきているように思える。
書簡は近状報告と、内々で作られたさくら茶の飲み方が書かれていた。
壷を手元に寄せ、蓋をあける。先ほどよりも濃く匂う桜花の香り。茶杯に二輪入れお湯を注ぎ、花が開くのを待った。
湯気と共に立ち昇る香りに、湯に浮かぶ花びらに、なんだかおいらの心も浮き立ち華やいだ気分になった。
陽子や延王、延台輔も桜を観てこんな気分を味わっているんだろうか。
ふとそんなことを思いながら、冷めてしまったさくら茶を飲み干した。
後書き 五緒さま
2009/03/23(Mon) 21:47 No.102
去年の今ごろ通っていた歯医者さんで、今年の桜祭り用のネタを待合室においてあった本で
見つけたのに、あまりにも早い開花宣言でまだな〜んにも浮かんできません。
そのネタは横に置いといて、何か短い話を一つ書きたいなと、題材を探して見つけた
「さくら茶」。
(またもや自前の画像を一緒に投稿)
私が苦手なのでいままでまったく登場していない楽俊なのですが
(拙宅にはまだ登場していないキャラは多々いますけど/汗)
この題材に決めた時、さくら茶を味わうのは楽俊だ、と閃きまして、彼の登場となりました。
キャラが崩れてないことを祈るばかりです。