皆さま、こんばんは。いつも祭にご投稿及びレス、拍手をありがとうございます。
本日の北の国、最低気温は+1.2℃、最高気温は+12.8℃でございました。関東では雪が降ったようでございますが、北の国の我が街では冬将軍殿は暴れませんでした。
さて、桜開花情報でございます。
4/7に徳島・前橋・甲府、8日に彦根・福島、9日に鹿児島・宇都宮、10日に仙台にてそめいいよしのが満開となりました。
あまりの寒さに桜前線も足踏み中のようでございます。北の国の桜はいつ咲くでしょうか。
本日4/10は主従の日。ということで慶国主従のお話を書き流しました。縷紅さんがご投稿くださった雪桜に萌えてしまいましたね〜。よろしければご覧くださいませ。
登場人物 景麒・陽子
作品傾向 ほのぼの・シリアス
文字数 1061文字
低い声で問いかければ、忍び足で禁門を抜けようとしていた主は小さく肩を跳ねさせた。景麒は大きく溜息をつく。主はそろそろと振り返り、にっこりとよい笑顔を見せた。
「仕事に限りがついたので、息抜きに、だな」
そんな主の言い訳に、景麒は眉間に皺を寄せて冷たく言い放つ。
「息抜きならば茶を淹れさせますので執務室にお戻りください」
「お茶を飲むならちょっと欲しいものがある。来い」
そう言い様に主は悪戯っぽい貌を見せて景麒の手を取る。身体を強張らせた景麒とは対照的に、主は流れるような動作で歩き出し、あっという間に禁門を抜けてしまった。
「班渠、驃騎」
主上、と咎める暇もなく、姿を現した使令に乗せられて、景麒は蒼穹に連れ出されたのだった。
班渠に跨る主の背を眺め、景麒は再び大きな溜息をつく。景麒を乗せた驃騎はちらりと景麒に視線を移したが何も言わなかった。桜ももう満開を迎えたとう下界は花冷えなのか肌寒い。やがて。
「わあ!」
近郊の山に来てみれば、薄紅のはずの花が白く見える。主を叫ばせたものを認め、景麒もまた眼を瞠った。
「ほんとに雪が桜に積もってる……」
主はそう言って感嘆の溜息をついた。景麒もまた雪を載せて重そうに枝をしならせる桜花に見入る。もしかして。
「――これを見にいらしたのですか」
「うん。昔、雁で見たことがあったけれど、まさか自国で見られるとは思ってなかったよ……」
景麒を見上げ、主は笑みを見せて頷いた。そしてまた白く染められた桜花を眺める。
「綺麗だけど、ちょっと可哀想……」
「直に融けるでしょう」
枝先からは雫が滴っている。遠からず雪は融けてなくなるだろう。主は景麒を見上げ、少し意地悪な顔をした。
「分からないぞ。国が傾いていて、この先もっと降るかもしれない」
「主上!」
楽しげに不吉なことを告げる主を咎めると、冗談だよ、と答えが返ってきた。冗談でも口にしてほしくない言葉だ。国は落ち着いている。景麒の体調も良好だ。しかし、主は真面目に何かを考えているように見えた。
「主上……」
「――いつかはそんな日が来る」
雪桜を見つめたまま、主は静かにそう言った。景麒はそんな主の横顔を声なく眺める。主がいなくなる未来など想像したくもない。それなのに。
「まあ、それは今じゃないかな」
顔を上げた主は爽やかな笑みを見せる。それは、景麒がよく知る陽光の笑顔。
「――勿論です」
景麒は大きく頷く。主は明るい笑い声を立てた。
「この貴重な景色はよく見ておこう」
陽に照らされて融けていく桜の上の雪を、景麒は主とともにゆっくりと眺めたのだった。
2019.04.10.
お楽しみいただけると嬉しゅうございます。


今回も陽子主上に振り回されているけれど、内心はきっと嬉しいですよね。 この雪桜のことはずっと忘れずに大切に胸にしまっておくのでしょう。
シリアス、のち、ほのぼのな慶国主従に和ませていただきました〜。
でも、私はついつい、雪桜をゆっくり眺め――始めた五分後、懐から懐中時計をサッと取り出して
「主上。禁門を出発してから既に一時間経過しております。至急帰城いたしましょう」
と言い出す景麒を妄想してしまいました(笑)
なんて優秀な秘書!(違ーう!)
タイムリーな一幕を楽しませていただきました♪
主と2人で珍しい光景を見て本当は嬉しいんでしょうけど、中々言葉と顔面には現れないのが景麒らしい。そしてただの物見遊山に終わらないあたりがこの主従なんでしょうね(真面目だなあ)。主従の日に主従のお話、ありがとうございます!
そう言い切る景麒には、雪を解かす陽光が傍らにいるのが分かっているのでしょうね。でも不安になってしまうのは、麒麟ゆえかな。そして陽子も、冗談でもそんなことを漏らせるのは景麒だからなのでしょう。
やっぱり似た者主従の雪桜見物、温かいお茶を用意して帰りをお待ちしています ^^


文茶さん>
相変わらずのぐるぐる模様、お楽しみいただけて嬉しゅうございます。景麒にはずっとこの雪桜を覚えていてほしいものでございます。
饒筆さん>
いつもながら妄想を邁進させるご感想をありがとうございます(笑)。こちらこそ楽しませていただきました〜。
瑠璃さん>
陽子主上の咄嗟の行動に固まる景麒を可愛がってくださりありがとうございます。陽子主上は勿論わかってやっております(笑)。
主従の日に間に合ってほっとしておりました〜。
ネムさん>
意地悪を言っても、景麒の「直に融けるでしょう」との即答は陽子主上にとって嬉しいことなのだと思います。似たもの生真面目主従は実は管理人のツボでございます(笑)。
温かいお茶の差し入れ、痛み入ります〜。きっと持ち帰った花びらを浮かべて楽しむことでございましょう。
写真ばっかりですみません。そのうち絵も描きます。
3月末に霧島市へと向かう途中、人家など見当たらない山の中で桜が咲いている場所を見かけました。
道路から見下ろすとこんな感じ。
…みたいな感じでしょうか。3枚目と5枚目は雪のようですね。そして4枚目の鳥の羽ばたきがすごい!シャッターチャンスを逃さないところが、さすが瑠璃さんです。
秘密の花園にご招待して頂き、ありがとうございました!


ひと気のない山の中に迷い込んで見つけた秘密の花園……ネムさん……(他力本願/笑)。
ネムさん、先レスありがとうございました〜。


最後のお写真はもう雪景色かと見まごうほど綺麗......! 秘密の花園で幻想を見せられそうですね。
上へ登る道……閉ざされていて正解ですよ、きっと……(ひゃああ!)
でも、こんなに綺麗なところなら迷い込んでみたいかも〜♪
美しすぎる花園を垣間見させてくださってありがとうございます!
そ、その詩はまさかネムさんがお作りになられたので?
一気に風流な気分になりました。ありがとうございます!
鳥は実はほぼ偶然に撮れたものなんです。いや鳥を撮ろうとカメラを向けたらシャッター切った瞬間に飛んじゃったんです。撮れてて良かったです(笑)。
>未生さま
この辺りを染井吉野の時期に通ったことがなかったので、こんな場所があるとは知りませんでした。これから染井吉野はここに撮りに行こうと思います。
>ひめさま
こちらでこんなに見事な染井吉野を見たのは初めてな気がします。
本当に綺麗でした。
>文茶さま
多分ヒヨドリだと思います。これ、偶然撮れたものなんですね。一応鳥を撮るつもりでシャッター速度は上げてたんですけど、撮ろうと思った瞬間飛んじゃって。撮れててラッキーでした。羽、綺麗ですよね。
>饒筆さま
全く人気のない山の中だもんですから、ちょっと独特の雰囲気はありました。本当は道を登っていきたかった……。きっと私有地なんでしょうね。でもなんでこんな所に……って思うんですけど、事情を聞きたくても回りに人家がないもんで謎のままです。
未生さんに雪の話をおねだりしたら、こっちでも雪になりました。
いまはもう雨に変わって、夕刻には消えてしまいそうですが雪持ちのソメイヨシノです。


雪のお話の後押しをしていただいて嬉しゅうございましたが、こちら(の平地)ではなくそちらで降ってしまいましたね〜(苦笑)。実は北の国の管理人、実際に桜に積もった雪を見たことはございません。
雪が積もって重そう寒そうな桜を見ていたらまたムラムラしてまいりましたよ(笑)。
珍しくも貴重な写真をありがとうございました!
春の雪は桜にはちょっとかわいそうですが、桜の色がなお冴えて見えるようです。貴重な写真、ありがとうございました!
花に嵐とはよく聞きますが、花に雪も美しいですね。花には気の毒ですが。
寒い中、素敵な写真をありがとうございました!
今はもう雨に変わったということで、背負った雪が重たそうですね〜。


えいやっ!っと雪を振るい落とす瞬間を見たいです^ ^
未生さま、いつもお世話になります。
皆さま、初めまして。
自称十二国記芸人のまりぬんと申します。
この素敵なお祭りも最後と聞いてお邪魔してしまいました。
既に大変な盛り上がりで少々気おくれしています。
私のやっていることは合っているのでしょうか…;
先日撮影してきた李斎を置いていきます。
翌日が大雨で、近所の桜の見頃はこの日を最後に終わってしまいました。


満開の桜の下ひとり横たわる李斎。いったい何を夢見ているのでしょう。願わくばその夢が幸せなものでありますように。
素敵な写真をありがとうございました。
桜に包まれているような李斎の写真、とっても綺麗です!衣装もすてきですね。
本当に幸せな夢であることを願って止みません。素敵な写真をありがとうございます。
花の下で微睡む李斎。美しいですね〜 このアングル、どうやったら撮れるのでしょうか?レイヤーさん達は衣装も舞台作りも凝ってらして、その行動力には脱帽です。
今度は〇んちゃんも出て来て下さいね〜
ご参加&素敵な作品をありがとうございます〜!
温かな桜色やピンク色がたっぷり、陽射しも麗らかでまさに春爛漫♪なお写真ですね!
注目する点が細かくて恐縮ですが、ふんわり入ったチークに
@ぽかぽか暖かくて気持ちよく眠っているのか
Aどなたかに逢う夢をみて頬を染めているのか
どちらなのかな〜などと私が夢を見てしまいます。
コスプレイヤーさんは凄いなあ……!
こっそり覗き見させていただいたこともありまして、初めてのような気がしないのであります。
それまでレイヤーさん達ってただ趣味の衣装を身に着けていらっしゃるだけだと思っておりましたので、そうではなく企画力がとてつもなく高い方々だと圧倒されてしまったわけです。
で、李斎さん、きれ〜〜い!!衣装も着心地良さそう〜〜!桜もいい感じ(はぁと)


柔らかな桜の下で眠る李斎を、上から泰麒が撮影しているんじゃ!?と妄想してしまいました^ ^ この時にはもう戴に平和な時代が訪れているといいなぁ。
ツイッターで拝見しておりますが、まりぬんさんは美人さんでいらっしゃるから、どんなコスでも映えますね〜! とっても綺麗です!
はい、やっとこさお邪魔してしまいました。
レイヤーさんが来たことが無いと聞いて芸人の血が騒ぎました。レイヤーの血ではありません(笑)
撮るときは少し物悲しいイメージもあったのですが、桜まつりを思い浮かべながら編集しているうちにどんどん可愛らしくドリーミングになっていきました。
なのでこの写真は桜まつりに作っていただいた写真でもあると思います。
ありがとうごさいました!
>瑠璃さん
はじめまして!
と言いつつ、ツイッターでイラスト拝見しています////
衣裳は素敵な十二国記レイヤーさんの手作りです。
衣裳に着られて、私もなんとか素材の役目を全うできました。
>ネムさん
こちらでははじめまして。
いつもありがとうございます!
この写真はぬ〇ちゃんが木の上から撮りました(という設定)(鳥の仲間なのでスズメやカラスが木にとまったのと同じ扱いでお願いします)
…本当は胸の下くらいの低い位置に伸びている枝を三脚で斜め上からズームしつつ撮りました。
地面も斜面になっていて、真上からっぽく見えて実はそうでもないんです。
>饒筆さん
はじめまして!
ふんわり入ったチークにご注目ありがとうございます。
@でしょうかAでしょうか…。私にも分かりません。
夢の中の李斎に聞いてみたところ「さあ、いかがでしたでしょう」と微笑んでごまかされてしまいました。
>ひめさん
はじめまして!
えっ////ツイッターでしょうか…ちょっと恥ずかしい…////
私はレイヤーですらないただのしがない十二国記芸人(自称/十二国記と聞けばなんでもします)なので、本当のレイヤーさんの方がとてもすごいです。愛のある方は写真に表れない部分でもすごいです。
>文茶さん
こちらでははじめまして。
いつもありがとうございます!
泰麒撮影説いいですね!
なんにも考えていませんでしたが、ちょうどトリミングで右腕が消えていますし!(笑)
芸人まりぬん、コスプレのときは自身を素材ととらえ顔の加工をとても頑張っています。ので、実物はもっとアレであることはいつかお会いするかもしれない未来のために絶対に覚えておいて下さい…!
***
皆さまの作品もこれからゆっくり拝見させていただこうと思っています。
圧倒されていていったいどこからどのように拝見すればよいのやら…。どこに口を出していいのやら…。
と右往左往していますが、自分のペースで楽しませていただこうと思います。
温かいコメントありがとうございました!
先週の土曜日、近所の川沿いに植えてある桜を撮影してきました。
緩やかな風に乗って、花びらがひらりひらりと舞うさまは、ため息ものでした。


そのまま落ちる花は小鳥の仕業なのでしょうか。綺麗だけれどちょっと可哀想……。
桜を撮りに行っているときに、実際雀が桜をぽとぽと落としていくのを目撃したことがあります。桜に雀も可愛いけど、花ごととなると桜にはちょっとかわいそうですね。
綺麗な写真をありがとうございます!
花ごと落ちているのは、やはり鳥さんの仕業なんですね。確かにたくさん落ちている木は美味しいのかも。この時期空ではグルメ情報が飛び交っているのかしらん…
すてきな写真と光景、楽しませて頂きました!
砂利の上に落ちた花、そのまま着物の図柄になりそうな……和モダンな……ボクノワルイクセ(笑)


2枚目のエスプリの効いたタイトルにクスッときました(笑) 行列のできる御食事処なのかな!? せめて桜の落ちる場所が水面なら......とも思いましたが、ひめさまと同じく、反物にしたら落ち着いた色合いに控えめな柄で素敵な着物ができそうだなぁと思いました^ ^
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