乳母桜 傍流 海さま
2013/04/19(Fri) 22:18 No.297
#283 griffon さま作 乳母桜への連鎖妄想 断片です。
なんだかお二人が頭の中で話し始めてしまいまして。吐き出させて下さい。
- 登場人物 芥沾君&翠微君
- 作品傾向 地味地味
- 文字数 目指せ最短! の285文字
乳母桜 傍流
海さま
2013/04/19(Fri) 22:21 No.298
「浅ましいこと」
ひと言呟くと、梨燿は臥山が纏う無数の花の一角から視線を移した。仙洞から見下ろす白色にはよく見ると温かみがある。
この露台でときおり感じる奇妙な軋みはそれだったかと芥沾君は嘆息した。
――いつもわたしが気づいてもいないことまで言い当ててしまうのね。
使命を果たしたのならあっさり消えてしまうものよ。
花になって見守ろうだなんて欲が深いわ。
「でも、美しくはなくて?」
「美しいわ」
躊躇なく認める友人に芥沾洞の主は微笑んだ。
「散り際も見事よ」
何気なく継がれた言葉。
揚げられた麒麟旗がつかの間だけ降ろされた慶東国で、ふたりの飛仙は綿帽子のような花を目に映し黙りこむ。
終