皆さま、いつも祭にご投稿及びレス、拍手をありがとうございます。
本日の北の国、最低気温は+1.2℃、最低気温は+11.4℃でございました。我が街近郊の峠でも雪模様、道路は圧雪アイスバーンとのこと、春とはいえど油断はできません。峠越えをするならばGWでも車のタイヤは変えられない北の国でございます。
さて、桜開花情報でございます。
4/1に金沢、4日に彦根、5日には仙台と福島にてそめいよしのが開花いたしました。
また、4/1に佐賀・松江・和歌山・横浜、2日に岐阜、3日に長崎・広島・津、4日に熊本・高松・鳥取・大阪・名古屋・熊谷、5日には下関・宮崎・松山・岡山・奈良・水戸・銚子・富山・福井にてそめいいよしのが満開となりました。
春がどんどん広がっているようでございますね〜。
数日前、我が街は真っ白な朝を迎えました。3月が暖か過ぎたのでございましょう。そんなわけで、またも雪の小品を書きたくなってしまったのでした。ちょい甘な尚陽小品でございます。
登場人物 尚隆・陽子
作品傾向 しっとり(尚陽)
文字数 1001文字
頓狂な声を上げて東の国の女王は窓辺に駆け寄る。その声で目を覚ました北の大国の王は、笑みを湛えてその様を見やり、楽しげに声をかけた。
「静かなわけだな」
賑やかなはずの関弓の舎館。既に朝陽が昇っているにもかかわらず、人も街も眠っているような静寂に包まれている。窓の外は白銀に輝く景色、夜からしんしんと降り続いた雪がすっかり音を呑み尽くしてしまったようだ。窓に貼りついた伴侶は降りしきる大きな雪を見て感嘆の溜息をついた。
「──まだ雪が降るんだ」
温暖な国の住人は驚くだろう。しかし、早春の北国ではそう珍しいことではない。春という季節は、行きつ戻りつゆっくりと移ろっていくものなのだから。尚隆はそう思いつつも窓の外に見入る伴侶に軽く不穏な言動を返す。
「雁が傾いているからかもしれぬな」
「尚隆(なおたか)!」
伴侶は即座に振り返り、王の顔をして雁国の王を睨めつけた。生真面目な女王らしい反応だ。我が意を得たり、とばかりに人の悪い笑みを浮かべ、尚隆はゆったりと本音を返した。
「ようやくこちらを向いたな」
それを聞くやいなや、伴侶は大きく眼を瞠った。滑らかな頬が桜色に淡く染まっていく。そんな女王の可愛らしい様に満足し、尚隆も窓の外を見やった。
「牡丹雪だな。いや、桜雪だったか」
尚隆は懐かしげに眼を細める。以前公式行事のために早春の雁を訪れた隣国の女王に雪を所望されて関弓郊外へ向かったことがあった。ところどころに残る雪に歓声を上げる陽子を更に喜ばせたのが優雅に舞い振る大きな雪だ。微風に踊るそれは春を告げる牡丹雪だ、と教えれば、伴侶は悪戯っぽく笑って首を横に振った。
(牡丹雪? 私なら、この雪には違う名を付けるな)
首を傾げて先を促すと、伴侶は笑みを深めて答えを返した。
(──桜雪、だよ。春の雪は、まるで桜みたいに優しい)
そう言って匂やかな笑みを見せる伴侶は春の女神のようだった。尚隆がその笑顔にしばし見蕩れたことは言うまでもない。
「──覚えていてくれたんだ」
春の女神は頬を桜色に染めたまま嬉しげに呟く。そしてまた窓の外を白く染める雪に眼を移した。やれやれ、またも桜を思わせる雪に伴侶を奪われてしまったな。尚隆は苦笑を浮かべ、伴侶を後ろから抱きしめる。
「雪が降っても花見ができて、俺は嬉しいぞ」
雪よりも桜のようなお前の方が美しい。想いを籠めて横顔を見つめても、無邪気に外を眺める麗しき女神に尚隆の本音が届くことはないのだった。
2019.04.05.
峠は雪模様で道路は圧雪アイスバーンとのニュースに吃驚いたしましたが、まだ4月初旬だということを思い出しました。降っては融けを繰り返して北の国は春になっていくのでございました。早春の北国をお楽しみいただけると嬉しゅうございます。


桜雪、とても綺麗な響きですね。軽やかに滑るように落ちてくる雪は本当に花弁のようで、見ていて優しい気持ちになりますよね。
素敵なお話をありがとうございました!
そして尚隆のロマンチストな行動がちょっと可愛い(笑)。陽子さんには通じてないようですが。
きっと今なら雪も甘いに違いないと思っています。
甘いお話ありがとうございます。
桜雪舞う窓辺に、雪を見上げる陽子と、それを抱きしめ彼女の顔を見つめる尚隆のイラストなど、どなたか描いてくれないでしょうか。
関東も雪は降らずとも寒の戻りで思いのほか満開の桜の期間が延びましたけれど、いよいよ散り始めました。しばらくは花の雪の下を通ることになります。
小鳥は啼いていませんが、仲睦まじい朝チュンにドキドキします...
当地も雪が積もるのが珍しい地域なので、雪景色に見入る陽子さんの気持ちはよーくわかりますね。私も桜雪を見てみたいです!(二回目)
しっぽり素敵な朝の情景をありがとうございます。心が潤いました(笑)


今読み返すと結構キツイ甘さでございました(苦笑)。ですが、かの方の前では可愛い陽子主上は私の萌えツボ! そして片りひらりと優雅に舞う桜雪は是非皆さまに実物を見ていただきたい美しき風物でございます。
皆さま、ご覧くださりありがとうございました〜。


文茶さん>
「正寝の美」、桜にはそんな花言葉があるのですね。拙作をそんなふうにご覧いただけて嬉しくも面映ゆく思いました。一皮むけた沍姆をお見守くださりありがとうございました。
饒筆さん>
北国の雪は多種多様でございます。粉雪・牡丹雪・細雪・風花・吹雪……。日本人に生まれてよかったと心から思いますね! そんな言葉では表しきれなかった春の雪を桜雪と命名した陽子主上は北の人間ではないからなのでしょうね〜。いつか是非桜雪を見にいらしてくださいね!
沍姆は人間らしい人だと思います。これから穏やかに生きて死を迎えてほしいとここから願います。そして月渓にもいつか安らかな日がきますようにと祈って已みません……。
ネムさん>
美しい言葉をくださりありがとうございます。心洗われる思いがいたします。
北国の人間だからこそ、長く厳しい冬を乗り越えるための癒しが欲しいのかと思います。北の人間ではない陽子主上とは別視点でございますね……。
ご無沙汰しております。
撮れたて24時間以内の、新鮮な写真を手土産に、お邪魔します。
昨日、ノリと勢いで同僚と福岡城の夜桜を観に行ってきました。
実はここの桜を観るのは初めてでしてA^^;
お城の一番高い所、天守台から写したものです。自分が立っているのは、400年もの年月を経ている場所で、少し視線をずらせば近代的な建物がある、というのが何だか不思議な感じでした。
一枚目、まさに霞か雲のように広がる桜の向こうに無機質な街の夜景、足元は天守台……とは、確かにタイムスリップしたような不思議なミスマッチですね。でも天守台と街の間に桜があるだけで風景全てが綺麗にまとまって見えます。何故だろう……?
そして二枚目は本当にうっとりするほど見事な滝!もしくは、花嫁さんのふんわりドレスみたいです!華やか!!
素敵な夜桜をお裾分けしてくださってありがとうございます。眼福でした〜(うっとり)


夜桜、美しいですね〜。お城から見る近代的な景色、確かに不思議な感じがいたします。
枝垂桜の滝はほんとにお見事でございます。
饒筆さん、先レスありがとうございました。


天守台からのお写真を見ていると本当に不思議な感覚に陥りますね。時を超えて何かが起こりそうな......映画の1シーンのようです。
そして枝垂れ桜が美しい! 中ほどのピンク色の桜が飛沫を思わせ、滝、さらに言うとナイアガラ花火に見えて、その美しさに圧倒されます!
とても見事な夜桜ですね!染井吉野でしょうか。満開!
枝垂桜、紅白で植えてあるんですね。本当に綺麗です。わたしも夜桜撮りに行きたくなりました。
現代のライトで浮かび上がる夜桜。でも昔の人は篝火で眺めていたのかもしれませんね。夜も止まない車の音や人のざわめきに、能の謡が微かに混じって聞こえてくるような、そんな幻想を見てしまいそうな雰囲気です。そして花の滝、実物を見てみたいです。
何とも言えない幻想的な夜桜、ありがとうございました!
花の滝の枝垂れ具合は饒筆さんのおっしゃる通り花嫁さんのふんわりドレスのようですね。超豪華なレースのふんわりドレス!
桜の種類を追記
天守台:そめいよしの
二の丸(だったようです):枝垂桜、紅八重枝垂桜
>饒筆さま
ご無沙汰してます。
花嫁さんのふんわりドレスみたい、と言われて改めて写真を見ると、後方に写っている淡い紅色の桜は、トレーンベアラーの子が着ているドレスに見えてきました。
その場面を頭の中で描いてみたら、幸せ気分に浸れましたv
>未生さま
ここ数年ROMってましたが、先ずは写真でお邪魔します。
福岡城址がある舞鶴(まいづる)公園では、18種類の桜が観られるそうです。
ここに行ったのは別の動機もありますが(笑)、市内で様々な桜が観れることを知らなかったのは(ネットで調べるのが容易になったのに)ものぐさすぎるな、と思いました。
毎年、そめいよしのしか観れない、と呟いてましたからA^^;
>文茶さま
初めまして(*‘∀‘)
撮った写真の被写体を、別の物に見立てていただけるなんて、嬉しいです。
花火のナイアガラは、中心から外に向かっていく花火だったでしょうか?
そうすると、白い枝垂桜が今まさに燃え盛っているところで、淡い紅色はじわりじわりと温度を上げて盛りを迎えようとしているところ、といったように観ることができますね。
>瑠璃さま
ご無沙汰してます。
天守台からの写真は、そめいよしのの、あのほとんど白と見紛うような色のおかげで、なんとか様になったような……。
職場で隣に座った同僚のノリがなければ、夜桜を観に行くことはなかったかもしれません。
夜桜の撮影、機会があればぜひ!
>ネムさま
ご無沙汰しています。
福岡城址は2本の大通りに挟まれていますが、行ってみると静かな印象を受けました。
かつてお城に住んでいた方々が、さくらまつりに誘われて、謡われていても不自然に思えない雰囲気はありました。
因みに、お城の西隣にまた大きな公園があり、その敷地に能楽堂もあります。
>ひめさま
ご無沙汰しています。
ふんわりなのは、きっとこれから訪れる幸せでそうなっているんだろうな、と思います。
レースから垣間見える様々な幸せを想像すると、ふふっと笑みがもれてきます。


2月の末から3月染井吉野開花宣言前に撮った桜たちです。
まずは自宅の寒緋桜八重。
ご自宅にあるなんて羨ましいです……うちは盆栽の桜なら置けるかな?(笑)
そして山桜も楚々として美人さんです。年々、山桜の飾らない美しさに惹かれるようになってきました。
いつも素敵なお写真をありがとうございます♪


山桜は花は可憐なのに樹は大きいのですね。枝垂桜、永く咲くようお祈り申し上げます。
饒筆さん、先レスありがとうございました〜。


そして大好きな枝垂れ桜! 控えめに咲いているように見えるのは、やはり弱ってきているからでしょうか......心配ですね。
そうなんです、家の庭にあります。
鉢植えで買って、今は庭に植えてあります。中々育てるのは難しくて手探り状態ですが、毎年咲いてくれてます。
こちらは山桜も多く、花の色、葉の色も多様です。ただ大きい木で撮るのが難しいのが難点です。
>未生さま
自分の家の庭だからできる格好で撮ってました(笑)。カメラはバリアングル液晶なんですけど、思ったところにピントを合わせにくくて結局寝っころがる(笑)。
枝垂桜は地元では貴重なんですけど、お世話とか温暖化とか色々難しいのかもしれません。是非長生きしてほしいものです。
>文茶さま
寒緋桜はとても目に鮮やかです。2月の色味が少ない時期に咲くので、目を引きます。
山桜は葉も一緒に出てくるので、染井吉野のような華やかさはないのですが独特の佇まいが好きです。安定して咲いてくれますし。
枝垂桜は年々花が少なくなっているようで心配です。頑張ってほしいなあ。
寒緋桜八重は、桜がバラ科に分類されるのが頷ける華やかさです。2枚目だけなら桜と思わないかも。山桜の清楚さはまた別種の美しさですね。お祭ではどれもこれも見られて、すごく贅沢気分になります。(枝垂れも頑張って!)
すてきな桜達をありがとうございます。
確かに寒緋桜の八重はあまり桜っぽくないですよね。でも木とか葉っぱはやっぱり桜です。山桜と並べると違いが際立ちますね。
本当に桜は色も形も様々ですけど、どれも桜なんですよね。これだけの種類を世に送り出してくれた自然と先人達に感謝です。
>ひめさま
うちの寒緋桜八重はまだ小さい木なので、花の付いている位置が結構下の方な上、下向きに咲くので、花を下から撮ろうとするとどうしても逆光気味になってしまいます。そのまま撮ると花が真っ暗になっちゃうので、花の色を出すために露出をプラス補正(明るく)してます。そのため他の部分が全部白く飛んじゃって、光が比較的入っている外側の花びらが透けています。花だけ浮かんでいるみたいで、ちょっと不思議な感じに撮れました。
我が家の界隈はまだソメイヨシノが満開になってないので、オオシマザクラはまだまだなのですが、少し早めに開花した木があったので撮影してきました。


オオシマザクラ、まだ咲き始めたばかりのようですが、蕾がいっぱいできっと満開になったら見事なんでしょうね。
河津桜はこちらでは2月の中旬頃咲いていたのですが、3月にはすっかり葉桜で花は全然残っていませんでした。確かに長持ちする桜ですけど、ここまで残っていることがあるんですね。
このオオシマザクラの木は公園内の根元がタイルで固められてしまっているような場所にあるので、あんまり大きな木ではありません。でも薄紅色のソメイヨシノに並んで真っ白な花が咲くので、とても綺麗です(^^)
河津桜の方は、まだ人の背丈よりちょっと高い程度で木が幼いせいか、他の河津桜より少し遅れ気味に咲きました。そのせいで花が残ってるのかな? 花も人と同じで個性というか、個体差がありますね。そこが楽しくもあります。
そして桜の便りをありがとうございます〜
オオシマザクラは白い花びらと新緑の対比が爽やかで素敵ですね。根元がタイルとは……頑張っている木なんですね。
河津桜もちょうど頬を染めたくらいの色合いで可愛いです。
花冷えが続いていますが、大阪の桜もようやく華やかになってきました。


瑠璃さん、饒筆さん、先レスありがとうございました〜。


河津桜は幼木なんですね。そう考えると可愛らしさが増します。 こちらも「どう!?(綺麗でしょ!)」と声がしそうですね^ ^
初めと終わりの桜を両方いっぺんに楽しめました。
桜に追われて、連続投稿になってしまいました。
時々出している多摩森林科学園…の外側の桜です。夕方たまたま近くまで行ったので、道路沿いに植えられた桜を片端から撮ってきました(あぁ貧乏性)
こちらは陽光です
小福桜と十月桜は同じ八重ですけど、随分趣が違いますよね。本当に桜は多彩です。
横浜緋桜は流石の鮮やかさ。
盆栽越しの景色は風情があって素敵。案外このお家のかたもこうして桜を楽しんでいらっしゃるかも?
すてきな写真をありがとうございます!


様々な桜を見せてくださりありがとうございました!
瑠璃さん、先レスありがとうございました。
毎年感嘆しっぱなしですが、本当に桜は品種が多くて個性豊かですね!
最後のお写真、確かに紅と薄紅と松の緑のコントラストが春らしくて綺麗です!十二単のかさね色目にこんな組み合わせがありそう。
たくさんの眼福をありがとうございます!


最後のお写真は近景と遠景が調和して趣きがありますね。色も美しい。 こんな素敵な写真が撮れたらなぁ〜。(毎年撮りはするんですけど、ほぼ残念な結果に終わりますもので^^; )
未生さん>横浜緋桜も半分散ってました(涙)こちらも早咲きらしく、満開に会ったのは今年初めてです。
饒筆さん>十二単のかさね!その発想がすてきです。日本人はこういう景色を見て、色目を楽しんできたのでしょうか。
文茶さん>いえいえ、どこに焦点を当てようか迷った末の一作です。いつも欲張って全部入れようとして失敗するんですが…でも楽しんで頂けてホッとしました。
コメントありがとうございました!
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